前日(01月23日)の市場概況
ドル/円:111円の重さを確認して下落、今年の安値を目指す
この日、東京時間のドル/円は、つなぎ予算が成立して米政府機関の閉鎖が解除されたことのドル買いと、日銀会合にサプライズがなかったことの円売りでドル/円が111円台に上昇。
ただ、日銀会合の終了直後に一時110.50円近くまで下落する場面もありました。日銀が発表した展望レポートで、インフレ見通しが据え置かれたことが理由。前回(10月)はインフレ見通しを引き下げた日銀が、今回は横ばいと判断していることが前向きに評価されました。
その後、黒田総裁が記者会見で「物価目標2%にはまだ遠い」と慎重な姿勢を堅持して、出口戦略の検討を否定したため、ドル/円は111.17円の高値をつけました。
しかし111円台の滞空時間は短く、NY時間には東京時間の安値を超えて110.24円まで下げ、今年の安値(110.19円)に接近しました。円高というよりも、ドル安の流れによってドル/円の売りが強まりました。終値は110.276円(前日比-0.647円)。(チャート1)
ユーロ/ドル:1.23ドルで堅調
ユーロ/ドルは堅調で、1.2305ドルまで上昇。メルケル首相の与党CDU/CSU(キリスト教民主・社会同盟)と第2党SPD(社会民主党)との間で連立政権が発足することが確実となって、ドイツの政治に安定が戻ってきましたが、明日のECB(欧州中央銀行)会合を前に取引は限定的でした。(チャート2)
NZドル/ドル:昨年9月以来の高値
ドル売りの流れに乗ったNZドル/ドルは、順調に上昇を続け、昨年9月以来の0.7362ドルに到達しました。(チャート3)
NZドル/円:一時81円を割るも再び上昇
NZドル/円も2017年9月以来となる81.54円まで上昇。ドル/円の下げもあって 81円を割る場面もありましたが、引けにかけては81円台を回復しています。(チャート4)
明朝は、NZの第3四半期CPI(消費者物価指数)の発表があります。予想は前期比0.4%。RBNZ(ニュージーランド準備銀行)の目標値(前期比0.3%)を超える水準で、インフレが上昇していることを示しています。
この指標を見逃すな!! 01月24日の注目イベント
英失業率、NZ消費者物価指数(25日朝)
英国の失業率は下がっているものの、賃金の上昇が伴っていないため、インフレが上昇するなか、実質労働賃金がマイナスの状況となっています。
英国の消費者信頼感は下がり、家計消費が抑えられた結果小売売上高も大幅に悪化。インフレ抑制のためにBOE(英国中央銀行)が利上げした場合、景気がさらに悪化するとの指摘も多く、中期的なポンド安要因になりえます。