飛び石の連休を挟んだ今週の日経平均の動きですが、週初に続落した後、9月の権利付最終日の25日に窓明けで反発するなど、やや荒っぽい値動きとなっています。とはいえ、25日の終値は16,374円で、先週末(19日)につけた年初来高値(16321.17円)を更新しており、前回からの上昇基調は一応継続中です。

(図1)日経平均(日足)チャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

理屈の上では配当落ちの85~95円分が下落することになる、翌26日以降のローソク足の形と並びが気になるところですが、今回は足元の相場に過熱感があるのかを「強弱レシオ」を使って確認してみたいと思います。そのままズバリのネーミングですが、強弱レシオは「篠原レシオ」とも呼ばれ、以前にも紹介しましたRSIと同じオシレーター系のテクニカル指標のひとつです。

通常、強弱レシオでは「Aレシオ」、「Bレシオ」という2本の線を用います。Aレシオが相場のエネルギーの強さ、Bレシオが相場の人気度の強さを表しているというイメージです。Aレシオ、Bレシオはそれぞれ以下のように計算されます。

強弱レシオの計算式

AレシオとBレシオの違いは、当日の高値(安値)との差を求める基準が当日の始値なのか、前日の終値なのかという点だけです。また、強弱レシオはRSIと同様に%での表示ですが、0~100%の範囲ではなく、100%が強弱の拮抗する中心線として見ていきます。

(図2)日経平均(日足)の強弱レシオ

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図2は、日足ベースの日経平均の強弱レシオです。真っ先に目に飛び込んでくるのは、直近のBレシオの動きです。25日終了時点で828%、先週末の19日では1,631%をつけるなど、急上昇かつ激しい場面が目立っています。その一方で、同じ時期のAレシオは100%を挟んだ安定的な推移が続き、Bレシオのような大きな上昇は見せていません。

直近は前日終値から値を飛ばす「窓空け」で上昇する展開が多く、日中の取引そのものは強弱が拮抗し、先程のイメージに合わせるならば、「かなり人気化はしているが、エネルギーはあまりない」ということになります。Bレシオの見方については、「株価の上放れに伴って、Bレシオの数値が上昇前の3倍以上になったら売り」と言われていますので、目先は調整入りするサインが出ています。

確かに、値動きの面ではAレシオに見られるようにエネルギーの強さは感じられませんが、最近では東証1部の売買代金が2兆円を超える日も増えてきており、売買ボリュームの面ではエネルギーの強さが感じられるようになってきていますので、こちらはサポート要因です。

とはいえ、気になるのは、Bレシオ急上昇の要因とされる「窓空け」は、海外市場の株高・円安に拠る所が大きく、日経平均が外部要因に振り回されているとも受け取れることです。外部要因次第では思ったよりも調整が大きくなるケースも考えられるため、押し目買いのタイミングには注意が必要となりそうです。