ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド
当ファンドは、日本国内の中小型割安株に投資すると同時に、株価指数先物を売り建てることで、市場全体の変動とは無関係にプラスの収益を獲得することを狙ったファンドだ。
運用の狙いは、株式市場全体(市場平均)よりも高い成長が期待される中小型株かつ割安な銘柄への投資により市場平均を上回る収益を期待すると同時に、TOPIX先物などを売り建てすることで、市場全体の変動を相殺し、銘柄選定によって生み出される超過収益のみを積み上げることで、安定的な収益の獲得を目指すことにある。なお、TOPIX先物の売り建てを考慮した実質的な株式組み入れ比率は0~20%の範囲内にコントロールすることから、株式組み入れ比率の機動的な調整も当運用チームの腕の見せ所といえるだろう。
設定来の運用実績を見るかぎり、その狙い通りの運用が行われているようだ。その軌跡を辿ってみると、設定後、2012年初までは順調に推移するものの、2012年春以降は中小型株市場が市場平均を下回る成績であったことから、当ファンドの成績もじりじりと値下がりした。しかし、安倍内閣への政権交代を契機に、中小型株市場が急反発したことから当ファンドの成績も急回復し、その後も中小型株市場が優勢だったことから、じりじりと上値を切り上げていった。この間、中小型割安株の銘柄選択が奏功したこともさることながら、株式市場の上昇・下落局面あるいは大型株優位・小型株優位の相場を見極めながら実質的な株式組み入れ比率を機動的に調整したことで、安定的な成績を残してきたようだ。なお、当ファンドの価格変動リスクの大きさ(標準偏差)は年率7%程度と、為替リスクを抑えた債券ファンド並みの水準であることにも注目したい。
当ファンドは株式を投資対象としているものの、株価指数先物を売り建てすることで、市場変動リスクを抑えていることから、爆発的なリターンが期待できるファンドではないということを良く理解しておこう。世界的な低金利環境下で債券投資による収益獲得の期待が下がるなかで、株価上昇の恩恵を受けながらも安定的な収益を積み上げていきたいと考えるのであれば、当ファンドを検討してはいかがだろうか。
ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンドのトータルリターンの推移
(出所:ISIDフェアネスのデータをもとに楽天証券が作成。(2011年11月末を10000として指数化))
①過去1年 リターン (年率) |
②過去3年 リターン (年率) |
③過去1年 標準偏差 (年率) |
④過去3年 標準偏差 (年率) |
過去1年 投資効率 (①÷③) |
過去3年 投資効率 (②÷④) |
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ネット証券専用ファンドシリーズ AR国内バリュー株式ファンド |
6.00% | 5.65% | 7.02% | 7.02% | 0.85 | 0.80 |
(出所:ISIDフェアネスのデータをもとに楽天証券が作成。(2015年1月末基準))
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