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おひとりさまのリスクの取り方について
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

おひとりさまのリスクの取り方について

2014/6/2
筆者が日経新聞電子版で連載しているコラムの5月のテーマが「おひとりさまの老後資金準備」だったのですが、思った以上にアクセスがあって驚きました。やはりおひとりさまというのは若い世代の関心事なのだと感じます。
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おひとりさまが増えている時代の運用法を考える

筆者が日経新聞電子版で連載しているコラムの5月のテーマが「おひとりさまの老後資金準備」だったのですが、思った以上にアクセスがあって驚きました。やはりおひとりさまというのは若い世代の関心事なのだと感じます。

生涯未婚率の上昇は著しく、しかし近年の特徴的な傾向です。2010年の国勢調査によれば、男性の生涯未婚率は20.1%、女性は10.6%です。昭和の時代にも未婚率の上昇は見られていましたが5%を超えない程度でした。平成に入って一気に上昇したわけです。

また、団塊ジュニア以降の若い世代の未婚率は高く、生涯未婚率の上昇は進むと思われます。たとえば35~39歳の男性の未婚率は35.6%、女性は23.1%です。40歳以降の未婚率低下はあまり大きくないので、10年後、生涯未婚率は10ポイントの上積みがある可能性が高まっています。

仮に3割が生涯未婚とすれば、男10人女10人の村があったとき、未婚世帯6、既婚世帯7ということになり、世帯数で見れば半数弱が未婚という社会が成立することになります。おひとりさまは社会的にも大きなインパクトがあります。

そこで、今回はちょっと「おひとりさま」の運用方法を考えてみたいと思います。

おひとりさまほどリスクを取り得るし、取る必要がある

おひとりさまがシングルライフを過ごしている中で、資産運用との親和性を考えてみますと、実はリスク許容度が高いように思います。

というのも、リスク許容度を考えたとき、家族を守るためにある程度資産を保有していく必要があることや、子育ての責任をまっとうするための費用を捻出し続けることはリスク許容度を考えたとき低下要因です。

特に子育てコストは重い負担であり、子どもをひとり育て上げるためには少なくとも1,000万円、統計的には2,000万円という見方もあり、2人、3人と子どもがいる場合は育児費用、学費費用はどんどん膨らみます。

そうしてみるとファミリー世帯は大きな損失も出しにくく、またリカバーする余裕も持ちにくいところがあります。

この点で、独身者は気楽さがあるというか、我が身ひとつをやりくりできればいいわけですから(もちろん、無制限にリスクを取っていい、という意味ではないが)、キャッシュフロー的にも追加投資資金を捻出しやすい立場にあります。おひとりさまがリスクを取りやすいことは事実としてあげることができます。

おひとりさまの資産運用についてはチャレンジする余地が大いにありますが、喜んでリスクテイクしている場合ではありません。しっかりリスクを取りつつ、資産形成に励んでいかないと、老後に窮する恐れがあります。

おひとりさまの老後にはとにかくお金がいる

おひとりさまの場合、リスクを取れる立場を活かして積極的に資産形成に取り組まなければならない理由は、おひとりさまの資金ニーズが大きいからです。ケースにもよりますが、ファミリー世帯の5割増しあるいは2倍くらいを老後に向けて意識する必要があると思います。具体的には2つの要素で老後資金ニーズがかさむからです。

1つは、高い生活水準が高い老後資金準備を求める点です。特に男性で正社員でありおひとりさまをしていると、40代から50代の高い年収を自分ひとりだけのために使います。そのまま退職後の年金生活でも生活水準を維持したいと希望すると膨大な老後資産が必要になります。

仮に手取り45万円で暮らしていた場合、年間で540万円が必要ですが、公的年金に期待できる金額は16~17万円というところです(会社員が平均的に厚生年金と国民年金を受け取った合計額)。差額が仮に月28万円としたら年額336万円、20年の老後をにらめば6,720万円が必要ということになります。ここでは運用益を見込んでいませんが、一般的なファミリー世帯に対し、過去の私のコラムにて「老後資金目標の目安は3,000万円」と紹介していることを思えば、2倍にもなる金額です。

この金額が準備できなければ、生活水準を落として年金生活をやりくりすることになります。一般的な夫婦の場合、仮に手取りが45万円であっても、子育て費用や住宅ローン負担があるため、実質30万円程度で暮らしていることが多く(もっと少ないところも)、すでに生活水準抑制が機能しており、年金生活もスムーズに入れることがあります。

ところが、おひとりさまはそうはいかないというわけです。少しでも多く老後資金を上積みするためには、リスク資産運用を組み入れ期待リターンをあげるほかありません。

もう1つは、おひとりさまの介護コストです。体調を崩したとき、日常生活の維持や食事づくり、通院の介添えなどを「必ず」誰かに頼まねばなりません。介護保険がすべてをまかなえることは絶対にありませんので、費用がかかります。セブンイレブンやワタミなどの食事配膳サービスを頼んだとしても、結構お金がかかります。

終身介護つきの特別養護老人ホームに入りたいのであれば、これまた高額な一時金ないし支払いを必要とします。公的年金と同額ということはまずありません。

おひとりさまを最後まで堪能して、堂々と人生を終わらせたいと思うのであれば、老後資金をしっかり貯める覚悟が必要で、またそのために行動を起こす必要があるわけです。

しっかり貯め、老後資産をリスク運用で稼ぎたい

筆者は老後資産形成の重要性をリスク資産運用と関連づけることが多いのですが、おひとりさまこそまさに老後をにらんでリスク資産運用にチャレンジすべきと思います。

まず、稼いだ年収の一定割合をしっかり残します。ゼイタク消費もいいのですが、年収の15~20%は残して増やさなければ老後に厳しい人生になること確実です。

さらにその資産の一定割合はリスク資産に投じて増やす試みをするといいでしょう。リスクの取り具合は最終的にはひとりひとりの判断でしょうが、GPIF(国の年金運用)よりは積極的でもいいはずです。GPIFの国債ウエートの多くは、個人においては定期預金の残高があればカバーできます(個人向け国債はありです)。

乱暴ではありますが、試算をしてみましょう。40歳から60歳まで平均年収が650万円だとし、年20%を貯めることができれば、原資だけでも2,600万円が貯まります。これを半分にし、1,300万円は定期預金で年利1%、1,300万円は年利4%の運用ができたとすれば、定年退職時には3,425万円にもなります。

これに退職金を足せば、6,720万円とはいかないものの、かなりの部分をカバーできることになります。50代で年収がこれを上回ったとき、積み立て額をアップできるとまた差は縮まります。

ちなみに、20%貯蓄する生活をすれば生活コストはもっと下がっていますので、老後の必要額も1,000万円以上下がる可能性があり、老後はハードランディングにならずにすむでしょう。

本気で、おひとりさまの人生を覚悟し、資産運用の素養を持って本欄を読まれた読者は、チャレンジしてみてください。おひとりさまがお金がなく老後を迎えるのはなかなか辛い者です。そうした苦しさから解放され、むしろ満足のある老後がやってくるはずです。

おひとりさまの資産運用

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