前日(01月30日)の市場概況
ドル/円:上値重い
この日のドル/円は、米長期金利の上昇を理由に東京時間に109.20円の高値をつけました。しかし、世界的な株価下落によるリスクオフのムードが高まるとドル/円も売られ、NY時間には108.40円の安値をつけました。
日経平均は大幅5日続落、欧州株は全面安の展開となり、ダウ平均株価は一時400ドルを超える下げ幅を記録しました。ただ、ムニューシン米財務長官が「強いドルを支持」と述べたこともあって、ドル/円は下げ止まり、終値は、108.774円(前日比-0.182円)でした。
イエレン議長にとって最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)となる今回の会合では、政策金利であるFF金利誘導目標を1.00%~1.25%に据え置く方針。マーケットは、今年最初の利上げは3月と予想しています。今後1カ月の米経済指標は、3月の利上げ確率と結びつけられることが多く、マーケットが過敏に反応することもあるので、注意が必要です。
ユーロ/ドル:1.2400ドルを挟んだ動き
ユーロ/ドルは、欧州時間に1.2334ドルまで下攻めしましたが、売り一巡後は1.2453ドルまで戻し、その後は1.24ドルを挟んだ動きとなりました。
本日は、欧州の1月HICP(消費者物価指数)が発表されます。ドラギ総裁は、ECB(欧州中央銀行)会合後の会見において、ユーロ相場が欧州のインフレ動向に影響を与えていると述べています。この日のドイツCPI(消費者物価指数)も予想を下回ったので、インフレ率の伸び悩みが、ユーロ高のせいだと批判が出てくることもありえます。
豪ドル/ドル:今朝の指標後に売られる
先週2015年5月以来の水準である0.8135ドルへ昇り詰めた豪ドル/ドルは、今週に入って0.8100ドル近辺で揉み合いを続けた後、この日は0.8041ドルまで下落。株価の下落に反応して、リスク通貨の豪ドルが売られました。
その後0.8100ドルまで戻したものの、本日発表された10~12月の豪州CPIが予想を下回ったことをきっかけに、再度下落しています。豪ドル/ドルは、12月前半からほぼ一本調子で上昇を続けてきたため、高値警戒感もあり、この水準からの売り上がりを考えるトレーダーも多くなっているようです。(チャート3)
豪ドル/円:下落リスク高まる
豪ドル/円は、豪ドル/ドルの下落に連れて、87.46円まで下落しました。次のサポートは1月の安値87.20円。
今朝の指標前に88円台まで戻しましたが、指標発表後は豪ドル/ドルの急落とともに87円台後半へ下落。ドル/円が円高地合いのなか、豪ドルが対ドルで本格的に失速し始めると、豪ドル/円の下落が加速するリスクがあります。(チャート4)
この指標を見逃すな!! 01月31日の注目イベント
FOMC、欧州HICP、カナダGDP、など
本日は月末ということもあり、FOMCや欧州の消費者物価指数もちろんのことですが、そのほかにも重要な指標が多く発表されます。
カナダの11月GDP(国内総生産)は前月比0.4%の予想。カナダ経済は、財政刺激策の効果が薄れ、成長率が鈍化傾向にあります。経済の先行きは、原油価格の動向と米国との通商交渉の結果次第といえます。その他、今週の雇用統計の先行指標されるADP(米国の大手給与計算アウトソーシング会社)雇用データにも注目です。