ワインおよび飲料販売が低調、2010-12年の利益見通しを2ケタ下方修正
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00506 | 中国食品有限公司(チャイナ・フーズ) |
4.74 HKD (06/08現在) |
株価 企業情報 チャート |
BOCIはこのほど行われた電話会議を受け、中国食品の2010年1-3月期の販売状況が予想外の低水準にとどまったとの情報を明らかにした。ワインおよび飲料の売れ行き低調が理由。BOCIは当面の成長エンジンの不在を指摘し、同社の2010-12年の予想純利益を13-15%下方修正した。また、この3年間の予想利益成長率を年率平均18%とし、同社株価の先行きに対して慎重な見方を継続している。
同社のワイン販売量は09年上半期、下半期にそれぞれ前年同期比5%、24%の伸びを示した後、10年1-3月期には1ケタ台の減少に転じた。販売業者の在庫レベルが過度に膨らんだことや、同社が販路の再構築を計画していることなどが背景。同社は再構築計画の策定に向けてすでにコンサルティング会社を招へいし、年末までには準備を整える見通しだが、今のところスケジュールなどの詳細は明らかにされていない。
BOCIはもともと、成長エンジンとしてワイン部門に期待し、販売量や平均販売価格の力強い伸びを予測していたが、同部門の売れ行きはその後4-5月も目立った改善を見せなかった。BOCIはこうした状況を受け、同部門の2010-12年の予想売り上げ伸び率をそれぞれ11.0%(修正前21.5%)、14.2%(同18.3%)、12.2%(同16.3%)に下方修正した。また、同部門では粗利益率の改善余地も限られるとの見方。ブランド構築計画や上海万博に絡んで広告宣伝費が増大する中、10年通期のEBIT(金利・税引き前利益)伸び率が前年比12%となる見通しを示している。
一方、同社はコカ・コーラのボトリング会社の一つを傘下に置くが、コカ・コーラ社によれば、中国国内市場での販売量は10年1-3月期に前年同期比6%増と、ここ数年で最低レベルにとどまった(09年10-12月期は同29%増)。北京で「スプライト」関連の誤認情報が流れたことや低気温が影響したとみられ、BOCIは中国食品の飲料部門の販売伸び率が同業他社を下回ったと予測。中でも炭酸飲料の販売が前年実績を割り込んだ可能性を指摘している。同社経営陣は4-5月に販売状況が回復傾向を示したとしているが、BOCIは飲料部門の2010-12年の予想売り上げ伸び率を前年比14%(修正前17%)、17%(同19%)、14%(同16%)に下方修正。また、PETや砂糖などの原材料価格が高騰する中、同社が今も値上げの方針を明らかにしていないことに言及し、10年通期の部門粗利益率が前年を1.1ポイント下回る27%にとどまると予測している。 このほか、食用油部門では販売量の増加が、売上高、純利益の伸びを支える見通しだが、BOCIによると、同部門の収益貢献は限定的。一方、製菓部門については、前年に計上した在庫評価損の消失や業績そのものの改善で、10年通期に営業損失の縮小を予測した。ただ、BOCIは今回、飲料部門、ワイン部門の成長鈍化見通しなどを反映させる形で、同社の2010-12年の予想純利益を13-15%下方修正している。