09年7-9月期は4四半期ぶりの黒字転換、各市場でシェアを拡大
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00992 | 聯想集団(レノボ・グループ) |
4.44 HKD (11/06現在) |
株価 企業情報 チャート |
レノボが発表した2009年7-9月期決算は、純利益が5300万米ドルとなり4四半期ぶりに黒字転換を果たした。キングソフト(03888)の株式売却益3800万米ドルを除いたコア利益は1500万米ドル。増益と営業費の抑制が奏功した。売上高は前四半期比19%増の41億米ドル。出荷台数が同21%増と躍進した。7-9月のレノボのパソコン世界シェアは8.9%と、4-6月期の8.75%、前年同期の7.7%を上回っている。粗利益率は4-6月期の11.0%から10.6%に低下。ローエンド製品の割合が増え、部品不足も影響した。経営陣はこの点について、部品不足が緩和され、パソコン需要も回復傾向にあることから、今後数四半期の粗利益率が最低でも現状を維持すると説明している。
中国市場の売上高は前四半期比19.3%増、前年同期比9.3%増を記録し、売上高全体の49%を占めた。中国市場での出荷台数は前年同期比28%増で、市場シェアは同0.8ポイントアップの29.4%。BOCIは、中国のパソコン普及率が低い水準にあり、景気も回復に向かっていることから判断し、長期的なパソコン需要の拡大が見込まれると指摘。IDCのデータによると、北京と上海でのパソコン普及率は80%を超えているが、比較的発展している広東や浙江、天津などの地方でも30-40%にとどまっている。
IDCは、2012年までに中国が米国を抜いて世界最大のパソコン市場に成長するとみている。中国のシェアが2008年の14%から2012年には20%に成長する一方、米国のシェアは2008年の23%から2010年には16%に低下すると予想している。
レノボは海外において、近年特に新興市場を重視している。経営陣によると、ロシアの市場シェアは2008年の2%から現在は5%に上昇。製品ラインアップの充実で南米や中東欧のシェアも拡大しているという。7-9月期の海外出荷台数は前年同期比10%増、営業利益率は4-6月期のマイナス6.8%からマイナス3.2%に改善した。
一方、成熟市場でもIT支出が回復し、赤字は縮小傾向にある。出荷台数は前年同期比0.4%増にとどまったが、営業利益率はマイナス2.9%からマイナス1.0%に改善した。新OSの「Windows 7」の発売により、今後は法人の買い替え需要が見込まれる。
BOCIは同社の予想売上高について、10-12月期は前四半期比6.3%増、10年1-3月期はローシーズンのため同21.9%減とした。各市場での販売状況は好調で、コスト削減努力も奏功する見通し。ただ、業界全体で低価格のノートパソコンの人気が高まっていることに加え、普通のパソコンの平均販売価格(ASP)が下落傾向にある点から、粗利益率の低下を唯一の不安材料に挙げた。レノボの個人向けパソコンの14%は安価なネットブックで、プレミアムブランドの「Think」も最近は低価格品を頻繁に発売しており、粗利益率への影響を懸念している。BOCIは、10-12月期の粗利益率は現在の水準を維持し、増益を達成すると予想。株価の先行きは強気の見方を維持している。