2009年7-9月期に8%増収、新規発電所の貢献と石炭事業が成長エンジンに
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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01071 | 華電国際電力(フアディエン・パワー・インターナショナル) |
2.48 HKD (10/27現在) |
株価 企業情報 チャート |
華電国際電力の2009年7-9月期決算は、発電量が前四半期比9.6%増加したものの、売上高は同8.3%の伸びにとどまった。計画外の電力販売分が膨らんだことで(この分の価格は売買双方の協議で決定)、同期の電力実勢販売価格が1メガワット時当たり4.27元低下したことが背景。一方、石炭調達価格は前四半期比横ばいで、その他経費はほぼ予想の範囲内。その結果、営業利益率は同1.1ポイント低下した。また、7-9月期の純利益は1.7%増の3億6100万元。1-9月期には純利益9億800万元を計上して黒字に転換したが、BOCIの通期予想に対する達成率は63%にとどまった。
同社は4-6月の段階で、山東省における石炭調達契約の大半に合意した(この分は石炭所要量の30%)。このため、華能国際電力(00902)などの同業他社とは異なり、石炭契約価格をめぐる不透明感がかなり払しょくされた格好。ただ、残る70%については現物調達が必要となり、石炭スポット価格の変動に対する敏感度が高まる形となった。同社はさらに、来年の石炭調達価格について、ほとんどが市場で決まるとの見方を示している。BOCIは09年通期の単位当たり燃料コストの想定値を、1メガワット時当たり213.3元から218.7元(09年1-9月並み)に増額修正した。
一方、同社発電所の設備稼働率は地域ごとに異なり、好調だったのは全額出資の山東省の趨県発電所。1-9月期には同社発電能力全体の12.3%に過ぎない同発電所が利益全体の44%を稼ぎ出した。対照的に、安徽省の各発電所や河北省石家荘の新発電所などが赤字。1-9月期の同社全体の設備稼働率は54.9%だった。BOCIは10-12月期の発電量が前四半期をやや下回るとみて、09年通期で54.8%を予想。10年に関しては安徽省が足を引っ張る可能性を指摘しながらも、全体で57.5%への改善を見込んでいる。
同社の既存発電能力は23.7ギガワットで、他に6270メガワット相当の新規施設を建設中。BOCIは2009-11年に23%の発電能力の拡大を見込み、これが同社の収益成長をけん引すると指摘している。また、BOCIは新規の石炭事業も成長エンジンになるとの見方。同社が今年上期に買収した山西省の炭鉱2カ所は省内の炭鉱再編を背景に、年産量が135万トンから300万トンに拡大する運びとなった。また、同社は先月、寧夏回族自治区で2つの炭鉱の権益45%を取得すると発表済み(年産能力は580万トン)。BOCIによると、こうした炭鉱プロジェクトは来年に操業を開始する見通しという。
BOCIはまた、同社が今年10-12月期にA株割当増資を通じ、36億5000万元を調達すると予想。これに伴い、負債比率が現在の80%から78%に低下すると見ている。
BOCIは単位当たり燃料コストの増大や発電量伸び率の減速、A株増資の可能性を踏まえ、2009-11年の予想EPSを12.6%、17%、14%下方修正した。ただ、それでも同期に力強い利益伸びを維持するとみており、同社株価の先行きに強気の見通しを示した。