今回の格言

「申酉(さるとり)騒ぐ」

 

どんな格言?

値動きの荒い相場が続くかも・・・

「申酉騒ぐ」とは、申年と酉年の相場は「猿や鶏のように騒がしく、値動きが荒くなりやすい」ということをあらわしている。干支(えと)にちなんだ相場格言は、毎年、年末年始になると話題になるが、十二支を全体でみてみると、

  • 辰巳(たつみ)天井
  • 午(うま)尻下がり
  • 未(ひつじ)辛抱
  • 申酉(さるとり)騒ぐ
  • 戌(いぬ)笑い
  • 亥(い)固まる
  • 子(ね)は繁栄
  • 丑(うし)つまずき
  • 寅(とら)千里を走り
  • 卯(う)跳ねる

となる。

申(さる)年であった2016年は、世界で政治情勢や経済環境が大きく変化し、内外株式や為替が乱高下した記憶が新しいところ。2016年初は中国危機や原油相場低迷で世界株式が下落、ドル/円が下落(円が上昇)したことで日本株は低迷を余儀なくされた。
さらに、6月のBREXIT(英国のEU離脱を決定した英国民投票)、11月の米国大統領選挙も「事前予想を裏切った政治イベント」となり、相場は大荒れ。格言の通り、まさに騒がしい1年だった。

 

 

どう投資に生かす?

過去の酉年相場は、4勝1敗。平均18%上昇

酉年の2017年の相場も荒れるのか? トランプ新大統領のツイッター発言や経済政策を巡る不透明感、中国経済の懸念や米中関係の緊張、欧州の選挙結果(3月にオランダ総選挙、4-5月にフランス大統領選挙、秋にドイツ総選挙が予定)、中東の地政学的変化、北朝鮮の暴走など、潜在的なリスク要因は今年もたくさん挙げることができる。

気になるのは、荒れたとして「上に行くのか、下に行くのか?」だ。申年の昨年は騒ぎはしたが、最終的には世界的に株価は上がった。そこで、これまでの「酉年」の戦績を振り返ってみた。

第二次大戦後の「酉年」に相当する年の国内株式(TOPIX)の暦年騰落率をみると、1957年は15.7%下落したが、69年は36.5%上昇、81年は16.1%上昇、93年は10.1%上昇、05年は43.5%上昇。相場が上昇した年を「○」、下落した年を「×」とすると酉年の「勝率は4勝1敗」、「平均騰落率は18.1%上昇」だ。

1950年から2016年までの騰落率の平均は10.5%。つまり、「酉年の株価上昇率は平均の約1.7倍」という結果になる。2017年相場も、上下に揺れながらも「鳥のように空高く飛ぶ相場」であって欲しいものだ。

 

今回のお作法

相場の乱気流に備えつつ、上昇気流を探ろう