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配当金なのに売却益!?~信用取引の税金のキホンをおさえよう~
足立 武志
知らなきゃ損する!今日から使える税金のキホン
難しくよくわからない「税金」。だれでもわかるように、知らないと損する情報を公認会計士・税理士かつ個人投資家がお届けします。

配当金なのに売却益!?~信用取引の税金のキホンをおさえよう~

2018/3/16
・信用取引で売買したときの税金は?
・含み益・含み損の状態で税金はかかる?
・信用取引で受け取った配当金は「配当金にあらず」?
・空売りをしている株は配当金の「支払い」必要が
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 ネット証券の隆盛により個人投資家の多くが信用取引をするようになりました。でも信用取引の税金を意外と気にしていないのではないでしょうか。この機会に税金について押さえておきましょう。

 

信用取引で売買したときの税金は?

 信用取引とは、簡単に言えば証券会社からお金を借りて株取引を行うことです。

 ネット証券ができる前は、証券会社への預かり資産が数千万円以上あり、かつ株式投資の経験も長い人でないと信用取引はできませんでした。
 でも今は、ネット証券を使えば少額の証拠金のみで気軽に始めることができます。そのため、多くの個人投資家が信用取引を行うようになりました。

 ところで、信用取引の税金がどのようになっているか、気にされたことはありますか?意外と皆さんあまり深く考えたことがないのではと思います。

 信用取引では、次の4パターンで利益や損失が発生します。

(1)買建て→値上がりしたところで決済して利益を得る
(2)買建て→値下がりしたところで決済して損失が生じる
(3)売建て(空売り)→値下がりしたところで決済して利益を得る
(4)売建て(空売り)→値上がりしたところで決済して損失が生じる

 

含み益・含み損の状態で税金はかかる?

 これらのうち、利益が生じている(1)と(3)の場合、課税の対象となります。現物取引と同様、譲渡所得として利益の20.315%が課税されます。
 一方、損失が生じている(2)と(4)の場合は、損失ですから課税はありません。そして株取引で生じた他の売却益や配当金と相殺することができます。その年に相殺できなかった損失は確定申告をすることで3年間繰り越すことが可能です。

 つまり、信用取引の建て玉を決済したことによる利益や損失は、現物取引と同じ取り扱い(譲渡所得として利益の20.315%を課税)となります。

 では、まだ決済が終っていない信用取引の建玉に含み益が生じているときはどうでしょうか? これも現物取引と同じで、含み益の状況では、税金はなにも発生しません。課税されるのは実際に決済をして利益が確定した場合のみです。

 

信用取引で受け取った配当金は「配当金にあらず」?

 上記のとおり、信用取引の決済損益にかかる税金は、現物取引における売却損益の税金と扱いは同じです。
 では、信用取引で配当金を受け取った場合の税金も、現物取引と同じなのでしょうか?実は同じではありません。信用取引で受け取った配当金は、「配当金ではない」のです。

 現物取引で配当金を受け取った場合、配当所得として20.315%の源泉徴収がされます。その後確定申告をせずに課税関係を終了させてもよいですし、確定申告して配当控除を受けたり株の売却損と相殺することもできます。

 ところが、信用取引で受け取った配当金は、このような扱いになりません。なぜなら、「配当所得」とはならないからです。

 原則として、信用取引で買い建てていた株については、配当金を受け取ることはできません。信用取引で買った株について株主としての権利がないからです。

 でもその代わりに「配当落調整額(はいとうおちちょうせいがく)」というものを受け取ることができます。配当の権利確定日を過ぎると配当金の分だけ株価が理論的に値下がりします。これを調整するために信用取引の売り方(空売りをしている投資家)から買い方(買建てをしている投資家)へ支払われる調整金のことです。

 特定口座を前提に考えると、この「配当落調整額」は名前のとおり配当金ではないので、配当所得としては扱われず「譲渡所得」(売却益)となります。

 配当落調整額は、通常の配当金から所得税の源泉徴収額である15.315%を差し引いた金額となります。つまり、配当金の84.865%しか受け取ることができません。これに対して、譲渡所得の税金として20.315%が課税されるのです。
 このように、信用取引で受け取ることができる配当落調整額は、現物取引で受け取れる配当金よりも、小さい額となることは知っておきましょう。

 

空売りをしている株は配当金の「支払い」必要が

 では、空売りをしている場合はどのような扱いとなるでしょうか。配当受け取りの権利日をまたいで空売りした株があるときは、逆に配当落調整額を支払うことになります。

 この支払った配当落調整額は譲渡所得のマイナス、すなわち売却損と同じ扱いとなります。 したがって、他の売却益があれば相殺できますし、損失が残った場合は確定申告により3年間繰り越すことが可能です。

 なお、空売りをしている株に対して支払う配当落調整額は、制度信用取引と一般信用取引とで異なります。
 制度信用取引の場合は、配当金×84.865%を支払えばよいのですが、一般信用取引の場合は配当金の100%を支払わなければなりません。

 以上が信用取引にかかる税金の基本的知識です。そんなに込み入った話はなく、信用取引では配当所得は生じず、すべて譲渡所得(売却損益)として処理されるというのが特徴です。この点はぜひ覚えておいてください。

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