You Can't Stop the Beat
ジャック・マー氏が1999年に中国で創業したアリババ・グループは世界トップクラスのeコマース(電子商取引)企業グループに成長し、その売上は中国GDP(国内総生産)の2%を占めるとさえいわれています。同社が11月11日を「独身(シングル)の日」としてセールを仕掛けたことで、この日は中国のネット市場最大の商戦日となり、2017年は24時間の取引額が約2.8兆円にのぼったことでも有名です。
そして、フィンテックの成功例として注目を集めるのが「アリペイ」。アリペイとは、アリババ・グループが提供するデジタル決済サービスで、商品代金の決済だけではなく、電気、ガス、タクシーなどの支払い、さらには送金や資産運用、ローンまでできてしまうという便利さです。使い方も簡単なうえ、ほとんどが手数料無料。1日の決済金額は約4,000億円、1日の取引数は1億580万件にもなるとされています。若者の銀行離れが進んで将来ほとんどの銀行が消滅するといわれるほどの脅威となっています。
その巨大eコマース企業の会長であるジャック・マー氏ですが、学生の頃は、大学受験に2度失敗するなど優秀な成績ではなかったそうです。しかし、
「それでも英語だけは得意だった」
中国という巨大なマーケットがあるのに、英語なんて必要?と思いました。しかし、当時の中国は閉ざされ、世の中の情報は決定的に不足するなかで、彼の英語力が大いに役に立ったわけです。
「マー氏は、IT技術に詳しくなかったけれど、英語が読めたので、外国にはこのようなビジネスがあり、我々もやってみようと呼びかけた」
ジャック・マー氏といえば、
「永遠不放棄」(絶対にあきらめない)
というフレーズに代表されるように、ビジネスに40回以上失敗しても絶対にあきらめない根性ばかりにスポットライトがあたっていますが、もし、ジャック・マー氏が英語を知らなければ、ビジネスチャンスを見つけることさえできなかったでしょう。
ジャック・マー氏は、こうも語っています。
「今はインターネットの時代。インターネットがあれば、だれでも学ぶことができる」
インターネットには最先端で最新の情報が溢れています。しかしその大部分は英語で書かれていることも事実です。インターネットを手に入れても、英語を知らなければ学ぶこともできません。
FXの世界でも同じです。ユーロにしても、豪ドルにしても、ポンドにしても、あるいはトルコリラにしても、新しい情報はまず英語で配信されます。日本語に訳されるのを待っていてはマーケットに乗り遅れてしまいます。
ジャック・マー氏は、英語は「情報を収集するため」だったと述懐しています。直接的すぎて英語教育の方は眉をひそめるかもしれませんが、「自分の視野を広げ」たり、「日本の文化を紹介」できるようになることよりも、英語学習の真髄をついているのではないでしょうか。
投資家に英語を学ぶ必要がもしあるとするならば、それは「情報を得る」ため。ジャック・マー氏を見習って、自分も英語をもう一度勉強しようと思いました。
(解説:楽天証券FXディーリング部 荒地 潤)
もっと!もっと!ジャック・マー氏 名言&迷言集
“僕にとっての『ひざまずく』という言葉は、 |
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”もし収益が100万ドルだったら、それはあなたが使っていいお金だ。 それは世の中の人々や社会から与えられた「信用」であり、 |
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”ビジネスにおける競争では、相手が勝っても、 つまり競争社会の中でもバランスを保ちながら |
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”自分を疑ってもいい。信念を疑うな” |
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”一つのことに打ち込まなければ何も成し遂げられない” (2014年『ジャック・マー アリババの経営哲学』張燕・著) |
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”諦めることが最大の敗北” (2014年『ジャック・マー アリババの経営哲学』張燕・著) |
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”何もなく成功する経営者はほとんどいない。 成功に繋がる過程の一部として失敗が |
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”人々がアリババという名を聞いたとき、 |
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”まさに仕事の場が修行だと思っていて、 |
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”インターネットビジネスというのは、 |
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ジャック・マー氏の経歴・略歴
中国の起業家。企業間eコマースをサポートするプラットフォーム「アリババドットコム」や中国最大級のCtoCマーケットプレイス「タオバオ」を運営するアリババ・グループ(阿里巴巴集団)の創業者・現会長・元CEO。座右の銘は「永遠不放棄」。ソフトバンクグループの取締役も務め、孫正義氏は彼を「大勢の人間を動かせるカリスマを持っている」「生まれながらのリーダーである」と評しています。
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