2009年12月本決算は58%増益、国内乗用車市場の活況を受け業績予想を上方修正
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
---|---|---|---|
00489 | 東風汽車集団股フン有限公司(ドンフォン・モーター・グループ) |
13.04 HKD (04/14現在) |
株価 企業情報 チャート |
東風汽車集団(DMG)が発表した2009年12月本決算は、純利益が前年比58%増の62億5000万元だった。中国乗用車市場の急速な成長を背景に、業績はBOCI予想値を上回る水準に達した。2009年の粗利益率は上期が17.9%、下期が19.9%と、2008年通年の16.8%を上回り上昇傾向にある。製品構成の改善と単位当たりの生産コストの低減、原料価格下落が奏功した。
乗用車部門は、日産車の2009年販売台数は前年比48%増の51万8968台。ホンダ車およびプジョー・シトロエン車はそれぞれ前年を28%、52%上回った。DMGの乗用車販売総数は前年比46%増の105万8811台。国内乗用車市場全体の伸び率である53%増には至らなかった。中国政府は自動車購入支援策を導入し、排気量1600cc以下の小型乗用車の車両取得税を50%カットし、このため小型乗用車市場は活況を呈したが、DMGとホンダの合弁会社は同クラスの車種を扱っておらず、DMGの乗用車販売台数の伸びは業界平均を下回った。DMGの乗用車部門の売上高は前年比42%増、営業利益は同59%増。乗用車はDMGの主力事業であり、同部門の営業利益は営業利益全体を上回っている。
商用車部門は、固定資産投資と国内経済の回復により下期からトラックの需要が回復。DMGの大型トラックの販売台数は09年に前年比10%増。上期の同46%減に対して下期の急回復が寄与した。一方、軽トラックと中型トラックの通年の販売台数はそれぞれ前年を0.1%、28.3%上回ったが、バスは12.4%減となった。商用車部門全体の売上高は前年比5%増、営業利益が同25%増。 2010年は、乗用車、商用車とも需要が拡大する見通し。その理由として以下が挙げられる。1)GDPの成長と可処分所得の増加、2)自動車の普及率上昇、3)地方での自動車需要拡大、4)都市化の拡大と生活スタイルの変化、5)固定資産投資額の堅調な推移――。BOCIはDMGの日産車販売台数が今年は前年比16%増の60万2000台になると予想。ホンダ車およびプジョー・シトロエン車については、それぞれ同14%増、34%増とみている。 一方、商用車に関しては、大型トラックの増収が見込まれている。BOCIはDMGの大型トラック販売台数を前年比18%増と予想。軽トラックも政府の補助金政策の恩恵により同20%増に達するとみている。 BOCIは2009年度本決算の業績を考慮し、DMGの2010年予想利益を35%引き上げた。同社の株価は現在、2010年予想PER12.9倍、2011年予想PER11.7倍の水準で取引されている。BOCIはこれを割安と判断し、株価の先行きを強気の見方に据え置いている。