買収を通じた事業規模の拡大を予想、10年通期に52%の増益見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01818 招金砿業(ショウキンコウギョウ) 16.78 HKD
(06/15現在)
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BOCIはこのほど、招金砿業の株価の先行きに強気の見方を示すとともに、同社の新規カバレッジを開始した。同社は山東省招遠市を本拠地とし、探査、採掘、加工、精錬などを手掛ける垂直統合型の産金銘柄。招遠市政府の全面支援を受ける山東招金集団を親会社に持つ。BOCIは2010年通期に金産出量の16%の伸びを見込むと同時に、金販売価格が1オンス当たり1170米ドル(1グラム当たり257元)に達するとみて、同社の通期利益が前年比52%増の11億4700万元に上ると予測している。

同社は積極的に買収を進めており、香港株式市場への上場から4年で、金資源換算で89トン規模に上る20件以上の買収を実施した。また、招遠市政府の支援を通じて本拠地以外の地方政府との戦略提携にも乗り出しており、BOCIは先発組としての同社の優位を指摘。この先も買収を通じた急速な事業の拡大を予想している。同社はすでに新疆ウイグル自治区や甘粛省、雲南省、海南省、河南省、河北省などの他省・自治区へ地域的な多様化を進め、さらに現地の地方政府と各種の事業提携契約を交わしているが、BOCIは「財源や金採掘業界の専門知識、技術、インフラなどに欠ける地方政府にとって、すでに条件を満たした既存の産金企業との提携が金採掘を行う上での近道になる」と指摘。同社はこうした条件に合致しているとの見方を示している。

BOCIは同社の自前の鉱山からの金産出量が2010年通期に前年比16%増の10.8トンに達すると予測している。同社は自社生産の金製品をすべて、上海金取引所を通じて販売しており、過去の平均販売価格はほぼ国際相場と足並みを揃えた水準。BOCIは2010年、11年、12年の金価格を1オンス当たり1170米ドル、1195米ドル、1205米ドルと想定し、長期的には同950米ドルのレベルを予測。金価格想定値と予想販売量に基づく同社の2010年通期利益が前年比52%の伸びを示すとしている。また、BOCIの分析によれば、金価格が1%上昇するごとに、同社の2010年通期利益は2%増加する見込み。さらに自社生産分の金販売量が1%増加するたびに、同じく2%の利益上乗せ効果が見込めるとしている。 BOCIによれば、同社の現在株価のPERはヒストリカル平均値を下回る水準にある。また、同社の金埋蔵量は現在219トン、資源量は338トン(JORC基準に基づく)。BOCIは産金銘柄のバリュエーション指標として用いられるEV(企業価値)/金埋蔵量、EV/資源量に基づき、同社株価が北米や南アフリカ、オーストラリア、中国国内の同業他社を下回ると指摘。同社株価の先行きに強気の見方を示している。