09年中間決算は減益の見通し、モリブデン価格上昇により2010-11年は利益増に
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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03993 | 洛陽欒川モリブデン業集団(チャイナ・モリブデン) |
7.66 HKD (08/05現在) |
株価 企業情報 チャート |
チャイナ・モリブデンは、2009年6月中間決算で大幅な減益となる見通しを発表した。モリブデン価格の急落を受けたもので、BOCIは同社の2009年6月中間期の利益を前年同期比78%減の2億7000万元と予想している。しかしながら、鉄鋼市場の復調からモリブデン価格は現在上昇傾向にあり、今後の業績回復が見込まれるため2010-11年予想利益を上方修正。株価の先行きについても慎重から強気の見方に引き上げた。
7月31日時点の欧州の酸化モリブデンの価格(1ポンド当たり)は前週を6.5%、前月を40.3%それぞれ上回る15.50米ドルと、昨年11月初旬以来の高値を記録。4月初めに比べておよそ2倍の高水準に達した。中国の酸化モリブデンの価格(7月31日、1トン当たり)は前週比7.3%高、前月比21.5%高の2200元(付加価値税込み)。世界的な鉄鋼生産の回復により、原料のひとつであるモリブデン需要が増大し、価格高騰を招いている。
今年上期の全世界のモリブデン需要は前年同期比23%減の8万1,967トン。国別の需要は米国で25%、欧州で38%、日本で26.7%それぞれ前年同期を下回ったが、中国では前年並みを維持した。ただし、今後は欧州の鉄鋼会社が2009年上期に50%だった稼働率を第3四半期には70%に引き上げると報じられるなど、回復が予想されている。すでに米鉄鋼所の稼働率は今年初めの36.3%から49%まで回復。日本の鉄鋼会社も第1四半期の35-40%から70-80%に稼働率を高めている。供給に関しては、世界のモリブデン生産上位10社の第1四半期生産量が前年同期比で10%減少した。生産量回復までのリードタイムを考慮すると、下期のモリブデンの需給はひっ迫が予想され、価格はさらに上昇するとみられる。
BOCIは2010年の酸化モリブデンの予想価格(1トン当たり)を12万元から15万2000元に、2011年の価格を10万元から15万2000元にそれぞれ引き上げた。今年上期の平均価格は推定9万5000元だが、現在は16万元で取引されている。こうした状況を踏まえ、BOCIはチャイナ・モリブデンの2010-11年予想利益もそれぞれ42%、61%上方修正した。
チャイナ・モリブデンは先ごろ新たな製錬工場を完工し、6月からフェロモリブデンの生産を開始している。酸化モリブデンの生産は第4四半期に開始する予定。BOCIは同社の2009-10年の自給率を70%と予想。同社の今年のモリブデン精鋼生産量は3万205トン(昨年は3万4400トン)、酸化モリブデンは2万3000トン(同2万4987トン)、フェロモリブデン1万3200トン(同1万4750トン)とみている。
BOCIはチャイナ・モリブデンのネットキャッシュポジションが33億元に上ると試算。2009年設備投資予算10億元をまかなうのに十分な現金を保有していると指摘した。