09年12月本決算は34%減益、減価償却費の増加で予想を下回る結果に
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00883 | 中国海洋石油(CNOOC) |
12.78 HKD (04/01現在) |
株価 企業情報 チャート |
CNOOCが発表した2009年12月本決算は、純利益が前年比34%減。減価償却費が同59%増と予想以上にかさんだため、BOCIの予想値および市場コンセンサスをそれぞれ8%、3%下回る水準となった。同社は減価償却費の上昇について、埋蔵量の確保と深海油田探査に関する費用の計上のタイミングに一時的なミスマッチがあったと説明。また、証券取引委員会(SEC)が深海石油埋蔵量を控えめに見積もるよう規定していることにより減価償却費が膨らんだと経営陣は指摘している。
同社の2009年減価償却費は2008年の6.95米ドル/BOE(石油換算バレル)から9.65米ドル/BOEに上昇。また、単位当たり操業費用は前年比8.4%増の8.03米ドルに増加した。この影響により2009年の総費用は同11.6%増の22.08米ドル/BOEに達したが、多くの競合他社に比べ同社のコストは未だ低水準にある。
大幅減益の要因は、原油の実勢価格が1バレル当たり32%安の60.61米ドルに下落したことによる販売価格の低下。コストの増加も減益を招いた。
同社の2009年石油・ガス生産量は、17%増の2億2,770万BOEに達した。11の新規プロジェクトが稼働した上、既存油田の生産量増加にも成功した。
油田探索では2009年に15件の石油・ガスを発見したほか、生産分与契約(PSC)を交わすパートナーが海外2件を含む4件を発見。このため同社は同年のリザーブ・リプレースメント・レシオ(埋蔵量の補填率)で163%を達成した。
BOCIは同社が今後も高い生産量を維持するとみて、2010年の石油・ガス生産量を前年比25%増の2億8500万BOEと予想。同社は先ごろアルゼンチン2位の石油会社Bridas Corporationの株式50%を買収すると発表しており、新規プロジェクトに加えてBridasの半期貢献も見込まれている。また、国際石油価格の上昇を踏まえ、BOCIは同社の2010年実勢石油価格を前年比23%高の1バレル74.35米ドルと予想している。 今期の減価償却費の上昇について同社は一時的なものと説明しているが、BOCIは今後も上昇の可能性があると判断し、2010-11年予想利益を9%下方修正。2010年予想1株NAV(純資産価値)についても当初の11.94HKドルから11.77HKドルに引き下げた。 予想値の見直し後も、同社の株価は2010年予想PER11.1倍と依然として割安と考えられる水準。このためBOCIは同社の株価の先行きについて強気の見方に据え置いている。