2009年1-9月期に小幅増益、相対的に緩やかな利ざや回復を予想
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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03328 | 中国交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーションズ) |
10.20 HKD (10/29現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国交通銀行の2009年1-9月期決算は、純利益が前年同期比0.7%増の229億元と、ほぼBOCIの予想通りの水準となった。貸出残高は年初から36.0%の伸びを示したが、純金利収入は同6.2%減。ただ、手数料収入やトレーディング収入の伸びが純金利収入の減少をカバーし、経費の圧縮も寄与した。一方、7-9月期の純利益は前四半期比で3.9%減。純金利収入は同14.4%の伸びを示したが、経費が34.1%増えたことが響いた。
7-9月期には手形割引が融資全体に占める比率の低下や要求払い預金(普通預金など)の比重拡大を受け、利ざや(NIM)が緩やかな改善傾向を示した。手形割引の割合は6月末の10.85%から、9月末には6.0%に縮小。また、要求払い預金の割合はこの間に46.3%から47.2%に上昇した。ただ、同行は中長期のインフラ向け融資の比重を拡大しており、これ以上の手形割引比率の縮小余地は限定的。BOCIは今後の利ざやの回復が、他の小規模銀行を下回るペースにとどまると見ている。
一方、1-9月期には純手数料収入が前年同期比25.2%の伸びを示した。決済およびエージェントサービス、銀行カード、金融コンサルティングなどが主要収入源で、ファンド販売手数料も7-9月に伸びを示した。ただ、BOCIは10-12月期にミューチュアルファンドの設定数が減少すると予想し、手数料収入の伸びが減速する可能性を指摘している。
不良債権比率は年初の1.92%から9月末には1.44%に低下したが、その半面、引当率は同期に116.8%から131.1%に上昇した。不良債権額はやや増加したものの、経営陣によれば、これは主にクレジットカード部門での不良債権の増大が影響したという。BOCIは中国政府当局の方針などから、同行が今後、引当率の一段の引き上げを余儀なくされる可能性に言及しながらも、中国国内の景気回復を理由に、不良債権比率が年末に向けて上向く可能性は低いとの見方。また、同行の株価の先行きについて、中立的な見通しを継続している。