2010年3月期本決算は20.6%増益、今後の減速を見込み予想利益を下方修正
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00178 | 莎莎国際控股(ササ・インターナショナル) |
6.01 HKD (06/25現在) |
株価 企業情報 チャート |
ササ・インターナショナルが発表した2010年3月本決算は、純利益が前年比20.6%増の3億8100万HKドルとBOCIの予想に即した水準だった。増益の主因は新型インフルエンザの影響が縮小し、下期の業績が回復したこと。香港の既存店売上高は、上期の前年同期比2.5%増から下期は10.8%増に拡大した。オンライン事業sasa.comの売上高は前年比56.7%増の2億4100万HKドルに達し、売上高および純利益への貢献度はそれぞれ5.9%、7.3%だった。純利益率は前年を0.5ポイント上回る9.3%。粗利益率の0.4ポイント増に対し、売上高に対する営業費用の割合が安定していたことが要因。同社は1株当たり0.05HKドルの期末配当および0.14HKドルの特別配当を実施する方針。通期の配当額は前年比21%増の0.28HKドル。配当性向は、普通配の28.9%に特別配の72.4%を合わせ101.5%。
香港・マカオの小売事業について、BOCIは11年3月期の下期にかけて成長率が鈍化すると指摘。10年4-6月期の既存店売上高は前年同期比10.5%と、09年10月-10年3月期の10.8%とほぼ同水準を維持したが、経営陣は今後の減速を見越して11年3月期の既存店売上高伸び率を1ケタ台半ばと予想している。同社は消費マインドの回復を受け、これまで低価格帯が多かった自社ブランド製品の構成を中・高級路線へとシフト。粗利益率アップが期待されているが、コーズウェイベイの主要店舗リニューアルによる賃料アップで相殺される見通し。BOCIはまた、sasa.comの減速についても指摘。経営陣の説明によると、10年4-6月期のオンライン販売は推定で前年同期比25.4%増。11年3月期の成長率は当初予想を下回る30%と予想している。
中国本土事業は、デパート内カウンターの閉鎖が奏功し、赤字幅が09年3月期の2730万HKドルから10年3月期には1860万HKドルに縮小した。店舗レベルでは損益分岐点に達しているという。今後も上海、北京、成都を中心に店舗数を増やし、ネットワークを確立する計画を示している。BOCIは同社の中国本土事業の展開を引き続き注視。今後の店舗運営効率化を期待しつつも、人気ブランドの価格メリットや自社ブランドのイメージ浸透が不足している点を踏まえ、11-12年度の本土事業の損失額を1300万HKドル、1000万HKドルと予想している。
既存店売上およびオンライン販売の減速、賃料・売上高比率の悪化、本土事業黒字化の遅れを考慮し、BOCIは同社の11-12年度の予想EPSを6-12%引き下げた。11-13年度のEPS年間平均成長率を16%と予想している。また、新規出店計画推進による設備投資の増大から配当性向の低下も見込んでいる。株価は現在、11年度予想PER18.6倍、配当利回り4.8%の水準。BOCIは目標株価を5.33HKドルから6.58HKドルに引き上げたが、株価の先行きについては強気から中立の見方に引き下げている。