09年本決算で黒字転換、航空需要回復を受けて利益見通し上方修正
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00293 | 国泰航空(キャセイ・パシフィック) |
15.20 HKD (03/11現在) |
株価 企業情報 チャート |
キャセイ・パシフィックは2009年12月本決算で46億9400万HKドルの純利益を計上し、前年の86億9600万HKドルの赤字から黒字転換を果たした。売上高は前年比22.63%減。旅客、貨物両部門のイールド(実収単価)がそれぞれ19.5%、26.8%落ち込んだことや航空需要の委縮が減収要因となったが、燃油価格の低下やヘッジ評価益の計上などが黒字化に寄与した。中でも燃油コストは63.3%縮小し、営業経費は33.6%減。こうした要因から、同期純利益はBOCIの予想を上回る水準に達した。BOCIはこの先の航空需要、特に貨物輸送需要の回復を見込み、同社の2010-12年の予想EPSを16.8%、28.9%、28.9%上方修正(新たな予想値は0.979HKドル、1.533HKドル、2.245HKドル)。これに伴い目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対する中立的な見方を強気の見方に変更した。
キャセイ・パシフィックは2009年、旅客、貨物両分野の需要減退を見越し、航空機編成を見直すというタイムリーな動きに出た。旅客輸送量および貨物輸送量を示す有償旅客キロ(RPK)、有償トンキロ(RFTK)はそれぞれ前年を2.25%、6.62%下回ったが、輸送能力の効率的な見直しが奏功し、利用率の指標となるロードファクターは改善。旅客部門で1.7ポイント、貨物部門で4.9ポイント上向き、それぞれ80.5%、70.8%に達した。
BOCIによると、同社は2010年も輸送能力の抑制を継続するとみられ、年内の引き渡しが予定されるのは、「A330-300」1機、「B777-300ER」4機、「A320-200」2機のみ。その半面、既存の4機(B747-400、A320-200、A321-200、A330-300それぞれ1機ずつ)のリース契約が満了するため、座席数の伸びは前年比わずか2%にとどまる見通しとなった。 一方、航空需要はすでに回復傾向に転じており、同社の業務統計をみると、今年1月のRPK、RFTKは前年同月比1.55%、25.69%増。BOCIはこうした点から、今年もロードファクターの改善が続くと見ている。また、キャセイ経営陣もファーストクラス、セカンドクラスの旅客需要が回復していることを明らかにしている。BOCIは同社の今年のRPK、RFTKについて前年比8.2%、20%の伸びを見込み、旅客、貨物部門のロードファクターは81.2%、75%へ上向くと予想。また、旅客、貨物部門の今年のイールドについては、それぞれ前年比12%、20%の伸びを示すとの見通しを示している。