鉱山買収で埋蔵量増加、生産量拡大を見込み予想利益を上方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03833 新疆新キン砿業股フン有限公司(シンジャン・シンシン・マイニング)  4.46 HKD
(06/19現在)
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新疆新キン砿業(XXM)は今年2月、新疆ウイグル自治区にあるニッケル・銅鉱山3カ所の権益買収を完了した。買収総額は5億4220万元。買収により同社のニッケル埋蔵量は92%増の31万4844トンに、銅埋蔵量は35%増の34万9176トンに拡大。今後の生産量拡大が見込まれる。

2008年の売上比率はニッケルカソードが73%、銅カソードが27%を占めた。ウイグル自治区の鉱山買収および既存のカラトンク鉱山の拡大により、ニッケル販売の自給率は2008年の55%から2011年には72%に上昇する見通し。同様に、銅販売における自給率は2008年の65%から2010年には85%に高まる見通し。

ニッケルの国内価格は現在、今年3月末時点の1トン当たり8万6000元(付加価値税込み)に対して32%割高の11万3500万元で取引されている。今年第1四半期から第2四半期では8万7625元から10万7000元に22.1%上昇した。ニッケル価格が上昇に転じたのにはいくつかの要因がある。第1に、中国の精製ニッケル輸入量と生産量が今年第2四半期に増加。4月の輸入量は前月比66%増の2万904トンに上った。第2に、LME在庫が4月末以来減少傾向にある。第3に、年初来の全世界ニッケル生産量が前年同期に比べ21%減少している。これらの要因が中国の民間投資家の思惑買いとあいまってニッケル価格を引き上げている。ただ、BOCIは今後の価格動向について、ニッケルの安価な代替品であるニッケル銑鉄の生産増が価格上昇に歯止めをかけると予想。国内ニッケル価格が1トン当たり10万元に達すると、ニッケル銑鉄業者が生産を再開するとみている。国内ニッケル銑鉄業者の4割が7月に生産量を拡大することが過去の例でも示されている。

中国ではニッケルの67%がステンレススチールに利用されることから、ニッケル価格はステンレススチールの需要と連動している。また、ステンレススチール需要の40%はキッチン用品・家庭用品、29%はインフラや建設が占めている点を踏まえ、不動産市場の回復、とりわけ一般住宅への需要増が、ステンレススチール業界に影響するとBOCIはみている。

BOCIは今後の販売量増加を見込み、同社の2010-11年予想利益をそれぞれ40.2%、22.2%上方修正。株価の先行きについては慎重から強気の見方に引き上げている。

同社の今年の設備投資額は推定9億9600万元。2010-11年については7億元、5億元と予想している。同社は手持ち現金が豊富な無借金経営。BOCIの推定では、同社のネットキャッシュは1株当たり1.3HKドル相当の25億元。