いい投資信託、悪い投資信託を見分けるポイントはありますか?
酒井:アクティブファンドがいいのか、インデックスファンドがいいのか、これがひとつのポイントになるかもしれません。この議論は、外食にたとえれば、チェーン店がいいのか個人店がいいのかくらいの違いしかありません。
批判が多い毎月分配型も、上手に使いこなしている人もいます。固定観念を持たずに、自分の使い勝手のいいものを選べばいいのです。
私は資産の3分の1は自分で運用している日本株のアクティブファンドを買い、3分の2で外国株のインデックスファンドを買っています。
日本株がアクティブなのは、日本株にはファンドマネージャーが活躍する余地があると考えているからです。もしファンドマネージャーを辞めたとしても、日本株に関しては「当面の間」はアクティブを買いますね。
一方、外国株がインデックスファンドなのは、外国株を調べる時間がないからです(笑)。
藤野:私も酒井さんと同じく、日本株はアクティブ、外国株はインデックスがいいと思っています。
インデックスファンドはどの指数に投資しているかが重要です。日本株の代表的な指数であるTOPIX(東証株価指数)はよくないのです。TOPIXは時価総額の大きい銘柄の影響を強く受けるのですが、時価総額上位の会社を見ると大きな成長が見込めそうにない会社が多い。それらが足を引っ張ってしまうのです。
私は10年間「ひふみ投信」を運用してきましたが、インデックスにほとんど負けたことがないどころか、常に運用成績上位10%に入っている。日本株インデックスに勝つ方法があるいうことです。
時価総額上位の会社は成長性のない会社が多い?
藤野:強い言葉で言えば、日本株インデックスを買うことは、日本経済の成長を阻害する会社の株もまとめてたくさん買っているということです。海外ではインデックス投資が主体とはいえ、極端なアクティブ投資をする投資家も多く、その人たちがリスクテイク(意図的に危険を冒す)している。おかげで結果的によい会社の株価が上昇し、銘柄選別機能が働いている。米国株を見ると、時価総額の上位にアップル、フェイスブック、アマゾン…と成長性が高い会社がズラズラと並んでいます。だからこそインデックスファンドをそのまま買えるわけです。
一方の日本は、アクティブ投資の人がほとんどおらず、インデックス投資が正統という雰囲気がある。こういった背景があるにもかかわらず、米国の理論をそのまま当てはめて、日本でインデックス投資を勧める人が多いけれど、それではパフォーマンスは上がらないし、むしろ日本の成長を阻害する会社が買われ続けることになっててしまう。