豊富な開発用地と販売状況の好調を評価、魅力的なバリュエーションにより強気見通し継続
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00123 | 越秀地産股フン有限公司(エツシュウチサン) |
1.91 HKD (07/22現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは越秀地産の2013年予想NAV(一株当たり純資産)を5.75HKドルから5.90HKドルに上方修正。13年上期に予想を上回る不動産販売額を達成したことに加え、最近複数の開発用地を取得したことを反映させた。BOCIは同社の14-16年販売額が2桁台前半の成長を維持すると予想。平均単価の下落がみられるものの、コスト管理策が奏功し、影響を一部相殺するとした。急速な開発用地取得により13年の純負債比率は65%に上昇する見通しだが、同社の株価バリュエーションはNAVに対し68%のディスカウント水準と割安。BOCIは同社の投資判断を「買い」に据え置いている。目標株価は利益率の低下や政策リスクを踏まえ、2.49HKドルに引き下げている。
同社の13年上期の不動産販売額は86億元。通年目標132億元の65%と、競合の中でも高い達成率を示した。これを踏まえ、BOCIは同社の通年の販売額が目標を13.6%上回るおよそ150億元に達すると予想。14年の販売額についても、昨年からの開発用地取得で販売可能な物件数が増えることから170億-180億元に上るとみている。
一方で、13年粗利益率は前年の47.5%に対し37%に縮小するとBOCIは予想。12年上期より比較的利益率の低い物件の販売が増えている上、今年は利幅の大きい小売店舗の成約が減少する見通し。ただ、一連のコスト削減策により販売費および一般管理費が抑制されることで利益率低下の影響の一部は相殺されるとみられる。さらに、粗利益率の低下で13年は土地増値税の低減も見込まれ、最終的に13年の純利益率は前年の12.8%を上回る13.4%を確保するとBOCIはみている。
同社は13年下期に土地取得費用40億元の支払いを計上し、純負債比率が12年の47%から65%に上昇する見通し。ただし、成長段階にある企業にとっては妥当な水準とBOCIは判断している。また、同社は1月、ムーディーズに「Baa3」、フィッチに「BBB-」のレーティングを付与されたことで、融資の実効金利が12年の7%から13年は6%に低下したと推定され、資金調達コストの低減もみられる。
同社の株価は現在、一株当たりNAVに対し68%のディスカウント、13年予想PER8倍、同PBR0.6倍の水準で取引されている。豊富な開発用地を背景に成長が期待される同社にとって、現在のバリュエーションは割安とBOCIは指摘。ただ、同社が事業範囲を徐々に広東省以外に拡大していることのリスクを加味し、13年予想NAVを58%のディスカウント水準のとどめ、目標株価を3.15HKドルから2.49HKドルに引き下げた。投資判断は「買い」に据え置いている。