前日(3月1日)の市場概況
ドル/円:ドル売り材料目立つ
この日のドル/円は、手掛かり難からしばらく106円台後半で小動きが続いていましたが、NY時間になって動きが活発になりました。
この日の米指標は2月ISM製造業景況指数が予想を上回るなど良好で、ドル/円は107.20円まで上値を伸ばしました。ところが、トランプ大統領が鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を導入すると発表したことから相場の流れ反転。保護主義へ傾斜する米国の通商政策を嫌気して、ダウ平均は420ドルの大幅安に。また、パウエルFRB議長が「賃金上昇によるインフレが加速している証拠は何もない」と議会証言で発言したことでFRB利上げ加速期待が後退しました。投資家心理の後退や米長期金利の弱含みでドル/円は106.15円まで大きく下落。終値は106.241円(前日比-0.459円)。(チャート1)
マーケットは早くドルを売り抜けたい、と焦りが募っているようです。先週は108円台で待っていた売りが今は107円台まで下りてきて、ドル/円の天井が徐々に低くさらに重くなっています。
クロス円特集:年初来安値を次々更新
クロス円が下落しています。マーケットが円高に動いていることはもちろんですが、それに加えてユーロやポンドは政治問題を抱え、豪ドルやカナダは商品相場の下落が追加のマイナス材料となってクロス円の売りを強めています。
ユーロ/円は129.76円(昨年9月8日以来)、豪ドル/円は82.13円(昨年6月7日以来)、NZドル/円は76.59円(昨年11月30日以来)、ポンド/円は146円(昨年9月14日以来)、そしてカナダ/円は82.49円(昨年6月14日以来)まで安値を更新しています。(チャート2,3,4,5,6)