【米ドル/円】アブダビ政府のドバイ金融支援公表を受け底堅い動きに、重要イベント控え様子見も
昨日までの動向
米ドル/円は昨日陰線引けとなりました。
東京市場序盤、米ドル/円は軟調に推移。
前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、やや米ドル買い/円売り優勢でのスタートとなり、89円25-30レベルまで小幅に上昇する場面も見られましたが、その後は国内輸出企業の米ドル売り/円買いや利益確定の米ドル売りに押され、89円台を割り込むと下げ幅を拡大。一時88.30-35レベルにまで下げる展開となりました。
なお、東京時間8:50より発表された12月の日銀企業短期経済観測調査(日銀短観)は、大企業全産業設備投資計画が事前予想を下回るなど、先行きにやや不安が残る内容となったもののその他、構成項目は事前予想ほど悪化しなかったことから市場の反応は限定的なものに留まりました。
東京市場後半に入り、米ドル/円が反発。
東京時間13:20頃、一部報道が「アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系持株会社、ドバイワールドと不動産開発会社ナキールの債務の一部を支払うためアブダビ首長国が100億ドルを提供、14日に償還期限を迎えるイスラム債41億ドルの支払いに充てる」と報じられたことで中東信用懸念が緩和。投資家のリスク選好の円売りに 米ドル/円は88円台なかばレベルから88.90-95レベルに一時、急伸する展開となりました。
アブダビ政府のドバイ金融支援が公表され、89円台近辺まで米ドルが買い戻されたものの上値を追うには材料不足との見方から、89円直前で足踏み状態となり、その後は88円台後半レベルでのもみ合いとなりました。
欧米市場では米ドル/円は狭いレンジを底堅く推移。
ドバイ債務に絡んだ懸念が後退したことで、NYダウ平均は10500ドル台を回復して終了。その他では、部分国有化されている米金融大手のシティグループが、不良資産救済プログラム(TARP)から受けた公的資金200億ドルを返済することで金融当局との間で合意に達したと発表。またエネルギー大手エクソンモービルがXTOエナジーを310億ドルで買収合意したことにより、M&A活動が活発化するとの思惑も米国株を下支えしたようです。米ドル/円はリスク選好姿勢の回復に伴う円売りにより一時88.70-75レベルにまで上昇する展開となりました。
ただ、今週は15、16日のFOMCや17、18日の日銀政策委・金融政策決定会合をはじめ、注目イベントが多く控えていることに加え、今後主要経済指標の発表も控えており、売り買い一巡後は重要イベントを見極めたいとの思惑から積極的な取引は見送られその後は88円台なかばレベルを中心に約50ポイントの狭いレンジでのもみ合いとなりました。
本日の展望
昨日陰線引けとなりましたが、NYクローズベースにおいては心理的節目とされた88円台なかばレベルを維持。下値では直近上げ幅のフィボナッチ押しに該当する88.50-55レベルを維持できるかが焦点となりそうです。同レベル直下には5日移動平均線(88.45-50レベル)、21日平均線(88.25-30レベル)が控えており88円台では底堅い展開も予想されています。88円台を割り込んだ場合一目均衡表の基準線が位置する87.75-80レベルが次の下値ターゲットとしてあげられます。
一方、上値では次の心理的節目90.00レベルを上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。同レベルをしっかりと上抜いた場合、一目均衡表の雲の下限(先行スパン1)が次の上値ターゲットとなりそうです。
本日、米11月の生産者物価指数、12月のNY連銀製造業景気指数、米11月の鉱工業生産や米12月のNAHB住宅市場指数など東京時間22:30から27:00にかけて重要な米経済指標の発表が相次ぎます。
本日の主な指標
東京時間22:30:(米)生産者物価指数-11月 予想0.8% 前回0.3%
東京時間22:30:(米)生産者物価指数-11月(コア) 予想0.2% 前回-0.6%
東京時間22:30:(米)NY連銀製造業景気指数-12月 予想24.00 前回23.51
東京時間23:15:(米)鉱工業生産-11月 予想0.5% 前回0.1%
東京時間23:15:(米)設備稼働率-11月 予想71.1% 前回70.7%
東京時間27:00:(米)NAHB住宅市場指数-12月 予想18 前回17
その他、
東京時間18:30:(米)消費者物価指数-11月 予想0.2% 前回0.2%
東京時間19:00:(米)ZEW景況感調査-12月 予想50.0 前回51.1
など
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円】ドバイ信用不安後退で底堅い動きも、欧米市場では様子見
昨日までの動向
豪ドル/円はやや長い下ひげを残す陽線引けとなりました。
東京市場序盤に豪ドル/円は一時軟調に推移。
11日に発表された米国の小売売上高の改善や利上げ時期の前倒し観測などから、対米ドルで豪ドルが下落。豪ドル/円も短期筋の利益確定の豪ドル売り/円買いに押され81円台前半レベルから一時88.00-05レベルにまで下げる展開となりました。
その後は、アブダビ政府のドバイ金融支援が公表されたことで市場では安心感が広がりリスク投資への警戒感が緩んだことで豪ドルを買い戻す動きが一時優勢となりました。豪ドル/円は80円台前半レベルから再び81円台に戻す展開となりました。
欧米市場で豪ドル/円は底堅く推移。
部分国有化されている金融大手シティグループが公的資金の返済計画で政府と合意したことや、エネルギー大手エクソンモービルによる大型買収案件も重なり、高金利通貨や株式、商品など比較的リスクの高い資産を選好する動きが豪ドル支援材料として寄与したようです。ただ、本日15日から2日間の日程で開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードも根強く、積極的な取引は見送られたことなどから、豪ドル/円は81円台前半レベルでのもみ合いとなりました。
本日の展望
一目均衡表の雲のなかに突入後、一時雲の下限を下抜ける動きとなったもののその後、急反発となり、やや長い下ヒゲを残す足形となっています。豪ドル/円は一目均衡表の雲の中に突入後、長い上ひげ・下ひげを残す形となっており、雲を上下どちらに方向に抜けていくかに注目が集まります。
上値では一目均衡表の雲の上限(先行スパン1)をしっかりと上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。本日、一目均衡表の先行スパン1は81.65-70レベルに位置しています。
一方、雲の上抜け失敗となった場合、同レベルを背景とした戻り売りリスクにも注意を払いたい場面です。下値ターゲットとして一目均衡表の雲の下限(先行スパン2)が位置する80.80-85レベルがあげられます。
目先、一目均衡表は徐々に厚みを増しており、今しばらくは雲の中での推移継続を予想する声もあるようです。ただその後、「変化日」を表す雲のネジレが観測されています。今後、雲の中での推移継続となった場合、エネルギーを蓄積しつつ、「変化日」付近での上離れ・下離れのリスクにも十分注意を払いたい場面です。
本日、東京時間09:30に発表されたRBA(豪準備銀)政策会合議事録では「豪州の失業率は上昇する可能性がある」、「コアインフレをCPIは2010年に目標に収まる見通し」といった見解が示されました。景気やインフレへの慎重判断が示されたことで発表直後豪ドル/円は81円台割れをうかがう動きとなりました。 なお、明日12月16日、東京時間09:30には豪州GDP-3Qの発表が予定されており市場の注目を集めています。
本日の主な指標
東京時間09:30:(豪)新規住宅-3Q 予想6.0% 結果9.4% 前回-3.7%
東京時間09:30: RBA(豪準備銀)政策会合議事録
12月16日の豪州経済指標
東京時間08:30:(豪)ウエストパック先行指数-10月 予想未発表 前回0.4%
東京時間09:30:(豪) GDP-3Q 予想0.4% 前回0.6%
東京時間09:30:(豪)GDP-3Q(前年比) 予想0.7% 前回0.6%
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。