2009年6月中間決算は48%の経常減益、屋外広告とインターネット事業の潜在性に期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02008 鳳凰衛視控股(フェニックス・サテライトTV) 1.44 HKD
(09/14現在)
 株価
 企業情報
 チャート

フェニックス・サテライトTVが発表した2009年6月中間決算は、経常利益が前年同期比48%減の7800万HKドル(EPSは0.016HKドル)と、BOCIの予想値をおよそ20%下回る水準だった。投資不動産の再評価益等を含む純利益は同36%減の1億1000万HKドル。

売上高は、2.5%減の6億9200万HKドルで、BOCIの予想を約5%下回った。主力チャンネルの「中文台」は市場が低迷する中で8.2%の増収を達成したものの、「資訊台」の売上高が24%減の1億HKドルに落ち込んだ。経営陣は「資訊台」の大幅減収について、少数の大手クライアントに支えられているため、それらの都合により業績が容易に左右される点を指摘。ただ、中国の他の大手テレビ局が軒並み2ケタ減収を記録する中で、2チャンネル合わせておよそ1%の増収となったことは評価できる結果だとした。

その他事業の収入は前年同期比38%増。屋外広告部門が今期から貢献を始めたほか(当期売上高は1900HKドル)、インターネット部門が7%増収を達成した。

営業費用は前年同期比8.1%増の5億7700万HKドルと、BOCIの予想を若干上回る水準だった。コスト増の主因は大埔の新社屋への移転。また、低金利と人民元レートの安定により、金利収入および為替差益は前年同期の3100万HKドルから500万HKドルに減少。こうした影響で純利益率は22.0%.から11.2%に低下した。

ポータルサイトの「ifeng.com」を運営するインターネット部門の売上高は2900万HKドル。同ポータルは中国本土の5大ポータルの一つ。都市部の若者層を対象に、フェニックス・サテライトTVからのコンテンツを掲載することで独自のスタイルを築いた。他の大手ポータルに比べ20-30%低い広告レートにもかかわらず、映像のビューカウントは大手に匹敵し、広告主の評価が高まりつつある。広告が主な収入源だが、長期的にはビデオストリーミングのサービス料収入の伸びも期待できるほか、3G携帯電話の普及によりモバイルコンテンツ事業の拡大も見込まれるなど、潜在性が高い。

LEDパネルを用いた屋外広告部門は急ピッチで成長しており、売上高はBOCIの予想を大幅に上回る1920万HKドルに達した。6月末現在、主要10都市に23のLEDパネルを保有。年末までに44パネルを展開する予定で、現在業界トップのTulip Mega Mediaの15都市40パネルを超える。BOCIは2009-10年の同部門売上高について、それぞれ6000万HKドル、1億5000万HKドルと予想。09年上期は初期投資により2200万HKドルの赤字を計上したが、年末に向けて月ベースで損益が均衡するという。

6月中間期の予想以下の業績を受け、BOCIは2009-10年予想経常利益をそれぞれ15%、8.8%引き下げ、2億1900万HKドル、3億3000万HKドルに修正した。ただ、その他事業の今後の潜在性を踏まえ、株価の先行きについては強気の見方を維持している。