2009年6月中間決算は22.2%減益、4-6月期のコア利益は08年1-3月期以来の増加
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00291 | 華潤創業(チャイナ・リソーシス) |
18.60 HKD (09/04現在) |
株価 企業情報 チャート |
華潤創業が発表した2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比22.2%減の11億5800万HKドルだった。特別項目を除いたコア利益は同5.4%減の9億6700万HKドル。ただ、4-6月期のコア利益は前年同期比18.8%増の6億100万HKドルと、前年同期比では2008年1-3月期以来の増益を記録し、低迷期から脱却の兆しが表れた。4-6月期の回復は主に飲料部門の貢献によるもので、小売部門の低迷を相殺した。同社は1株当たり0.14HKドルの中間配当を実施する方針(前年同期は0.15HKドル)。
飲料部門は、ビール事業の上期利益が前年同期比145%増の2億5700万HKドルに達した。売上高は25%増。地域における寡占化によるスケールメリットで利益率が前年同期を1.3ポイント上回る2.7%となった。販売量は同20%増の420万キロリットル。ビール事業の自律成長率は12.1%と業界平均のおよそ2倍に達している。一方、ボトルウオーター事業の利益は同105%増の8400万HKドルと飲料部門の利益の25%を占めた。同事業の利益率も前年同期比4ポイントアップの11.3%に上昇している。経営陣はビール販売量が今後、業界の2倍の速さで成長すると指摘。BOCIは、買収や価格戦略により同社ビール販売量が年間15-20%増になると予想している。
小売部門の4-6月期の利益は前年同期比61%減の4400万HKドル。既存店売上高は1-3月期が3.6%減。上期全体では2%減だった。4-6月期は横ばい、または若干の減少とみられる。本土におけるスーパーマーケット事業の4-6月期利益率は相次ぐセールにより0.2%にまで低下。香港の小売事業の損失は1-3月期の200万HKドルから4-6月期は300万HKドルに拡大した。ただ、下期は比較対象の数値が低いため、業績回復が見込まれている。消費傾向が上向きにある点も踏まえ、BOCIは小売部門の下期利益が上期を19%上回ると予想。2010-11年の成長率もおよそ18%と見込んでいる。
食品加工部門の4-6月期利益は前年同期比4%減の7000万HKドル。1-3月期は同6%減だった。香港への家畜(豚)輸入のシェア低下によるものだが、下期には回復する見通し。水産事業は上期に4300万の利益を出し、前年同期の600万HKドルの赤字から黒字転換を果たした。
華潤創業は小売り、飲料、食品加工、流通の主力事業への集中を推進している。親会社からの資本注入などにより小売事業を拡大する一方、非中核の紡績、コンテナターミナル、不動産の各事業の売却を進める。売却資金を主力事業に再投資することで、ROEを現在の7%から向こう3年間で8.4%に高める計画を示している。
好調なビール部門に加え、下期は小売・食品加工とも業績回復が見込まれる。BOCIは2008-10年のEPS年間平均成長率を26-27%に上方修正。事業部門のリストラも長期的に株主に還元されるとみて、株価の先行きを中立から強気の見方に引き上げている。