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2015年の年間変動幅
ハッサク
ハッサクのなるほど為替超入門
為替ディーリング歴22年。現役時代は行内で為替業務を社員に教示するなど、為替のイロハを熟知。「お金は、戦後最大の成長産業」と言い切るハッサク。「新聞などの身近な情報で為替分析」が…

2015年の年間変動幅

2016/2/17
昨年のドル円の年間変動幅は、10円1銭でした。ドル円の高値が125.86円、安値が115.85円。125.86-115.85=10.01円となります。
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2015年の年間変動幅

昨年のドル円の年間変動幅は、10円1銭でした。ドル円の高値が125.86円、安値が115.85円。125.86-115.85=10.01円となります。

高値、安値はニュースや新聞では円の高値、円の安値を基準としているため、高値・安値が逆になっていますが、世界の常識ではドルを基本にしてドルの高値、安値が使われます。ドル円で言えば、円という交換通貨に対するドルの高値が125.86円、ドルの安値が115.85円となります。外国発信の記事はドルをベースにして記事が書かれているので注意が必要です。上がる下がるはドルをベースにして書かれており、「上がる」はドル高のことであり。「下がる」はドル安のこととなります。「買った」、「売った」という場合も同じで、「買った」はドルを買ったことであり、円から見れば円安のことになります。「売った」はドルを売ったことであり、円から見れば円高ということになります。日本の金融機関やプロのディーラーの間では、ドルが中心に情報交換が行われています。筆者の場合も「買った」、「売った」、「上がった」、「下がった」はドルをベースにして判断し、行動することが身に染みています。逆に日本のTVニュースや新聞を読む時には混乱するため気を付けています。

さて、年間の高値、安値、変動幅を押さえておくことは、翌年の相場の上限や下限を推測する上で重要な作業となります。高値、安値は相場の転換ポイントとして非常に重要なポイントとなります。例えば、今年の年初からの円高局面では、昨年の2番底である116.15円が意識され、ここを抜けると116円を割れましたが、昨年の安値である115.85円は抜け切れませんでした。抜け切れないと見ると、一斉に実需の買いやポジションの買い戻しが入り、117円台に戻されました。このようなことはよく起こる現象です。また、年間変動幅は過去の変動幅と比べて、その年の動きが大きかったのか少なかったのかを見比べ、翌年の変動幅を推測するのに役立ちます。下表はこの10年間のドル円の高値、安値、年間変動幅、変動率を示しています。(参考:第22回「ドル円の年間変動幅」2014年11月5日付では1990年からの年間変動幅を掲載)

ドル円 年間変動幅

 
※ 変動率=変動幅÷その年の始値

2015年の変動幅10.01円、変動幅8.35%は、この10年間で最低ですが、実は、1978年からの値動きで見ても史上最低の値幅であり、変動率となっています。このことは、為替市場に相当エネルギーが溜まっている可能性があります。すなわち、今年2016年は、その溜まったエネルギーが噴き出すと大きく変動するかもしれないというシナリオを想定することが出来ます。この10年を例にとると、2006年の変動幅10.91円の翌年は約17円動いています。2011年の変動幅10.22円の翌年は、震災の翌年であり80円前後の超円高ということもあって取引も細っていたことから、その年も10.76円という狭い変動幅でした。しかし、その次の年2013年は約19円、その翌年2014年は約21円と大きく動いています。もちろん、アベノミクスによる日銀の異次元緩和という要因がありましたが、エネルギーが溜まっていたということも要因のひとつとして考えられます。そして2015年は、過去2年が大きく動いた反動で値幅が最小となり、市場の動意も乏しくなった年でした。

過去10年間の平均年間幅

相場が動かないと市場にエネルギーが溜まり、次の動きは大きくなるという考え方は経験則でしかありませんが、長年相場を見てきた経験からは無視することが出来ない経験則のひとつです。

それでは、どの程度の変動が考えられるのでしょうか。目安として、過去10年間の変動幅の平均があります。過去10年間の変動幅の平均は約15円。更におもしろい目安として、その年の高値と前年の終値との値幅、その年の安値と前年の終値との値幅を見るという見方があります。つまり、前年の12月31日の終値に対して翌年の高値、安値はどのくらいの値幅があったかという見方です。10年平均で見ますと、高値―前年終値=7.44円、安値―前年終値=‐7.93円となります。2015年の終値は120.30円ですので、この目安を使うと、2016年のレンジは約113円~128円が過去10年の平均を経験則とした値幅ということになります。会社などの予算策定時の為替想定レートを立てる時に、この目安は参考になるかもしれません。

年間の値幅というのは、現在の環境の中では突然30円も40円も動くということはほとんどありません。従って年間のレンジを予想する場合には、上述したような平均レンジを使ってドル円の大まかな年間レンジを予想し、想定したシナリオを加味して予想レンジを調整していくとよいかもしれません。

例えば、昨年の終盤からFRBの利上げ、日銀の補完的追加緩和、そして今年初めのマイナス金利の導入という日米の金融政策の大きな変更がありましたが、それでも6月に付けた125.86円を抜くことは出来ませんでした。もっと厳密に言えば、122円にも届いていません。この先、政策効果がゆっくりと浸透し、125円に向けて再び円安に動く可能性はありますが、現在の株価や原油の動きを見ていると、先程の目安の上限である128円は、やはり遠い水準かもしれません。そこで上限を3円下げて調整しようと考えると、年間レンジが平均15円なので下限は110円ということになります。このようなことを考えながら、どの程度変動するかを考えていけばよいのではないでしょうか。そして、もし、予想したレンジを抜ける場合には、要因の何が変わったかを分析し、相場シナリオを変更していく、あるいは、自分の描くシナリオに動いていく場合は、想定したどの要因が働いているのか、また今後もその要因は強く働いていくのかを分析していくことが重要な作業になってきます。

まずは自分の描く、年間レンジを設定して見て下さい。

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