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為替の行方と新しい中小型株指数に注目(香川睦)
香川 睦
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

為替の行方と新しい中小型株指数に注目(香川睦)

2017/3/31
「トランプ・スランプ」(政策期待の後退)を主因とする米ドル下落(円高)はいったん一巡か。相関性が高い日米実質金利差からみて、ドル円は115円前後に値を戻していく可能性。
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執筆:香川睦

今日のポイント

  • 「トランプ・スランプ」(政策期待の後退)を主因とする米ドル下落(円高)はいったん一巡か。相関性が高い日米実質金利差からみて、ドル円は115円前後に値を戻していく可能性。
  • 米景気は成長を持続。3月の消費者信頼感指数は2000年以来約16年ぶり高水準。雇用情勢の改善で、2010年初からは約1,600万人の雇用を創出。米利上げトレンドは続く見込み。
  • 投資魅力の高い銘柄群で構成されるJPX日経中小型株指数に注目。資本効率を重視したROEや営業利益累計額などで銘柄選別。関連ファンド設定は構成銘柄の株価を下支え。

(1)日米実質金利差からみてドル円はやや下げ過ぎ?

先週来、「トランプ・スランプ」(トランプ大統領の政策に対する期待の後退)による米ドル安が主導した円高で日経平均は下落しましたが、米国債券市場でのポジション調整(買戻し)も一巡し、為替は落ち着きを取り戻しつつあります。特に、ドル円を支えているとされる「予想実質金利(5年物国債利回り-期待インフレ率)」の日米金利差とドル円の連動性は高く、2009年以降の相関係数は「0.88」でした(図表1)。同金利差は3月に約1年ぶり高水準を付けた後に下落。センチメントの悪化がドル売りに拍車をかけ、実質金利差の縮小以上にドル円が下落した感があります。最近の実質金利差とドル円の相関からみると、ドル円は115円前後に回復しても不思議ではないことが窺われます。今後、米政府の税制改革、景気見通し、追加利上げへの期待が盛り返せば、日米実質金利差が再び拡大に向かい、ドル円が徐々に回復していく可能性があると考えています。

 

(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(3月30日))

(2)米景気の堅調と追加利上げは続きそう

中期的な観点で、米国債利回りや実質金利の上向きイメージを支えるのが、米景気の堅調です。図表2は、米消費者信頼感指数(カンファレンスボード発表)と非農業雇用者総数(米労働省発表)の推移を示したグラフです。28日に発表された3月の消費者信頼感指数は125.6と2000年12月以来約16年振りとなる高水準となりました。その背景として、雇用情勢の改善が挙げられます。非農業雇用者総数は、2008年に発生した金融危機以降2010年まで減少した約800万人を2014年に取り戻し、その後はさらに約800万人(総計では約1,600万人)増やしてきたことが挙げられます。FRB(米連邦準備制度理事会)のフィッシャー副議長は28日、FOMC(米連邦公開市場委員会)参加メンバーの予測中央値で示された「今年(2017年)あと2回の利上げ」について、「おおむね適切」、「私自身の予測でもある」と述べました(CNBCとのインタビュー)。追加利上げが実施されるのは、外部環境が落ち着くなか、米国景気が上向いている証(あかし)と言えそうです。米GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費支出を支える消費者信頼感の改善は、先行き景況感の改善と期待インフレ率を上昇させやすく、早晩米国債の利回り上昇に繋がる(=日米金利差は拡大しやすい)可能性が高いことに留意したいと思います。

図表2:米国の消費者信頼感指数と非農業雇用者総数

(出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(2017年3月時点))

(3)「投資魅力の高い銘柄群」で構成される中小型株指数

日経平均に象徴される主力大型株の株価が外部環境(為替相場など)変化に揺れるなか、国内市場では新しい株価指数がデビューしました。日本経済新聞社とJPX(東京証券取引所)は3月13日、共同で「JPX日経中小型株指数」の算出を開始。同指数は、時価総額や売買代金などの流動性指標のみで銘柄を選ばず、(1)東証上場銘柄で時価総額上位2割(大型株)未満にある銘柄のなかから、「投資者にとって投資魅力の高い会社」(日本取引所グループによる定義)を選ぶため、(2)過去3年間のROE(株主資本利益率)や営業利益累計額を重視し、(3)複数の独立社外取締役が選任されている、など企業統治面の分析も加味した200銘柄程度で構成されています。注目点は、同指数に連動した投資成果を目指すETF(上場投信)や公募投信、同指数をベンチマーク(運用目標)にして運用されるアクティブ投信などの設定が今後想定されることです。2014年1月にJPX日経インデックス400がスタートした直後に多くの関連ファンドが設定されましたが、大型株指数だったことで、指数構成銘柄へのインパクトは比較的限られました。一方、中小型株指数を構成する銘柄は比較的流動性が低く、割安に放置されてきた銘柄も多くあります。関連ファンドの設定で資金流入が増えれば、構成銘柄の株価切り上げに寄与していくと考えられます。

図表3:JPX日経中小型株指数とTOPIXの相対推移

(出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(2017年3月30日時点)

図表4:JPX日経中小型株指数の上位構成銘柄(参考例)

(注:来年度(予想)PER=Bloomberg集計による市場予想平均EPS(1株当り利益)に基づく)
(出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(2017年3月29日時点)

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