2009年9月中間決算は41%増益、在庫管理策の成功と中国の赤字縮小が要因

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00178 莎莎国際控股(ササ・インターナショナル)  4.45 HKD
(11/30現在)
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香港の大手化粧品小売チェーン、ササ・インターナショナルが発表した2009年9月中間決算は、純利益が前年同期比41%増の1億2350万HKドルと、BOCIの予想を上回った。在庫引当金が前年同期に比べ大幅に減少したほか、中国本土事業の赤字が縮小したことが要因。新型インフルエンザの流行が期初の消費に影響し、売上高は同8.3%増と予想をやや下回った。粗利益率は1.15ポイントアップの43.9%。5つのアウトレット店舗のオープンを含めて在庫管理戦略が奏功。在庫引当金は08年4-9月期の2180万HKドルから09年4-9月期は470万HKドルに減少した。同社は1株当たり0.089HKドルの中間配当を実施する方針。

香港・マカオ事業は前年同期比5.1%の増収で、既存店売上高は同2.5%増にとどまった。5-7月に中国人旅行者が減少したことが影響。しかしながら、割安製品の導入や顧客ベースを旅行者から地元客にまで広げたことで来客数は前年同期比7.7%増を達成。旅行者数減少の影響を相殺した。独自ブランド品の売上比率は前年同期の38.6%から37.6%に低下したが、これによる粗利益率への影響は在庫管理戦略の成功により相殺された。現在は新型インフルエンザの影響から脱却し、既存店売上高は再び増加傾向に転じている。4-6月期の同売上高は前年同期比1.6%増だったものの、7-9月期には3.4%増に回復。10-11月は11.3%に達している。こうした状況を踏まえ、BOCIは10年度の通期既存店売上高伸び率予想を7%に維持。11-12年をそれぞれ9%、5%としている。08年4-9月期に、同社は新店舗7店をオープンし、1店舗を閉鎖した。09年9月末時点の店舗数は69店舗。同社は10年3月末の目標店舗数を70から74に、11年3月末の目標を75から82に引き上げている。

中国本土の事業の損失額は前年同期比25%減の1090万HKドルと、通年目標の損失額1800万HKドルは射程範囲にある。「スイス・プログラム」製品のカウンターの統合を進め、6カウンターを閉鎖。残りの17カウンターは今後利益が見込まれるという。下期には5カウンターを新設する方針。一方、マルチブランドの3店舗を上期に開設し、店舗数を13とした。下期には7店舗のオープンを予定している。中国本土の出店計画については大幅に見直し、11年3月末の予定店舗数を115から85に引き下げた。これとは別に、プライベートレーベルの卸売り事業を延期。プロダクトデザインに手間取っている点を理由に挙げているが、BOCIは確立されたネットワークなしにプライベートレーベル事業に参入するにはリスクがあるとみて、同社の決断を評価している。

Sasa.comを通じたインターネット事業の売上高は前年同期比63%増の1億1190万HKドル。総売上高の6.3%に貢献し、中国などの海外市場を上回った。同事業の利益貢献もおよそ10%の1300万-1400万HKドルと香港事業に次ぐ規模となった。