2009年6月中間決算は14.4%減益、景気回復基調が株価の押し上げ要因に
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00144 | 招商局国際(チャイナ・マーチャンツ) |
27.15 HKD (09/11現在) |
株価 企業情報 チャート |
招商局国際が発表した2009年6月中間決算の純利益は、前年同期比14.4%減の17億HKドルだった。売上高は同19.7%減の17億HKドル。同社は1株当たり0.25HKドルの中間配当を実施する方針。配当性向は35.1%。中間期の純利益には、塗料メーカーのHempel Haihong の売却益4億9200万HKドルと、不動産資産の再評価益9600万HKドルが含まれている。
コンテナ製造大手の中国国際コンテナ(CIMC)が前年同期比19.5%減益となり、業績に影響。世界的な景気後退による需要低迷で09年上期のコンテナ販売量は前年同期比94.7%減の5万5000TEU(20フィート標準コンテナ換算)に落ち込んだ。輸送関連車両の販売台数は同36.6%減の4万4800台。
コンテナターミナル部門のEBIT(利払い・税引き前利益)は前年同期比28.1%減の18億HKドル。コンテナ取扱量は同19.1%減の2030万TEU、バルク貨物の取扱量は5.2%減の1億830万トンだった。深セン西部港のコンテナ取扱量は27.9%減の420万TEU。香港では20.9%減の280万TEU。上海国際港務(集団)(SIPG)、湛江港集団(ZPG)、ショウ州招商局、および天津五洲国際の取扱量は、それぞれ前年同期を15.5%、35.5%、31.9%、2%下回った。寧波大シャは7.9%増。最大の打撃を受けたのは青島港で、取扱量は95.9%減の8100TEUに落ち込んだ。バルク貨物の取扱量は、深セン港が0.2%減の1710万トン、SIPGは6.7%減、ショウ州招商局は6.7%増だった。原油および石炭の輸送量減少によりZPGの取扱量が同7.2%減の2910万トンとなったが、鉄鉱石の輸送量が6.8%増の1570万トンに増加し、影響を緩和した。
同社は2009年の設備投資予算を当初の22億HKドルから下方修正。合弁パートナーと交渉し、ベトナム事業への投資を2010年に延期した。2010年の投資額も当初の11億-15億HKドルから10億HKドル程度に抑える方針。
世界経済は回復傾向にあり、同社の事業展望も好転が見込まれる。同社によると、7-8月のコンテナ船の積み荷量は月次ベースでプラスを記録。上海と深センの主要港の取扱量も前月をそれぞれ2%、19%上回った。また、経営の効率化を目指した深セン西部港の統合が進んでおり、集約効果が徐々に表れている。ただ、取扱量が激減している青島が懸念材料で、BOCIは同港の通年の損失額が2億HKドルに倍増すると見込んでいる。
上期業績および中華国際コンテナの利益見通しを踏まえ、BOCIは招商局国際の2009-10年予想利益をそれぞれ8.1%、3.3%引き下げ、30億HKドル、26億HKドルとした。コンテナ取扱量についても09年は4550万TEU、2010年は4970万TEUとそれぞれ7.5%、2.6%下方修正。ただし、景気回復を背景に投資家が港湾セクターに注目するとみて、株価の先行きについては慎重から強気の見方に引き上げている。