2009年6月中間決算は32%減益、景気後退による貿易量低下が影響
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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01199 | 中遠太平洋(コスコ・パシフィック) |
11.96 HKD (08/28現在) |
株価 企業情報 チャート |
コスコ・パシフィックが発表した2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比31.8%減の1億450万米ドル。市場予想を上回ったものの、世界的な景気後退の影響で貿易量が落ち込み、コンテナ輸送業界は打撃を受けた。売上高は同1.9%減の1億5900万米ドル。販売コストの上昇や法人税の増加も利益を圧迫した。上期利益には上海中集冷蔵箱有限公司の株式20%の売却益550万米ドルと、コンテナ償却引当金300万米ドルが含まれている。
コンテナ・リース部門の利益は前年同期比29.7%減の3700万米ドル、売上高は同5.7%減の1億1440万米ドルだった。特にリース期間満了後の借主による買い取りが進まず、リース後コンテナ売却収入は前年同期の2230万米ドルから1060万米ドルに減少した。ただ、同社は不況に備えてリース用コンテナへの投資を控えて資産管理を徹底。前年同期は13万8162TEU(20フィート標準コンテナ換算)の新規コンテナを購入したが、09年上期は6000TEUにとどめた。このため、同社のコンテナ保有量は前年同期比1.6%減の160万5963TEUに減少。また、コンテナ稼働率は前年同期の94.3%から90.3%に低下したものの、業界平均の86%を大幅に上回る水準にある。同社は高い稼働率を背景に市場シェアを前年同期の13.2%から13.6%に拡大し、世界2位の地位をより強固なものにした。稼働率の高さは93%という長期契約クライアントの多さによるもの。
コンテナ・ターミナル部門の利益は前年同期比35.8%減の4470万米ドル。貿易量の減少でコンテナ取扱量は同8.5%減の2020万TEUとなった。中国での取扱量は同7.3%減の1830万TEU(環渤海湾地区が1.1%増の850万TEU、長江デルタが14.7%減の390万TEU、珠江デルタが12.7%減の590万TEU)。一方、海外における取扱量は同18.8%減の190万TEUだった。取扱量減少のほか、新規バースの初期投資費用もかさんだ。 コンテナ製造部門は、子会社の中国国際コンテナ(CIMC)の業績が悪化。需要の低迷から工場は実質的に半年間閉鎖状態となり、CIMCのコンテナ販売量は過去最低水準の前年同期比94.7%減の5万5000個に落ち込んだ。同社は営業損失を計上したが、招商銀行股フン有限公司(3968)の株式売却益14億元により、最終的には2380万米ドルの利益を創出。上海中集冷蔵箱の売却益をあわせ、コスコ・パシフィックは製造部門で同0.7%増の2930万米ドルの利益を確保した。 中間決算発表にあわせ、同社は親会社の中国遠洋控股(01919)にロジスティクスサービスの子会社を20億元で売却する計画を発表。年末には手続きが完了する見通し。売却により主力のターミナルおよびリース事業の拡大に注力する方針で、BOCIはこれを好感。また、景気は底を打ったとの見方から、今後の業績回復を見込んでいる。