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NISAとマッチング拠出拡充をどう活かすか
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

NISAとマッチング拠出拡充をどう活かすか

2014/8/11
ここしばらく、NISAと401k(確定拠出年金)の規制緩和の話題が続いて報道されています。日本版401k(確定拠出年金)についても、規制緩和を政府、厚生労働省が検討していることが報じられています。
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NISAと401kマッチング拠出拡充をそれぞれどう活かすか

NISAも401kも利用範囲が拡大する可能性大

ここしばらく、NISAと401k(確定拠出年金)の規制緩和の話題が続いて報道されています。

まず、NISA(少額投資非課税制度)については拡充の検討が行われていることが明らかになっています。菅官房長官が何度か発言をしていますが、「(1)年間100万円という拠出枠について、年間200万円等に引き上げ」「(2)子ども版NISAとして親や祖父母が子ども名義の非課税積立をできるようにすること」の2点が主な検討内容のようです。早ければ2015年から改正されるのではと報じられています。

日本版401k(確定拠出年金)についても、規制緩和を政府、厚生労働省が検討していることが報じられています。こちらは「(1)現行の非課税拠出枠を引き上げる」ことと、「(2)会社が掛金を出したが非課税枠が余っている分をすべてマッチング拠出として本人が追加拠出できるようにする」ことの2点です。こちらは(1)については法律改正は不要ですが、(2)については法律改正が必要のため、2015年の国会に法案が出されると思われます(実施は2015年秋かそれ以降か)。

どちらも「なんとなく」ではなく、資産形成に意識的に使いたい「おいしい投資枠」です。今回は法改正後の利用シーンについて考えてみます。

NISA拡充をどう考えるか

NISAについては楽天証券内にも紹介のページがありますし、何度も触れているのでその詳細は省きますが、拡充シーンについてどう意識するかがポイントになります。

(1)年間100万円の拠出枠引き上げ

まず、拠出枠の増加についてです。一義的には枠が拡充することはメリットですが、これで変化する利用範囲は2つあります。

まず、「200万円の元本を投資し長期にわたっての資産形成をねらう」パターンです。この場合、中長期の投資により得られた利回りが同一であったとすれば、元本の多いほうが運用益も増えることになります。ただし、下落時の損失額も増えますので資産管理には注意が必要です。

もうひとつのパターンは「同一年内に何度か売買を繰り返すことが可能になる」というものです。NISAの投資枠は売却しても復活しませんので、投資元本が100万円であった場合において利益確定をかけると、当該年の枠はもう利用できません。しかし、枠が200万円に拡大したとすれば、「100万円購入」→「110万円に増えたので利益確定」→「もう一度100万円購入(これで200万円の枠を使い切る)」という投資も可能となります。ただし、可能なのは同一年内であって、翌年以降にはただ利益確定をするだけで翌年のNISA枠で新規購入をするということになります。

NISAは「利用範囲が小さい」「一度利益確定したらおしまい」ということが批判されてきましたが、枠の拡大そのものが選択肢を広げることになるわけです。

(2)子ども版NISAの創設

子ども版NISAはイギリスのジュニアISAをモデルにしたと考えられますが、一定の制限が課されると考えられます。予想されているのは「18歳まで原則引き出せない」というような制限です。ただしこれを素直に読めば、NISA恒久化の可能性を含んでおり、子ども版に限らない大きな改正を呼び込む可能性もあり、無視できません。

また、生前贈与の額が年110万円であることを考えると、子ども版NISAは祖父母が孫に対して行う相続対策が投資とつながる意味も持ちます。

子どものためのNISA口座に親と祖父母が同時に入金できるかどうかは未知数ですが、具体的な資産形成ニーズと結びつけるのであれば、大学入学資金・通学資金の確保に向いていると思われます。大学の4年間については入学金と通学費用を足して711万円ですから、100万円の年間投資枠を中学から高校卒業まで6年間活用できれば相当額の準備が期待できます(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」)。

ただし、リスク資産運用を前提としているため、商品選択や適切な利益確定なども必要になってくるでしょう。

マッチング拠出枠拡充はどう考えるか

企業型確定拠出年金については、会社がまず掛金を負担し、余っている拠出枠について本人がマッチング拠出として掛金を追加入金できます(会社がマッチング拠出を認めている場合。認めない場合もある)。しかし、「拠出限度額-会社の掛金額」が利用範囲になるため、会社の掛金が増す社員ほど利用範囲が少なくなってしまいます(一般に中高齢者のほうが掛金は高い)。

また、「会社の掛金≧本人の掛金」という制限もあり、会社がたいして掛金を積み上げてくれない場合、本人が出せる金額もそれ以下になる制限もあります。後者は連合が明確に反対していますが、若い労働者ほどこの制限で不利益になっています。

今回の規制緩和案が通れば、「そもそもの限度額が引き上げられるため、会社負担と限度額の差額が拡大する」ため、中高齢者もマッチングを利用できますし、「会社掛金以下」の制限により数千円しかマッチング枠のなかった若年層は数万円に枠が増大します。いずれもメリットがあります。

マッチング拠出は、NISAと近い性質と異なる性質があります。NISAもマッチング拠出も売却益が非課税である点は同様ですが、確定拠出年金の場合、受取時まで何度も売買できますし、定期預金も選択肢にあります。NISAが課税後の資金を拠出するのに対し、マッチング拠出の場合は拠出額は今年の所得税と来年の住民税を軽減させてくれます。自分の老後のために積み立てたお金が今の税負担を減らしてくれるわけで、これはNISAに勝るメリットです。しかし確定拠出年金は原則として60歳まで受け取れないところに制限があります(NISAは解約は自由)。

少しでも老後のための積立を行っているのであれば、その枠はマッチング拠出を優先するべきです。個人年金保険も結構ですが、マッチング拠出が可能なら積立額はまず確定拠出年金に入れるべきでしょう。仮に毎月数千円から1万円程度であっても、仮に所得税や住民税負担が15%軽減されるとすれば、その効果は絶大で、運用スタート時点でかなりの収益を得たのも同然だからです(税金を払わずにすむ、という「運用益」が生まれている)。

ただし、受取時点での税制優遇枠は縮小する傾向にあり、若干の課税はやむを得ないでしょう。それでも、退職時の受取については一定の非課税枠が講じられるはずです。

会社のアナウンスが不足しているせいもあってか、マッチング拠出の利用率はあまり高くありません。しかし、個人として資産運用においてマッチング拠出を選択しない手はありません。利用可能な人はぜひ利用してみてください。

今回はまだ改正が具体的になっていない段階ですが、NISA拡充とマッチング拠出拡充をどう利用するべきか考えてみました。最終的な改正内容は報道等で確認してほしいと思いますが、運用のヒントにしてください。

NISA拡充の活かし方

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