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これだけは知っておきたい債券投資の基礎知識と現状(その2)
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

これだけは知っておきたい債券投資の基礎知識と現状(その2)

2015/4/30
前回は、世界的な金融緩和により超低金利が続く中、高リスクの国債や社債までが買われているという現状をお伝えしました。今回は前回の続きとして、まずはなぜ高リスクの社債がここまで買われているのかを考えてみることにしましょう。
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前回は、世界的な金融緩和により超低金利が続く中、高リスクの国債や社債までが買われているという現状をお伝えしました。

今回は前回の続きとして、まずはなぜ高リスクの社債がここまで買われているのかを考えてみることにしましょう。

なぜ超低金利の中で、高リスクの社債が買われているのか?

例えば、金利水準が正常な状況下において、定期預金の金利、国債の金利、高リスクの社債の金利が以下のようだったとします。

  • 定期預金:1%
  • 国債:3%
  • 社債:8%

このとき、おそらく多くの人は、定期預金や国債を投資対象として選択するはずです。なぜなら、「利率8%の社債はさすがにリスクが高そうだからやめておこう。定期預金や国債の利率は社債より低いがリスクはほとんどないからこちらにしよう。」と考えるはずだからです。

そもそも、主に定期預金や債券に投資する投資家は、株式投資を中心に行う投資家よりも、リスク回避的な考え方を持っています(現実問題として、株式より債券や定期預金の方が低リスクです)。よって、上記のようなシチュエーションであれば、社債ではなく定期預金や国債を選ぶはずです。

超低金利の状況では「多少のリスク」より「高利回り」が優先されてしまう

では、大規模な金融緩和により定期預金や債券の利回りが大きく低下して、以下のようになったとしましょう。

  • 定期預金:0.02%
  • 国債:0.3%
  • 社債:3%

どうでしょうか。定期預金や国債に投資しても、利息は雀の涙ほどしかつきません。でも、社債なら3%とそれなりの利回りが得られます。ちょっとリスクはあるかもしれないけれど、名の知れた会社の社債で、業績も当面問題なさそうだし大丈夫だろう・・・、こう考えて多くの投資家はリスクの高い社債を選んでしまうのです。

実は、低金利になったことにより、社債を発行している会社の債務不履行リスクも同じように低下するということはありません。あくまでも、社債のリスクは「格付け」で判断します。

本来は8%ほどの利回りでないとリスクに見合わなかった社債が3%まで下がっているということは、超低金利の影響により、投資家が高いリスクを率先して引き受けてしまっているのです。適正な金利水準であれば無理に投資しなかったであろう高リスクの社債を投資家が競うように買っている、これが今の状況なのです。

REITも「債券化」している?

金融緩和によりあふれたマネーは、少しでも有利な利回りとなる投資対象を探しています。でも債券市場は高リスクの債券まであらかた買いあさってしまいました。そこで投資家が目を付けたのがREIT(不動産投資信託)です。

REITについては、以前のコラムで取り上げたように価格の上昇が続いています。REITも債券と同じように、価格と利回りは逆相関の関係にありますから、REITの価格が上昇しているということは、利回りは低下していることを表します。

REITは不動産を投資対象としていますから、債券よりも高リスクです。そのため、REITの利回りは国債利回りよりもまだまだ高水準です。

しかし、明らかに過熱している債券へのこれ以上の投資を嫌うマネーがさらにREITに流入してくれば、REITの利回りと国債利回りとの差は縮小していくでしょう。

両者の利回りの差が今後縮小すればするほど、REITはバブルの様相を強めるため要注意といえます。

株式までも「債券化」?

さらに、REITだけでは飽き足らない投資資金は、株式までも「利回り商品」として考えるようになりました。

例えば配当利回りが2%あり、かつ業績や配当金が安定している銘柄であれば、利回りの面からみて十分に投資対象となる、と考えているのです。

しかし株式は、債券やREITよりさらにリスクが高くなります。債券と違い、株式の配当金は業績により大きく変動する可能性があります。そして、業績や配当金の変動に応じて株価も大きく変動します。つまり、債券と違って株式は「投資元本」が大きく変動してしまうのです。債券ならば満期まで保有すれば投資元本は回収できますが、株式の場合はそうはいきません。

したがって、債券と全く性質の異なる株式を、債券の代替のように考えて投資するというこの状況こそがバブル特有の危うい考え方なのです。

業績が安定はしているものの高成長でもない銘柄の株価がどんどん上昇し、配当利回りの低下が続いているような銘柄を追いかけて高値で買うのは避けるようにしましょう。

この世界的な超低金利がいつまで続くのか分かりません。かなり長期間続くとしている専門家の方もいます。

でも、もし超低金利が終わり金利上昇局面を迎えれば、債券の価格は大きく下落しますし、債券と同様の感覚で買われていたREITの価格や高配当利回り株の株価も急落する恐れがあります。

たかだか年利1~2%を求めて買われ過ぎの債券やREIT、高配当利回り株に今から投資するくらいなら、好業績が続く企業や、業績の急回復が見込まれる企業の株を上昇トレンド時に投資した方がはるかに低リスクで高リターンが見込めると思ってしまうのは筆者だけでしょうか。

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