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2015年度税制改正大綱は個人型DC拡大に注目してみたい
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

2015年度税制改正大綱は個人型DC拡大に注目してみたい

2015/1/16
2014年12月30日、与党税制改正大綱が示されました。例年なら12月15日前後に公表されるものですが、選挙の関係で遅れていたものです。…
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2014年12月30日、与党税制改正大綱が示されました。例年なら12月15日前後に公表されるものですが、選挙の関係で遅れていたものです。

このうち、個人にとって気になるポイントとして「住宅購入資金や結婚・子育て資金の贈与非課税枠拡充」とか「NISA年120万円拡充」「子ども版NISA創設」などがニュースでもよく取り上げられています。

しかし、地味に効果がありそうな税制改革がひっそりと認められています。実は個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)の利用範囲が大幅に拡大するのです。

現役世代にとってはNISA以上のメリットもある個人型DCの拡充内容と、その活用方法について今回は取り上げてみたいと思います。

今回認められた税制改正の概要は

厚生労働省のホームページから税制改正大綱の概要を引用すると以下のとおりです。

2.個人型確定拠出年金(個人型DC )の加入可能範囲の拡大
→企業の経営状況や、個人の就労形態又は離転職に左右されずに自助努力を支援する観点から、企業年金加入者(※1)・公務員等共済加入者・第3号被保険者について個人型DCへの加入を可能とする。
なお、新規に加入可能となる個人型DCの拠出限度額については、以下の通りとする(※2)。
  • 企業型DC加入者(他の企業年金がない場合) 年額24 万円
  • 企業型DC加入者(他の企業年金がある場合) 年額14.4 万円
  • 確定給付型年金のみ加入者及び公務員等共済加入者 年額14.4 万円
  • 第三号被保険者 年額27.6 万円

※1 企業型DC加入者にあっては、マッチング拠出を行っておらず、個人型DCへの加入を可能とする旨を規約で定める企業の企業年金加入者に限る。
※2 個人型DCへの加入を可能とする旨を規約で定めた場合の企業型DC制度の拠出限度額は、他の企業年金がない場合は年額42万円、他の企業年金がある場合は年額18.6万円とする。

平成27年度税制改正の概要(厚生労働省関係の主な事項 PDF

確定拠出年金制度はもっぱら企業型DCのほうが普及しており、すでに500万人の会社員の退職金・企業年金の一部または全部が置き換わっています。会社員の7~8人にあたる割合です。

すでに個人が任意で加入できる個人型DCはあるのですが、自営業者等(国民年金保険料を払っている人)と、会社員だが企業年金がない人(退職一時金はOK)しか利用できない制度でした。とはいっても2500万人くらい利用対象者があるのですが、営業をかけにくいこともあってかほとんどセールスされていません。利用率は0.5%程度で20万人にもならない状態です。

今回、この個人型DCが、以下の人たちも利用可能となります。これにより現役世代のほとんどが利用できるようになります。

  • 専業主婦(国民年金の第3号被保険者)
  • 企業年金のある会社員
  • 公務員
  • 企業型DCのある会社員(ただし会社が認めた場合のみ)

NISA以上の税制メリットがDCにはある

確定拠出年金の最大のメリットはNISA以上の税制メリットです。NISAでの税制メリットは利益確定時の一度限りの譲渡益非課税です。これでも20%課税よりおいしいわけですが、個人型DCがフル活用できると3度にわたって税制メリットを受けられます。

まず、自分の老後のための資産形成でありながら(DCの残高は個人ごとに分別管理され個人資産として保全される)、今年の所得税、来年の住民税が軽減されます。掛金相当額を所得から除外して税金の計算をするためです。竹川美奈子さんはこの段階で15%稼いだも同然と著書「年利15%でふやす資産運用術」で指摘しています(実際には課税所得の多少により変動する)。

次に、譲渡益非課税のメリットは「何度売買しても継続」します。これは個人型DCの口座は60歳以降しか原則解約できないためで、60歳まで(最大70歳まで)何度利益確定しても何度利息を受け取っても非課税で運用できます。実は定期預金もあるので、リスクを取りたくない場合は、安全運用できるのも個人型DCのメリットです(NISAはリスク資産しか購入できない)。

最後に、受取時は退職金とみなして非課税枠を利用できます。退職所得控除は通常は会社の退職金にかかりますが使い切れないことが多いのです。この非課税枠を「自分で積み立てた老後資金」に振り向けられます。オーバー分も2分の1しか課税されません。

入り口から出口までおいしいのが、実はDC制度なのです。これが多くの国民に一般開放されるようなものですから、利用しない手はありません。

とはいえ実施は2年後か 積み立ての準備を考えておこう

積み立て枠は月額1.2~2.3万円程度とNISAに比べると見劣りします。しかし老後のために解約せず続けられる積立投資口座と考えるなら、毎月1.2万円くらいはちょうどいい枠です。低コストのインデックスファンドなどで寝かしながら中長期的な含み益獲得を目指すとちょうどいいと思います。

仮に毎月1.2万円を38年積み立てたと仮定して試算をしてみました。拠出元本は547.2万円です。

本来なら15%税金を引かれてしまい、運用益にも20%課税されます。年3%の運用益が得られたとしても、38年後に受けられるのは758.4万円です。同じ投資条件をNISAで20%課税はなかったとすれば、865.9万円まで増えます。NISAが有利なことがよく分かります。

NISAでも十分おいしいわけですが、そもそも税金を引かれず掛金が全額投資され、かつ運用益も非課税になる個人型DCで投資できれば最終受取額は983.8万円まで増えるのです(個人型DCは年5000円の口座維持手数料もマイナスして試算)。これなら老後のひと財産になってきます。

NISA投資枠の120万円拡充は2016年からとされていますが、個人型DCの利用範囲拡大も早くて2016年度、おそらく2017年春になると思われます。

2015年春の通常国会に法案が出て6月ころ可決すれば、金融システム等の準備に入ります。おそらく2016年1月や4月には間に合わないのではないか、という予想です。

トリプルでおいしい個人型DCと、解約は自由にでき利用枠は広がるNISA、どちらも積極的に利用し資産形成に役立てたいものです。

NISAも個人型DCも活用して資産形成を

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