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金銀比価(GSR)
ハッサク
ハッサクのなるほど為替超入門
為替ディーリング歴22年。現役時代は行内で為替業務を社員に教示するなど、為替のイロハを熟知。「お金は、戦後最大の成長産業」と言い切るハッサク。「新聞などの身近な情報で為替分析」が…

金銀比価(GSR)

2015/7/8
先日、新聞を読んでいると珍しい記事が出ていました。銀相場の割安感が一段と進み、金との価格差が74倍に拡大したという記事です。今回は、この金銀との価格差についてお話します。
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金銀比価(GSR)

先日、新聞を読んでいると珍しい記事が出ていました。銀相場の割安感が一段と進み、金との価格差が74倍に拡大したという記事です。今回は、この金銀との価格差についてお話します。今すぐ為替相場の予想に役立つという内容ではないですが、こういう見方があるということを知っておくことは、現在の金融市場、商品市場で何が起こっているのかを理解する上で役に立ちます。

記事によると、「銀相場の国際指標となるニューヨーク先物は、6月22日の時間外取引で1トロイオンス=16.1ドル近辺で動いており、金は1トロイオンス=1,195ドル前後と底堅い動き。貴金属市場で投資対象として金・銀を比較する際に使われる、銀価格に対する金価格の倍率を示す「金銀比価」が74倍になった。1年前は63倍で銀の割安感が強まっている」という内容です。その背景は「貴金属市場ではギリシア不安を背景に安全資産として金が底堅く動いており、銀は宝飾や太陽光発電向けは堅調だったが、投資向けの銀貨などの売れ行きが不振となったため」と説明されています。

トロイオンス(troy ounce)

金・銀など貴金属の重量単位で、1トロイオンスは約31.1グラム
正確には1トロイオンス=31.1034768グラムで換算され、単に「オンス」とも呼ばれる。
単位記号は、oz troz toztが用いられる。ただし、日本の計量法が認めているのは、ozのみである。
国際的な貴金属取引は1トロイオンス当たりの米ドル建てで行われている。
単位の「トロイ」はフランス中部・シャンパーニュ地方の都市トロワに由来し、中世ヨーロッパの中心的な市場であった。この都市で金・銀と商品を交換する単位として使われたトロイオンスという単位が現在も貴金属市場の取引単位として使われているとのこと。

では、なぜこの記事に注目したかと言いますと、まず、金と銀の比較や倍率について新聞で触れていることが珍しいということです。1年前のやはりこの時期に、銀価格の下落が続いており、金との価格差が67倍に拡大したという記事が掲載されていました。銀の市況についての記事は時々掲載されますが、「金銀比価」についての記事はあまり目に触れることはありません。

注目したもうひとつの理由は、「金銀比価」の見方についてです。「金銀比価」は、貴金属の投資対象として割安かどうかを比較するだけの指標ではないということです。新聞記事には、そのことには触れていませんでした。1年前の記事にも、銀の下落の背景は1月以降の南アフリカの鉱山ストやウクライナ情勢の緊迫化を受け、資金がプラチナ(白金)やパラジウムに流れたため、そして銀の工業用の需要が減少したためとの説明だけでした。

GSR上昇の背景

「金銀比価」はGSR(Gold Silver Ratio)と呼ばれている指標で、同じ重さの銀価格に対する金価格の比率を示しています。古来から金貨と銀貨の価値を決める指標として重要な役割を果たしてきました。近年、この指標は市場の大きな変化を表す指標として注目されており、金銀との価格差が拡大すると、すなわち、GSRが大きくなると金融危機が深刻化していると言われています。

1985~2005年の時期は、金価格は1トロイオンス300~400ドル、銀価格は1トロイオンス4~6ドルと非常に安定したレンジの中で推移していました。この時のGSRは、だいたい50から60で推移していました。その後、世界経済が激動の時代に入ってくる2006年頃から金・銀ともに急激に上がり始め、50前後に下がっていたGSRは、2007年以降のサブプライムローン問題から生じた金融危機によって85~86まで上昇しました。これが直近のピークになります。サブプライムローン問題から欧州債務問題と金融危機が続く中で、金の上昇が銀よりも急上昇したためGSRが上昇しました。その後、金は2011年に1,900ドル台まで上昇しましたが、世界経済はサブプライム問題を乗り切り、欧州債務問題の鎮静化によって回復してきたことから、その後の金は急落し、GSRは50前後まで下落しました。

GSRが上昇する時は、金が上昇するか銀が下落するか、GSRが下落する時は、金が下落するか銀が上昇するか、という組み合わせになりますが、実際には銀は金と連動する値動きをする傾向があるため、GSRが動く時は上昇スピードの違いや下落スピードの違いによって生じるようです。 GSRの拡大は金の上昇率が大きく、下落する時は金の下落率が大きいということになります。

金の上昇の背景は、有事の時に安全資産として買われたり、金融危機が生じた時にも安全資産として、また金融危機によって通貨の信認が低下した時に買われたりします。逆に、金融危機が収束し、景気が回復し、金利が上昇してくると、金利を生まない金の魅力は減退し金価格は下がります。金の用途別需要を見ると、宝飾品、金貨、金塊で80%を占めており、工業用は14%です。一方、銀の用途別需要は、宝飾品、銀貨・メダルで金の半分に対し、工業用が50%を超えています。景気の変動に対しては、圧倒的に銀が影響を受けやすいということがわかります。金融危機が発生すると金は安全資産として買われ、金融危機の時には景気も減速することから銀の需要は減少し、銀の上昇は鈍くなることが予想されます。この結果、GSRが上昇してくることが推測されます。

現在、GSRは70を超えてきました。1年前のGSR67と比べると拡大してきています。「GSRが100になれば恐慌本番」という考え方があります。現在のGSR74が80を超えてくると目に見える金融危機が起こっているかもしれません。このように、こういう見方で金価格と銀価格、あるいはその比率を見ることによって、世界経済や国際金融市場の大海で風がどちらに吹いているか、あるいは、嵐が来るのではないかとの予想を立てることが出来ます。新聞の商品欄や商品のページを見ることによってこういう活用の仕方が出来ます。

GSR(金銀比価 Gold Silver Ratio)

  • 同じ重さの銀価格に対する金価格の比率(金価格 ÷ 銀価格 = GSR)
  • 古来から金貨と銀貨の価値を決める指標として重要な役割
    近年、市場の大きな変化を表す指標として注目
  • 金と銀との価格差が拡大すると、すなわち、GSRが大きくなると金融危機が深刻化
    ⇒ 金融危機の深刻度を測るメジャー リーマンショック時は85~86

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