3)本音対談 AYKさん(20代)×山崎元
「幸せになるためには男性のどこを見ればいいですか?」
続いては、ユーザー代表の20代女性と山崎元先生のスペシャル対談。シングル女性からのお悩みで多かった恋愛と結婚について、本音で語っていただきました。
盛って話す、母親依存、リボ払いするのは「地雷男」。結婚はNG!
AYKさん:付き合っている彼といずれは結婚も考えています。周りの友人たちは「結婚するなら経済力が1番大事」とか「一生付き合う相手はやっぱり性格の良い人がいい」とか、いろいろ言います。相手のどんなところを見れば間違いないですか?
山崎元先生:収入が少ないからその男との結婚はやめたほうがいい、というのはあまり考えなくていいと思います。むしろ、その男性に伸びしろがあるのであれば、それを育ててあげればいい。今現在の収入よりは、もっと根っこの部分の相手の性格や自分との相性のほうが大事ですね。では、「どういう男が地雷男か?」ってことだけど(笑)、会話の中で少しずつ事実よりも話を盛る人は、見せたい自分と実際の自分にギャップのある人で、人格に歪みを抱えている可能性が大きい。現在の自分を等身大にきちんと見せられない人は避けたほうがいいですね。
AYKさん:見栄っ張りな人は、お金に関しても自分を良く見せようと無駄遣いが多そうですね。ほかに「地雷男」の見分け方はありますか?
山崎元先生:相手の男性の母親には絶対に会っておいたほうがいいです。一度は相手の家に行ってみて、どういう母親で、どのように育てられてきたのかなど、母親との関係性は見ておくべき。たとえば、どのくらい家の中がきちんと片づけられているか、食事や生活面に関してどのくらい母親が関与しているのかを見ると、相手にとっての「当たり前」がわかってきます。やはり男性の根本的な部分の多くは、母親との歴史の中で形成されていますから。さらには、母親依存から抜けられられない人は、厳しい。ひとことでいえば、マザコンなのですが、母親べったりの息子は物件としてはよろしくないです。
AYKさん:確かにマザコン男は嫌ですね。そのほか、合コンなど複数の集まりの場合、男性のどんなところに注目すればいいですか?
山崎元先生:複数の人が集まる合コンとかで、自分が話す分量が見えている人と、見えていない人、というのは見極めのポイントですね。たとえば5対5の集まりで時間が1時間の場合、1人で30分以上喋っている人は、周りとのバランスが見えていない。職業でいうと、コンサルタントに多い。コンサルタントの人たちでとくに不出来な人の場合、自分が知らないことを人から聞かれることに恐怖を感じているから、自分が知っていることをずっと喋り続ける傾向がある気がします。逆にまったく黙っているのも、対人関係に難ありだと思います。会話のバランスは、その人の人格と社会性をみるためのバロメーターになります。
AYKさん:なるほどです。普段のお金の使い方はどうですか? 割り勘とか、男性が払うものと思っているかなど、何か見極めるポイントはありますか?
山崎元先生:他人に対して使うお金を使い惜しみしないほうが良い人ではありますが、20代のカップルの場合は、ずっと男性だけが払い続けるのはちょっと厳しいかもしれません。お金に余裕があるときは自分が払うよっていう男性なら、許してやってもいい気もします。わたしが大学の講義で学生たちによく話すのは、「一緒に買い物に行って、リボルビング払いで買い物するような男とは結婚するな」と、言っています。あれは借金の入り口です。男女問わず経済観念のない人と結婚すると、将来苦労します。
AYKさん:それと貯蓄に関してですが、これから将来的に貯蓄をする場合、どのようなやり方がいいか迷っています。
山崎元先生: そもそもお金の置き場所としてオススメなのが、個人型確定拠出年金=iDeCoです。厚生年金だけのサラリーマンの場合、iDeCoは今、月々2万3,000円まで使えるので、その金額をマックス使うと27万6,000円は税金がかからないで貯めることができます。税率が所得税で2割(所得税によって税率は異なります)、住民税で1割とすると、税金が年間で約8万3千円得します。iDeCo は60歳まで引き出せませんが、本来貯めなくてはいけないお金はもっとあるわけですから、まずはiDeCoから貯め始めて、そのあとつみたてNISAをやるか、もう少しまとまったお金があるなら最初の年から何年かはNISAで運用して、そのあとつみたてNISAを始めてみるといいでしょう。
AYKさん:今は定期預金と、10年満期の積立保険をやっています。iDeCoも興味あるけれど、60歳までずっと働き続けるかどうかわからないし、途中で働くのを辞めた場合、運営管理の手数料だけかかってしまいますよね。それでもやったほうがいいですか?
山崎元先生:それでもやっておいたほうが得だと思いますね、たとえばある年は27万6,000円払って、8万円得した場合、その8万円を口座管理手数料で削っていくには何十年もかかります。トータルでみると圧倒的に得にはなります。10年間iDeCoをやって、結婚後、子育て中に働くのをやめて自分の収入がなくなった場合、運用指図者として運用だけやっていくことになりますが、その中で口座管理手数料だけかかっても、トータルで何年かやれば得になります。
AYKさん:あと、医療保険に入っていなくて、私の場合はまだシングルなので将来どうなるかわからず、掛け捨てでいいのか、積立保険のほうがいいのか迷っています。
山崎元先生:掛け捨てと積立保険のどちらがいいのか、ということであれば圧倒的に掛け捨て保険のほうがいい。というのは、貯金がついている保険というのは、保険の掛け捨ての部分の商売を保険会社にされた上に、あまり効率がいいとはいえない運用商売も保険会社にされているということ。要するに、余計な手数料を払っているのです。
AYKさんの場合は、将来結婚して子どもができたら、子どもがある程度大きくなるまでの10年からせいぜい20年のあいだ、できるだけ保険料の安い掛け捨ての保険に入る、ということでいいと思います。結婚して共働きの場合、たとえばどちらかが調子が悪くても、どちらかがなんとかできるという関係がありますから、早く保険を卒業してその分、貯蓄に回すようにしましょう。医療保険はとくに無駄なので必要ありません。
AYKさん:あと、将来の年金が不安なので年金保険、終身保険をすすめられるのですが、実際はどうなんでしょうか?
山崎元先生:今は円の金利がゼロになったので、外貨立ての保険をすすめられるパターンが多いのですが、外貨建てはもろに為替リスクがある上、得だとも言えないので、おすすめしません。今は円安気味だから一見よさそうに見えますが、円高になると短期間に2割くらい平気で減ってしまいます。見かけの利率が高く見えても、外貨建ての保険は入らないほうがいいですね。
AYKさん:そうなんですね、勉強になりました。ありがとうございました!
今回の読者モデル
相談者:AYKさん
(20代/IT企業/独身)
社会人歴6年。「結婚を視野に入れた男性の見極めポイントや、将来についての資産形成について山崎先生からiDeCoのことをお聞きして、ぜひやってみようと思いました」。
今回答えてくれたのは?
指南役:山崎 元
(楽天証券経済研究所客員研究員)
お金の運用術や転職、自己啓発など幅広い分野で連載多数。結婚や子育て、将来の資産形成で悩みの多い女性たちへの的確なアドバイスが好評!
もっと知りたい!女性のマネー本音特集(4回連載)
♯1:2017/11/24UP 恋愛・結婚編
対談テーマ「幸せになるためには男性のどこをみればいいですか?」
♯2:2017/12/1UP キャリア編
対談テーマ「天職を得るためのキャリアプランとは?」
♯3:2017/12/8UP 資産運用編
対談テーマ「持ち家VS賃貸 資産とのバランスは?」
♯4:2017/12/25UP 老後資金編
対談テーマ「子育てと夫婦のお金。人生100年で考えると?」
◎教えて!山崎元先生 ~ 女性のマネー本音特集とは?
なかなか話しにくいお金のこと。でも生きて行く上でとても大事なものです。イマドキの女性はマネーについてどう向き合っているのか? 投資に限らず「恋愛・結婚」「キャリア」「資産運用」「老後資金」と女性のライフステージ別に山崎 元氏にホンネでずばり!解説していただきました。遠まわしにしていたお金のことを見直すきっかけにしてみてはいかがでしょう?
ほかの女性はどうなの? 実態調査:女性投資家のリアル白書もチェック≫≫