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今週の日本株見通し:フォルクスワーゲン・ショック波及
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

今週の日本株見通し:フォルクスワーゲン・ショック波及

2015/9/24
シルバーウイーク明けの日経平均は、大幅続落が見込まれます。23日のCME日経平均先物は17,575円まで下がっています。中国景気、世界景気への不安に加え、フォルクスワーゲン・ショックで欧米株式が下落したことも影響し、日本株にも、外国人投資家の売りが続きそうです。
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シルバーウイーク明けの日経平均は、大幅続落が見込まれます。23日のCME日経平均先物は17,575円まで下がっています。中国景気、世界景気への不安に加え、フォルクスワーゲン・ショックで欧米株式が下落したことも影響し、日本株にも、外国人投資家の売りが続きそうです。

(1) 独フォルクスワーゲン(VW)から、とんでもない不祥事が飛び出す

米国環境保護局(EPA)は9月18日(金)、VWのディーゼルエンジン「EA189」を搭載した車が、米国で行われる廃ガス規制に関する試験を、違法ソフトウエアを用いて不正にクリアしていたと発表しました。「EA189」搭載車が、実際の走行時に排出するNOX(窒素酸化物)は最大、基準値の40倍になることがわかりました。アメリカで販売された対象車は合計約48万台に上り、米当局がVWに科す制裁金は1~2兆円に達する可能性もあります。

VWは不正の事実を認め、9月22日(火)、「EA189」を搭載する対象車が世界各国で1100万台に及ぶ可能性があるとし、この問題に対処するための費用65億ユーロ(約8670億円)を引き当てると発表しました。イタリア・韓国は、この問題を受けて、自国内で販売されたVW車の調査を始めます。今後、VWに制裁金を科す国が増えてくることが予想されます。これを受けて、VW株は、9月21(月)・22日(火)に合計35%も値下がりしました。

VWは、ドイツを代表する製造業で、この問題の影響は自動車部品・素材・機械などドイツの製造業全般に及ぶ可能性があります。もし欧州が力を入れてきたクリーン・ディーゼル車全般への不信につながれば、欧州の製造業全般にダメージが及ぶ可能性もあります。悪影響が及ぶ範囲がどこまで広がるかわからない不安から、シルバーウイ-ク中に、ドイツ株だけでなく、欧州株全般の下落につながりました。

ドイツDAX指数の動き:2015年1月2日~9月22日

(2)ライバルの大失態が、日本の自動車産業に単純にプラスとは限らない

ドイツ車は、日本車にとって、常に強力なライバルでした。ドイツ車は欧州で一人勝ち、さらにアジアでも販売を拡大していました。日中関係が悪化して中国で日本車のシェアが低下した時、代わりに販売を伸ばしたのは、ドイツ車や韓国車でした。韓国車は、性能面で日本車に届いていませんが、ドイツ車は性能面で高い評価を得ており、常に手ごわい競争相手です。

その強力なライバルが大失態をしでかしたわけですから、表面的には日本の自動車業界にプラスです。ただし、VWの問題は、他山の石と言い切れません。日本の自動車業界もタカタ(7312)のエアバック問題など、未解決の品質問題を抱えているからです。

エンジンや部品の共有化が自動車業界全体に広がる中、1つの部品の品質問題が、世界規模のリコールにつながるリスクが高まっています。また、たった1つの品質問題から始まって、世界各国から次々と課徴金を科せられたり、集団訴訟を受けたりして、巨額の損失が発生するリスクが高まっているといえます。今回はVWの問題でしたが、品質問題で巨額の損失をこうむるリスクは、日本の自動車業界にも常にあります。

(3)次世代自動車の開発競争では日本にメリットも

日本の自動車業界に追い風とはっきり言えるのは、環境性能のすぐれた次世代車の開発で、日本のハイブリッド技術が見直される可能性があることです。次世代環境車の開発で、ドイツと日本は熾烈な争いを展開してきました。日本はトヨタ自動車(7203)を中心に、ハイブリッド車の開発で世界の最先端を走っています。一方、ドイツなど欧州勢は、クリーン・ディーゼル車の開発で先端を走っています。近年、クリーン・ディーゼル車の性能の向上が著しく、ハイブリッド車の普及を目指す日本にとって脅威となっていました。そのクリーン・ディーゼル車の性能が、不正にかさ上げされていたことが明らかになったことは、敵失とはいえ、ハイブリッド車の普及に追い風です。

ただし、次世代自動車におけるハイブリッド車のライバルは、クリーン・ディーゼル車だけではありません。電気自動車との競争も、まだ続いています。電気自動車の性能向上も、ハイブリッド車にとって脅威となっています。電気自動車の重大な欠点は、充電時間が長いことと、航続距離が短いことでした。近年、1回の充電で200キロメートル以上走る電気自動車が出てきたこと、さらに電気自動車の応用で「自動運転車」の技術開発が進んでいることが、電気自動車の魅力を高めています。

(4)日本株は買い場の判断を継続

日本の景気・企業業績のゆるやかな回復が続くと考えていること、日本株はPERで14倍台まで売られており割安と判断されることから、日本株は買い場の判断を継続します。ただし、世界的なリスク・オフ相場は今しばらく続きそうであり、日本株が本格的な反発上昇相場に入るまでには、まだ時間がかかりそうです。

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