2009年6月中間決算は42%減益、下期のiPhone投入の成果を注視

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00762 中国聯通(香港)(チャイナ・ユニコム(ホンコン)) 10.68 HKD
(08/31現在)
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チャイナ・ユニコムが発表した2009年6月中間決算は、純利益(前金で支払われた固定回線の接続料金を除く)が前年同期比42%減の63億3000万元(EPSは0.265元)。BOCIの予想を12.2%下回り、市場予想の下限の水準。

営業収入は前年同期比6.1%減の760億3000万元。携帯電話部門の売上高は予想を上回る同5.7%増の341億9000万元。付加価値サービスの伸び(16.7%増)が貢献した。契約者1人当たりの月間通話時間は249.6分から248.9分とわずかに短縮。ARPU(加入1件当たりの月間収入)は4.4%減の41.7元だった。

固定電話部門の売上高は前年同期比17.6%減の242億元と、BOCIの予想を5%下回った。市内通話が9.6%、遠距離通話が17.7%それぞれ減少したことが響いた。

ブロードバンド部門の売上高は前年同期比10.3%増の117億3000万元と、BOCI予想を10%下回った。ARPUは同13.4%減の60元。BOCIは、同社が契約獲得のためにARPUを犠牲にしている点を懸念している。

売上高はBOCI予想を2.5%下回ったものの、営業コストは予想を0.6%下回る水準にとどまった。主要な項目では、管理費が前年同期比20%減の60億7000万元、減価償却費は同2.6%減の233億6000元。一方、ネットワーク運営費(親会社からのネットワークのリース費含む)は28%、販売費は6.7%、前年同期を上回った。

米アップルのiPhone販売に向け、今後は端末の補助費用をはじめとした販売コストの飛躍的な増大が見込まれる。チャイナ・ユニコムは9月末までにiPhoneを全国で発売することでアップルと合意したと発表。BOCIはiPhone投入がハイエンドユーザーの取り込みに力を発揮するとみているが、一方ではコストの拡大を懸念している。

チャイナ・ユニコムは5月末に限定的な3Gサービスを開始。現在までに35万人の加入者を獲得した。チャイナ・モバイルおよびチャイナ・テレコムの100万人に比べると出遅れているが、iPhoneをはじめとする端末のラインアップ拡大により今後は加速が見込まれる。チャイナ・ユニコムは9月28日に285都市で正式に3Gサービスを開始する予定。ネットワークの敷設は予定以下のコストで順調に進んでおり、同社は計画を早めて年末までにサービスエリアを335都市に拡大する方針だ。これによりWCDMAネットワークが国内人口のおよそ半数をカバーするようになる。ネットワーク敷設を早めるものの、設備投資額は当初の予定どおり1110億元に据え置いている。

BOCIは同社の2009-10年の予想利益をそれぞれ2.7%、4.2%引き上げ103億元(EPSは0.43元)、82億1000万元(EPSは0.343元)とした。ただし株価は引き続き割高にあるとみて、先行きについて「慎重」の見方を維持している。