4月後半以降、3月決算企業は決算発表のシーズンを迎えます。この時期は株価の乱高下に頭を悩ませる個人投資家の方も多いはず。そこで、決算発表シーズンを乗り切るために注意したい4つのポイントをご紹介します。
個人投資家を悩ませる「あの時期」がやってきた
決算発表といえば、個人投資家を悩ますのが「決算発表後の株価の乱高下」。筆者自身も、3カ月に1度のこのシーズンは憂鬱になります。
なぜなら、順調だった株価が決算発表により急落してしまうことも少なくないからです。
しかし、株式投資をするうえで、決算発表シーズンの株価の波乱を避けることはできません。そこで今回は、決算発表シーズンを乗り切るにあたり注意しておきたい点を4つご紹介します。ぜひ参考にしてください。
注意点1.決算発表後の株価の動きは事前に予測できない
決算発表シーズンが難しいのは、決算発表後の株価がどのように動くかを事前に予測することができないからです。好決算であっても株価が急落することもありますし、逆にさえない決算でも株価が急騰することもあります。
ただし決算の内容は、情報量や分析力に優れたプロ投資家であれば、ある程度は事前に察知できます。それによるプロ投資家の投資行動が株価のトレンドに現れます。
たとえば、決算発表前から下降トレンドが続いている銘柄なら、決算内容もよくないことが多いです。逆に決算発表前から上昇トレンドにある銘柄は、決算内容がよいケースが多いです。
そのため、筆者は決算発表前の時点で上昇トレンドにある銘柄については決算発表前に売却などせずそのまま保有を続けます。
中には上昇トレンドで決算発表を迎える銘柄であっても、決算発表後に株価が急落する
ものもありますが、それは仕方ないとあきらめることにしています。
決算発表前に保有株を売却するという戦略もあります。そうすれば、決算発表後の株価の乱高下に巻き込まれずに済みます。
しかし、売却した後に決算発表により株価が急騰してしまった場合、その恩恵を受けることができません。高値掴みの危険性もありますので、買い直すこともリスクがあります。
決算発表をまたいで株を保有し続けるか、それとも決算発表前に売却するかはどちらも
一長一短があります。筆者であれば、決算発表後の急落リスクより、決算発表後の急騰を逃してしまうリスクを避けるべきと考え、上昇トレンドの銘柄は決算発表をまたいで株を保有し続けます。
注意点2.決算発表の直前にはできるだけ買わない
決算発表の前から上昇トレンドであった銘柄が決算発表により急落しても、それほど大きなマイナスにはならないことが多いです。プラスで売り抜けることができるケースも少なくありません。
なぜなら、上昇トレンドになって間もないタイミングで買った場合は、購入時の株価よりも決算発表直前の株価のほうがかなり高いことが多いからです。
そこから株価が急落しても購入時の株価を大きく下回ることが少ないのです。
でも、決算発表の直前に株を買い、決算発表により株価が急落すると買った価格から大きく値下がりしてしまうことになります。
たとえば3,000円で買った株が4,000円まで上昇したところで決算発表により株価が急落し3,200円になっても、プラス200円で売ることができます。
ところが決算発表直前に4,000円で買い、決算発表後の急落に巻き込まれると、マイナス20%の3,200円で売る羽目になってしまいます。
決算発表後の株価の動きは予測できません。決算発表の直前に株を買うのはかなりリスクが高いと認識してください。
注意点3.決算発表直前の株価上昇に注意
下落を続けていた株価が決算発表直前に突如上昇し、25日移動平均線を超えることがよくあります。しかし、これは一時的な反発に過ぎないことが多いので注意が必要です。
株を買って保有している投資家だけでなく、その株を空売りしている人も、決算発表の
乱高下は巻き込まれたくありません。空売りしている株の決算内容が予想外によかったりすると、株価が急上昇します。その株を空売りしている投資家は大きな損失につながりかねないのです。
株を保有している投資家が決算発表前に保有株を売りたくなるのと同じで、空売りしている投資家も決算発表前に空売りを買い戻しておきたいのです。
その結果、下降トレンドを続けている株が空売りの買い戻しにより決算発表直前で反発する、という現象がよく起こるのです。
筆者も先日、下降トレンドが続いていた銘柄が久しぶりに25日移動平均線を超えたので新規買いしたところ、その直後に想定より悪い決算となることが発表され、株価急落の憂き目にあってしまいました。
もし、決算発表の直前になって突然25日移動平均線を超えてきたような場合、買うにしても少量にとどめ、残りは決算発表後の株価の反応をみてから行動を決めたほうがよいと思います。
注意点4.決算発表後の株価の動きには逆らわない
会社四季報に載っている業績予想よりはるかによい決算内容でも株価が大きく下がることがあります。逆に会社四季報の業績予想より悪い決算であっても株価が大きく上昇することがあります。
これは、プロ投資家や外国人投資家の予想と会社四季報の予想とが異なるために生じるものです。
決算発表による株価の反応は、会社四季報の予想と実際の決算内容との比較ではなく、プロ投資家の予想と実際の決算内容との比較によりもたらされます。
私たち個人投資家はプロ投資家の予想を知ることができません。でも決算発表により株価が上がったか下がったかはわかります。
このとき気を付けたいのが、会社四季報の予想よりはるかによい決算発表なのに株価が
大きく下落するケースです。
個人投資家は会社四季報と決算内容の比較をします。そのため「こんなよい業績なのに株価が下がっているのだから買おう!」と、値下がりした株を喜んで買ってしまいます。
でもプロ投資家の目線からみると、プロ独自の予想値より決算内容がよくなかったら、株価が売られて当然なのです。
ですから、会社四季報の予想より決算発表の内容がよくても、手放しで喜んで買わないようにしましょう。決算発表の内容がどうであれ、決算発表後に株価が大きく下落したならば上昇トレンドに復帰するまで手を出さないで待つことが重要です。
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