2009年6月中間決算は11%増益、主力事業の成長潜在力を評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00392 北京控股(北京エンタープライジズ) 41.15 HKD
(09/17現在)
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北京控股の2009年6月中間期決算は、純利益が前年同期比11.3%増の14億元と、BOCIの通期予想の57%相当に達した(市場コンセンサス予想の59%相当)。売上高は同21.2%増の116億HKドル。主にガスおよびビール販売量の伸びが寄与した。

事業別に見ると、天然ガス部門の利益構成比が73.4%。川下のガス販売量は14.9%増の28億6000万立方メートルに上り、用途別では発電用(121%増)が販売量全体の19.3%を占めた。川中部門に当たる合弁会社PetroChina Beijing Gas(PBG)のガス輸送量は都市ガス需要の伸びを背景に19%増の58億5000立方メートルに達し、同期利益は33%増の5億9000万HKドル。BOCIは川下のガス販売量およびPBGの輸送量が09年通期にそれぞれ15%、19%の伸びを示すとみている。

ビール子会社の燕京ビール(深セン000729)は安定成長を示した。燕京ビールは地元北京市場で85%の市場シェアを握るが、上期にはそれ以外の地域での売り上げが17%伸びた。部門全体の販売量は14%増の23億4000万リットル。粗利益率の上昇や人民元高を受け、同期純利益は39.4%増の1億7200万HKドルに達した。経営陣は一段の利益率の向上を見込むとともに、通期の販売量が47億リットルに達するとの見方。BOCIはビール部門の通期純利益について46%の伸びを予想している。

一方、水処理部門は急速に拡大しており、上場子会社・北控水務集団(00371)の保有プロジェクト件数は上期に22件から32件に増加した。さらに処理能力は同期に42%増の日量225万トンに拡大。1-9月期に新たに加えた処理能力は同社の通期目標を上回る同177万トンに上った。BOCIは2010年までに総処理力が同600万トンに達するとし、部門利益が09-11年に前年比70%、77%、50%急増すると予測。同部門がこの先、業界大手に成長すると有望視している。

同社の財務は健全で、中間期末の負債比率は50%(5月の転換社債発行を受け、昨年末の42%から上昇)。期末の現金保有高は102億HKドル。BOCIは2009-11年の設備投資額および総営業キャッシュフローがいずれも約110億HKドルの水準になると予想している。設備投資の対象は主に、陝西-北京ガスパイプライン第3期、既存の都市ガスパイプライン、石炭ガス化プロジェクト、水道プロジェクトなど。

BOCIは財務の健全性を前向きに評価すると同時に、中核事業である天然ガス部門の安定成長や水道部門における買収の可能性を指摘。中間決算発表を受け、ガスと水道部門の中期成長率(2012-18年)に関する想定値を年率9%、6%に上方修正した。また、同社の1株当たり推定NAV(純資産価値)を43.8HKドルから47.5HKドルに引き上げ、同社株価の先行きに強気の見方を継続している。なお、同社経営陣は中国当局が現行の上場規定を見直した場合、本土市場への新規上場を積極的に検討する意向だ。