2009年6月中間期は減益、香港そごう2店舗は予想外に堅調

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01212 利福国際(リフクコクサイ) 11.12 HKD
(08/11現在)
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利福国際の2009年6月中間決算の利益は前年同期比6.5%減の6億HKドルだった。BOCIは非経常項目を除いたコア利益を同4.7%増の4億4600万HKドルと推計しており、ほぼ市場予想の範囲内。売上高は同2.5%増にとどまり、香港部門の苦戦が蘇州久光百貨店(1月後半に開業)、大連久光百貨店の新規寄与分を相殺する形となった。また、蘇州久光の初期赤字が響き、同期の営業利益率は前年同期を1.2ポイント下回る32%。コア純利益率は主に実効税率の低下を受けて0.5ポイント改善し、25.6%となった。中間配当は前年の1株当たり0.12HKドルをやや下回る0.11HKドル。中間期末の純負債比率は横ばいの12%。同社は向こう18カ月間に15億HKドルの設備投資を予定しており、主に瀋陽久光メガストアに投じる計画を明らかにしている。

BOCIは中間決算発表を受け、09年通期の予想EPSを5%上方修正。さらに10年、11年の予想EPSを12%、17%引き上げた。主に香港のそごう百貨店2店舗の売り上げが予想外に底堅く、下期も予想以上のペースで回復するとの見通しが理由。株式市況と不動産相場の堅調が新型インフルエンザによる影響を吸収するとの見方を示している。ただ、香港の売上構成比が75%に上る同社は、いわば“香港消費銘柄”。BOCIはより成長性の高い本土系同業銘柄に対して20%のディスカウント水準をあてはめた上で同社の目標株価を引き上げたが、株価の先行きについては慎重な見方を継続している。

香港百貨店部門の売上高は中間期に前年同期比4.2%減少したものの、そごう百貨店2店舗は堅調。銅鑼湾店は来客数の減少を客単価の伸びでカバーし、わずか同2.5%の減収。尖沙咀店は来客数、客単価ともに上昇し、同9.6%の増収となった。6-7月には新型インフル流行を受けた旅行者の減少で両店舗の既存店売り上げが低迷したものの、BOCIは「影響は一時的」とし、8月には再び上向きに転じたと指摘。銅鑼湾、尖沙咀両店舗の下期の売上高が前年同期比2.3%、9.8%の伸びを示すとみている。

一方、本土部門では、蘇州久光百貨(総床面積16万平米の超大型店、同社の権益比率は80%)の中間期売上高が1億1000万HKドルと、上海久光百貨店の初年度実績のわずか20%にとどまった。大連久光百貨(総床面積3万5500平米)と合わせた2店舗で、中間期に7000万HKドルの営業赤字を計上した格好。経営陣はテナント入居率の改善を理由に、下期の営業損失の縮小を見込むが、蘇州店の採算化には12年下期までかかるとの見方。BOCIによると、同社全体の営業利益率は09年通期に31%に低下し(08年は34.5%)、その後も当面は低調に推移する見通しという。

上海久光百貨店の中間期の既存店売り上げは6.7%増と、予想の範囲内。来客数の3%の減少をテナント向けコミッション比率の上昇などでカバーした。BOCIは下期の客足回復を予想し、同店舗の09年通期の既存店売り上げが7.8%の伸びを示すとみている。