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コモディティ☆クイズ【10】「砂糖 関連国(地図付)」の世界シェアは?
吉田 哲
商品先物取引入門講座
商品先物取引とはどんな取引なのでしょうか?なかなか取引を行うまでには至らない、ちょっとハードルが高い存在・・・と感じる方も多いと思います。このコラムでは、「そもそも商品先物取引と…

コモディティ☆クイズ【10】「砂糖 関連国(地図付)」の世界シェアは?

2018/5/2
・今回は「砂糖」に関連する国について解説します
・複数のヒントをもとにクイズにトライして、砂糖の基礎知識を身につけましょう
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・今回は「砂糖」に関連する国について解説します。
・複数のヒントをもとにクイズにトライして、砂糖の基礎知識を身につけましょう。

今回は「砂糖 関連国」に注目

 前回はコーヒーの生産国に注目しましたが、今回は、同じ農産品の砂糖について、生産国・輸出国・輸入国・消費国の状況を探ります。

 砂糖の《甘さ》が人を楽しませる役割を持っていること、そしてその砂糖を楽しむ人(人口)が世界的に増加傾向にあることは、今後の砂糖市場を考える上で重要だと筆者は考えています。

 また、砂糖は、コーヒーと同様「CRB指数」(シーアールビーしすう。1957年に米国のCommodity Research Bureau社が開発)という、コモディティ価格の大まかな流れを示す指数を構成する重要な銘柄の一つとなっています(現在、東京商品取引所での取引は行われていません。上場復活が期待されます)。
 

砂糖の歴史と分類

 レポート「コーヒーは世界をめぐる!ティータイム銘柄で知る面白世界史!」で書いた「コロンブス交換」において、旧大陸(ヨーロッパ・アフリカ・アジア)から新大陸(アメリカ)に渡った品目の中に《サトウキビ》を見つけることができます。

 大航海時代以降、インド以東が原産といわれるサトウキビは大西洋を渡り、アメリカ大陸にて盛んに栽培されるようになりました。本レポートで示す「砂糖の生産国」の上位ランキングには、アメリカ大陸(北米・中米・南米)に属する国を複数確認できます。

 サトウキビは大西洋を渡る前、地中海沿岸でも生産されていましたが、アメリカ大陸での大生産がはじまった後に衰退しました。しかし、現在は、サトウキビと同様、砂糖の元になる《テンサイ(甜菜)》の栽培がヨーロッパで行われています。

《テンサイ》由来の砂糖が作られるようになったのは、1806年にフランスとその同盟国の支配者となったナポレオン1世が、産業革命に沸くイギリスをけん制するために行った大陸封鎖(ベルリン勅令)により、イギリスによるアメリカ大陸からヨーロッパへの砂糖の輸入が一時中断したことが要因と言われています。

《テンサイ》は、見た目は大根やカブのような植物で、サトウダイコンとも呼ばれます。暖かい地域で生産されるサトウキビと異なり、寒冷地で育つ作物です。寒冷地での栽培が可能な点はヨーロッパでの栽培拡大の大きなポイントになったと考えられます。

 サトウキビとテンサイの栽培地については、日本をイメージするとわかりやすいです。サトウキビは主に沖縄県や鹿児島県の諸島部(北緯25度から30度、サトウキビの主要生産国のインドの北側に相当)で生産されています。一方、テンサイはほとんどが北海道(北緯およそ44度、テンサイ主要生産国のフランスの南部に相当)で生産されています。

 サトウキビは大きくなれば高さ3メートル程度にもなる細長い植物で、テンサイは土の中に根差す植物です。見た目は似ても似つかぬ植物ですが、細かく砕いたり絞ったりした汁を煮詰めて遠心分離機にかける工程により、どちらからもほとんど差異のない砂糖が作られます。

 スーパーマーケットなどで売られている砂糖のパッケージに書かれている原材料名にサトウキビ由来かテンサイ由来かが書かれている場合があります。

 暖かい地域でのびのびと育ったサトウキビから作られた砂糖なのか、寒冷地の土の中でたくましく育ったテンサイから作られた砂糖なのか、原材料名の表示で判断がつきます。

 店頭で砂糖を見かけた際、注目してみると面白いかもしれません。

 

砂糖 関連国☆コモディティクイズ全5問

 砂糖の市場環境を知る上で、供給側(生産・輸出)と需要側(消費・輸入)といった、関連国全体の状況を把握しておくことが重要です。国旗や地図上の位置、マスの大きさ(国名の文字数)をヒントに、各質問の上位3カ国を考えてみましょう。

※各データは米国の農務省(U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE以下、USDA)と、FAO(国際連合食糧農業機関)の統計をもとに作成しました。

 

問1:砂糖 の生産国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう?

 出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は、このページの下段にあります

 

問2:サトウキビの生産国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう?

 出所:FAOのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は、このページの下段にあります

 

問3:テンサイの生産国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう? 

出所:FAOのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は、このページの下段にあります

 

問4:砂糖 の輸出国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう?

出所:USDAのデータをもとに筆者作成 ★答えと解説は、このページの下段にあります

 

問5:砂糖 の輸入国
上位3カ国はどこでしょう?1位、2位、3位はどこの国でしょう?

出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は、このページの下段にあります

 

問6:砂糖 の消費国
上位3カ国はどこでしょう?1位、2位、3位はどこの国でしょう?

出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は、このページの下段にあります

 

■回答と解説■砂糖 関連国☆コモディティクイズ

問1:砂糖の生産国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(21.7%)、2位インド(15.0%)、3位EU(10.9%)でした。

「コロンブス交換」と「三角貿易」(次のレポート参照「コーヒーは世界をめぐる!ティータイム銘柄で知る面白世界史!」で生産が始まり拡大したブラジルや、サトウキビの原産国付近のインドの生産量が多くなっています。インドも大航海時代以降、ヨーロッパ列強の植民地として砂糖の生産が盛んになりました。

 ブラジルもインドも、国土が広いこと、サトウキビの生産に適した気候であること、(以下の輸出量の箇所にも関連しますが)自国の重要な輸出品目であること、多くの人口を抱える自国の消費に対応することなどが、現在も世界屈指の砂糖生産国である理由と考えられます。

 EUが3位になっていますが、こちらはテンサイ由来の砂糖です。テンサイ由来の砂糖の生産が盛んになったのがヨーロッパだったこと、テンサイが寒冷地でも育つ植物であること、域内の消費を満たすことなどが、EUでの砂糖生産量が多い理由であると考えられます。

 砂糖の生産国の上位は、おおむねサトウキビとテンサイの生産国の上位にあたります。以下のサトウキビとテンサイの生産国ランキングの解答もご参照ください。

 

問2:サトウキビの生産国の正解は……

出所:FAOのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(40.7%)、2位インド(18.4%)、3位中国(6.5%)でした。

 ランキング上位国は、北緯・南緯30度以下の暖かい地域の国が多いです。国土が広い中国は南部で生産されていると考えられます。

 ブラジルではサトウキビからエタノールを作る動きが活発です。ブラジルにとってサトウキビを生産する目的は砂糖を作ることだけではないことが特徴です。ブラジルは世界屈指のエタノール生産国・輸出国であるためエタノール大国と言われています。

 ブラジルではエタノール100%でもガソリン100%でもそれらの混合でも走行可能な《フレックス車》が走っています。

 

問3:テンサイの生産国の正解は…

 出所:FAOのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位EU(40.0%)、2位ロシア(18.5%)、3位米国(12.1%)​でした。

 ウクライナなどを含めれば、世界の60%以上が欧州からロシアにかけた地域で生産されています。中国はサトウキビでもランクインしましたが、テンサイは中国の中でも緯度が高い地域で生産されていると考えられます。

 

問4:砂糖の輸出国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(47.9%)、2位ベトナム(タイ13.9%)、3位オーストラリア(6.0%)​でした。

 ブラジルの量は2,960万トン(2017年)です。これは以下に示す世界の輸入国の上位10カ国の輸入量の合計をカバーする量です。

 輸入は、多くの場合当該国の生産で追いつかいない量を補うために行われていると考えられます。その意味では、ブラジルの生産量が減少したり、ブラジル自体の消費量が急拡大したりした場合、輸入国の多くで需給がひっ迫する可能性があります。

 また、生産国4位のタイが輸出国2位にランクインしています。生産量の76.5%が輸出に回されている計算になります。タイにとって砂糖(サトウキビ由来)は重要な外貨獲得手段であると考えられます。

 

問5:砂糖の輸入国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位インドネシア(8.5%)、2位中国(7.8%)、3位米国(6.3%)でした。

 1位のインドネシアですが、以下で触れますが、世界6位の消費量です。比較的大きな規模の消費量にあって輸入が世界1位であるわけです。

 このインドネシアの砂糖の輸入依存度(輸入量÷輸出量)は、およそ67%でした。消費の半分以上を輸入に頼っていることになります。

 一方、輸入2位・3位の中国・米国ですが、ともに輸入依存度は30%以下と、比較的自国で賄うことができている状況です。

 インドネシアにない、中国と米国の共通点は、国土が広いこと、そして国土が広いことによって国内の低緯度地域でサトウキビを、高緯度地域でテンサイを生産できる点が上げられます。

 中国はサトウキビ生産3位・テンサイ生産9位、米国はサトウキビ生産10位、テンサイ生産3位です。このような広い国土を利用してサトウキビとテンサイを両方生産できる点は自国の大量消費に適した環境と言えます。

 一方、インドネシアは国土のほとんどが赤道直下の熱帯地域であるため、サトウキビが中心の生産となっています。テンサイの生産上位国50位にランクインせず。サトウキビは11位。
 

問6:砂糖の消費国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位インド(15.2%)、2位EU(10.7%)、3位中国(9.1%)でした。

 まさに「人が集まるところに砂糖の消費あり」、ということが分かるランキングですが、特に1位のインドについては、人口の多さ以外に加えて食文化も関わっていると考えられます。

 ナン(小麦粉を練って伸ばして焼いた主食となるもの)、チャイ(インドで飲まれるミルクティー)、ジャレビ(揚げ菓子)など、身近な食べ物にたくさんの砂糖が入っていると言われます。

 インドあるいはインド以東が砂糖の発祥の地と言われることや、ヒンズー教においてお菓子の消費が増えるお祭りがあることなど、伝統的に砂糖が食されてきたという背景があります。

いかがでしたでしょうか。

砂糖に関連する国を見てきました。身近な調味料であり、わたしたちの食を楽しませてくれるだけでなく、近年では美容と健康の分野でも注目が集まっています。

砂糖のことを知る上で、関連国を知ることは非常に重要かつ有効であると思います。
 

楽天証券で取り扱っている砂糖と農作物の海外ETN銘柄例

楽天証券では「海外ETN取引」において、以下の銘柄を取り揃えております。長期的な視点で価格の推移をご注目ください。

対象 銘柄名 取引所 経費率
砂糖 iPath シリーズB ブルームバーグ砂糖サブ指数トータルリターンETN NYSE Arca 0.45%

対象指数であるBloomberg Sugar Subindex Total Returnに連動するETN。同指数は、砂糖先物価格を対象としており、ETNを通して砂糖への投資を可能としている

対象 銘柄名 取引所 経費率
農産物指数 iPath シリーズB ブルームバーグ農産物サブ指数トータルリターンETN NYSE Arca 0.45%

対象指数であるBloomberg Agriculture Subindex Total Returnに連動するETN。同指数は、コモディティの中のコーン、大豆、砂糖、小麦、大豆油、大豆粕、コーヒー、綿の先物価格で構成されており、ETNを通して農作物への投資をすることができる。構成は、コーン24%、大豆23%、小麦13%、砂糖12%、大豆油10%、コーヒー9%、コットン5%となっている
 

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