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先に失点を許したときの運用の心がまえ
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

先に失点を許したときの運用の心がまえ

2014/7/14
サッカーのワールドカップも決勝進出チームが決定するところまで来ました。深夜観戦を楽しんできた人もそろそろお疲れのことでしょう。私はオランダのファンなのですが、入稿直前にオランダの敗退が決まり、ちょっとがっかりしているところです。
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サッカーのワールドカップも決勝進出チームが決定するところまで来ました。深夜観戦を楽しんできた人もそろそろお疲れのことでしょう。私はオランダのファンなのですが、入稿直前にオランダの敗退が決まり、ちょっとがっかりしているところです。

さて、資産運用関係者にはサッカー好きが多く、サッカーを投資に例える人もいます。例えば「守備と攻撃のバランスを意識するように、投資においても攻めと守りのバランスを考えよう」とか、「FWタイプの投信とMFタイプの投信があるよ」というような例えです。私も何度かそういう例えで投資を説明したことがあります。

今回は少し戦略的なところでサッカーを例えに使ってみたいと思います。それは「損失からスタートしたときの対応方法」です。

先に失点を許すとゲームはとたんに難しくなる

どんなサッカーの試合もスタート時点は「0-0」です。大人気サッカー漫画「GIANT KILLING」の主人公(監督)が、どんなに戦力差があろうとも、キックオフの時点ではサッカーは0-0であり、どんなチームにも勝利のチャンスがある、という趣旨の台詞を述べていますがまさにその通りです。今回のワールドカップではコスタリカが何度も大番狂わせを演じました。

しかし、自分のチームの試合運びのことを考えると、先制点をとった場合と、先に失点をしてしまった場合ではゲームのプランは大きく変わってきます。

先制点をとると「このまま攻め続けて2-0を目指す」「守りにいって1-0を維持する」「普通に攻守を維持しつつ、相手が攻めてきたときにチャンスがあればカウンターをねらう」というように選択肢がいろいろ出てきます。これはポジションが有利なところにあるからです。

今回のワールドカップでも先制点をとったチームが有利だったようで、グループリーグだけをとると先制したチームの勝率は74%だそうです。

このデータだけをとっても失点したチームのプランは難しいことが分かります。少なくとも1点を取らなければ同点に追いつきませんし、勝利を得るためには現状0点でありながら2点の確保が必要です。必ず攻めなければならないわけです。

しかもその間、相手には得点を許してはなりません。攻めるということは、守備が手薄になることを受け入れることですから、カウンターのリスクを負います。0-1で攻めたところ0-2になっては勝利はなお遠のきます。

今、「リスク」とか「ポジション」とか「プラン」なんて言葉を使って説明しましたが、これは個人の資産運用にも学んで応用することができそうです。

最初、少し負けてしまった場合の投資プランを意識する

資産運用においても難しいのは、最初に損失を出してスタートしてしまった場合です。

ここで「最初の投資は負けない投資を」というのは精神論なので除外です。基本的に投資は値上がりと値下がり、どちらの可能性も排除できないからです。特に投資初心者の勝率が五分五分と思わないほうが現実的です。

最初の負けであきらめて、投資をやめてしまえばそれ以上の損失は被らないわけですが、それでは損失を取り返すこともできません。初心者が最初の失敗だけで投資をあきらめるのはもったいない話です。

最初に損失を出してしまった投資の最大の留意点は「損失を取り返そう」という意識が働くことです。これは無意識的にもあなたの投資判断を歪めますし、意識したとしてもやはり投資判断を偏らせる恐れがあります。

行動ファイナンスでは「ギャンブラーの誤謬」というキーワードがありますが、簡単に言えば「勝手に確率を判断して自分の見立てを都合よく評価すること」から私たちは逃れることは困難です。

日本的にベタな例えをすれば「競馬で負け続けて最終レースに大きく賭ける(しかも倍率が高いような馬にしばしば賭ける)」心理といえばイメージしやすいでしょうか。

投資で損失から入ってしまった人や、損失が投資元本を割り込んでしまった人は、サッカーでいえば失点をしてしまった状態に近いわけで、「0-1のゲームプラン」を自分なりに意識する必要があるわけです。

「今回投資判断に失敗したから、次は当たるだろう」なんて発想では投資はうまくいかないのです。

最初負けたらむしろ手堅く、冷静に

投資においては「儲けた経験(喜び)」と「損をした経験(落胆)」の双方を学ぶ必要があります。成功ばかり繰り返している人ほど、失敗を恐れなくなり、蛮勇に陥る恐れがあります。むしろ投資に失敗してスタートした人は、その経験は価値があると考えてみてください。

しかし、続けて損失を繰り返し、また損失額を拡大していくような投資を行うべきではありません。具体的な戦術を考えてみましょう。

  • 投資額を抑える
    最初損失を出したのであれば、次の投資では投資金額を少なくします。再び同じ損失割合が生じた場合であっても、損失金額を少なくすることができるからです。50万円の投資で失敗したら、次は5~10万円でトライすべきです。
    逆によくないのは、損失を出したのだから次の投資は金額をあげるようなやり方で、まさに「負け続けた日の競馬の最終レース」になってしまいます。
  • 投資商品を見直す
    価格変動の幅(つまりリスク)が大きく、また変動のスピードが速い投資商品を選んだことで最初の損失が生じたのであれば、商品の見直しにより価格変動を抑えられます。個別株式での投資でいきなり失敗したのであればETFかインデックス型の投資信託から再チャレンジするべきでしょう。

    これも「値上がり幅の大きい投資で損を取り戻す」という発想をすると投資判断が歪みます。レバレッジがかかる商品も一度離れて、自己資金の範囲で投資を行うことをお勧めします。

  • 損失許容割合を考えておく

    最初の損失確定をした後、価格が回復することはよくあることです。もし5%くらいの価格変動であわてて売ってしまったのであれば価格変動に対する覚悟が不足していたということです。リーマンショックの際、企業年金運用でも-18%の下落が生じています。日本株や外株は市場平均であっても30%の下落がしばしば生じます。自分の投資先はどれくらいの値下がりがあり得るのか予め意識しておくことで、「短期的なちょっとの損失」は乗り越えることができるようになります。(こうした損失可能性を覚悟していなかったのであれば、覚悟をしてもいい投資額を再設定すべきです)

  • 投資を学ぶ
    最後のポイントは、甘い気持ちを捨てて投資をちゃんと勉強することです。投資の世界においては初心者にハンディキャップは与えられませんし、初心者レートもありません。機関投資家と同じ土俵でいきなり売買するのです。失敗したということは、あなたには投資の隠れた才能もないのだと自分を冷静に評価するのです。
    自分の投資知識や投資の能力がまだ未熟であることを自覚することはとても重要です。むしろ自信過剰にならず謙虚に投資と向き合うチャンスです。よく分からないけど勢いで買ってしまうような投資はやめ、学びながら投資の世界を広げていきましょう。

投資においてはサッカーほど失点は深刻ではありません。100万円の投資資金が90万円になってもまだ資金は十分に残されていますし、生活がそれで終わってしまうわけではないからです。

あなたの人生という「絶対に負けられない戦い」を投資がアシストしてくれますように!

「0-1」から投資をどうする?

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