図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
出所:マーケットスピードより楽天証券作成
雇用統計でドル買い・メタル売り(2017年7月10日(月)掲載分より)
金曜日の米雇用統計は17万8,000人増という予想を上回る22万2,000人のNon-farm payroll(非農業部門雇用者数)増ということになりドル買い、ゴールドは下値の目処であった1,220ドルを割り込み、一週間の終わりは1,212ドルとなりました。ドル円は一時114円台まで下落。これでゴールドは5週間連続の下落となり、節目である1,200ドルが近づいてきました。前回1,200ドルを取引したのは今年の3月前半であり、その時は1,195ドルまで下げてから、一ヶ月でほぼ100ドルの上昇となりました。その後再び1,220ドルまで下げて、また1,300ドル手前まで上げてと、今回の下げは今年に入って3度目の下げと言えます。今回も前回2回と同じように、ある程度(1,200ドル割れの可能性も)の下げからの巻き返しを考えます。その意味ではあまり焦る必要も無いかもしれませんが、1,200ドル割れの場面があればそこはゴールドを拾っておきたいところではないでしょうか。
シルバーがもっとも弱く、金銀比価は77.8と過去一年ではもっとも割安のレベルにきています。またプラチナは雇用統計のドル買いにも大きくは下落せず、ほぼ変わらず。その結果、ゴールド・プラチナスプレッドは縮小。900ドル割れはやはり安すぎとみている向きが多いのでしょうか。
CFTC Commitment of Traders Report as of 03 Jul 2017(2017年7月10日(月)掲載分より)
出所:池水氏のレポートより抜粋
右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格
投資家ロングポジションは473トンから327トンへ146トン大幅の減少。ETFも残高減少傾向にあり、投資家がとりあえず利食いにまわっているようです。
Silver でFat Finger?(2017年7月7日(金)掲載分より)
ゴールドは狭いレンジでの動きに終始しました。民間ADPの雇用統計Non-farm payroll(非農業部門雇用者数)の数字は15万8,000人増と少し予想より悪い数字でそれがゴールドにとってはサポートでした。今晩日本時間21:30に発表される本ちゃんのNon-farm payroll(非農業部門雇用者数)の予想も18万人増。ちょっと悪いのでしょうか。
ゴールド、1,225ドルから現在1,220ドルまえ下落しています。その理由はシルバーのFat Fingerです。
とここまで書いて、ジムに行って2.5km泳いで帰ってきたら、まさにシルバーが大暴落した瞬間でした。誰かがオーダーをGlobexに入れ間違えたのではないかと思われます。Comexのプリントでは8時7分くらいに16.06ドルから14.34ドルに一瞬にして急落。出来高はゴールドの1万枚に対してシルバーが15,000枚と通常ありえないボリューム。これに追随してゴールド、プラチナも売られましたが、両方ともすぐに戻しています。この時間にこんな売り方をするわけはないんで、まず十中八九、だれかが値段と数量を入れ間違えたとかそんな感じではないでしょうか。これは痛い。。。たぶんまだショートを抱えているのでは?
ランド安、プラチナ安(2017年7月7日(金)掲載分より)
今週初頭からランドが下落しています。与党ANC(African National Conference)の政策会議で、中央銀行を国有化するという提案が検討されたことがネガティブと評価されたこと、そしてもっと大きな視野から新興国からの資金の逃避という面からもランドが売られているようです。そしてそれはランド建てのプラチナ価格の上昇を意味し、プラチナの売りが出やすいということになります。ドル建てのプラチナにとっては売り圧力が加わっており、900ドルという大底に近くなってきています。Standard Bankのアナリストは、短期的には12.5-13.5、どちらかというとランド安傾向で15にタッチもありえるとしており、2018年年末にむけて14.00という見方をしています。プラチナの900ドル割れは底値と考えていますが、ランド安は、プラチナ安要因としてその頭を抑える役割を果たすことになりそうです。
FOMC議事録で買い戻し(2017年7月6日(木)掲載分より)
ゴールドは一時1,220ドルを割り込み、昨夜はロンドンで3.5ヶ月ぶりの安値1,217.50ドルをつけましたが、ニューヨークでは6月のFOMC議事録が発表され、その内容が保有資産の縮小開始時期に関して意見が分かれていたことを材料にドルが若干売られ、ゴールドにはショートカバーの買いが入ってきて、1,227ドルと安値から10ドル上げて終わりました。北朝鮮のICBMの発射もその根底にあるかもしれません。アメリカ・韓国・日本が実際に打てる手が限られていることをあざ笑うかのような挑発です。アメリカの独立記念日のお祝いだとまで言っています。北朝鮮はやはり今世界でのもっとも危険なワイルドカードと化しています。地政学的緊張が緩んでるというのは錯覚ですよね。
独立記念日で小動き(2017年7月5日(水)掲載分より)
NYは独立記念日でほぼ動きなし。ゴールド1,200ドルは買いだと思いますが、答えはしばらく待つ必要がありそうですね。今日は特記事項なし。
Gold薄いマーケットの中続落(2017年7月4日(火)掲載分より)
独立記念日のlong weekend 飛び石連休のうすいマーケットの中、昨日は一貫して売りが続きました。当面のレンジの下値1,240ドル、前回の安値の1,236ドルも下にブレイク、ストップロスの売りも発動され、1,220ドルをも割って一日が終わりました。ニューヨークではISM製造業景況指数が予想よりも強い数字が出たことから、さらなる利上げ見込みでドルが買われ、その裏返しでゴールドが売られました。ドル円は113円台まで円安がすすみました。1,240ドル割れはサポートされると思っていましたが、円との相関で持っていかれました。そのため、円建てではそれほどの下げにはなっていません。これもまた残念なことなのですが。