米景気は減速しつつある
それでは、足元、どれだけ米景気が弱含んでいるか確認しましょう。9月に入って発表された、8月の雇用統計・ISM景況指数は、米景気軟化を示すものですが、景気後退に向かっているとまでは判断されません。
【1】8月のISM景況指数は製造業が50割れ
かなり弱く見えるのが、ISM景況指数です。50を割ると景況が悪いと判断しますが、9月に発表された8月の製造業景況指数は、前月比0.4ポイント上昇して47.2となりました。50割れが続いています。
ただし、8月ISM非製造業景況指数は、前月比0.1ポイント上昇して51.5となりました。米国は製造業が早くから空洞化しているので、製造業が50を割っても非製造業が高ければ、米景気は堅調を保ちます。8月は、非製造業がかろうじて50を上回っています。
ISM製造業・非製造業景況指数:2020年1月~2024年8月
【2】雇用が緩む
人手不足が続き、雇用はひっぱくが続いてきましたが、8月は緩む兆しが見えています。完全失業率は前月比0.1ポイント低下して4.2%となりました。非農業部門の雇用者増加数は20万人を割ったままで、8月は前月比14.2万人の増加でした。
完全失業率:2021年1月~2024年8月
非農業部門の雇用者増加数(前月比):2021年1月~2024年8月
米景気の先行きについて、結論が出るのは、まだまだ先になりそうです。
日本株の投資判断ですが、私は「買い場」と考えていますが、短期的にさらなる下値が続くリスクもあります。短期的な相場見通しに賭けることなく、時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えます。
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