【米ドル/円】ドバイ危機が一服、87円台で底堅い動き
昨日までの動向
米ドル/円は2日続けての陽線引けとなりました。
東京市場では米ドル/円が底堅く推移。
ドバイ危機の一服による世界的な株高や資源高から、投資家のリスク回避志向が後退。安全資産である米ドルが売られる展開となりました。さらに日本時間2日オバマ米大統領はアフガニスタン新戦略について3万人の留米軍の追加増派を決定したことを発表。改めて財政赤字の拡大が懸念されたことも米ドル売り圧力として寄与したようです。米ドル/円は対円を除く主要通貨で下落。米ドル/円はクロス円の上昇などに牽引され上昇し、87円台に乗せる動きとなりました。
東京市場終盤から欧州市場序盤にかけて円安が再燃。
鳩山首相は2日午後、衆院の「前議員会」主催の講演会で、為替市場の円高傾向について「円独歩高は放置できない」と語ったことが伝わり一時ドル買い/円売りが優勢となりました。鳩山首相が円高に懸念を示したことで介入への警戒感が強まり、米ドル/円は一時87.30レベルまで上昇する動きとなりました。
NY市場では米ドル/円は87円台前半レベルで底堅い動きに。
12月4日に予定される米11月雇用統計の発表を控えて、米雇用統計の先行指標として相関関係が強いとされる民間部門の雇用を示す、米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が2日発表した11月の全米雇用報告は民間部門雇用者数は前月比で16万9,000人減と2008年7月以来で最低の減少幅となり、雇用減少ペースの鈍化を示す内容となりました。減少幅が事前予想の15万人減を上回ったものの米雇用情勢の一段の悪化を連想させるものでなかったことから、米ドル買いを誘う一因となったようです。
またNY時間に発表された米地区連銀経済報告(※米国の連邦準備銀行がまとめた、地域の経済状況を報告する文章のこと。報告書がベージュ色のためベージュブックと呼ばれる)では「商業不動産市場は非常に弱く、多くの地区で悪化」と見解がなされたが、「12地区中、8つの地区で経済活動が若干拡大」、「労働市場は引き続き軟調だが、一部に改善の兆し」など米雇用状況や経済状況について小幅改善が示される内容となりました。米ドル/円は一時87.40-45レベルに上昇、87円台で底堅い値動きとなりました。
本日の展望
11月27日の急落から84.75-80レベルを示現したのち、相場はやや落ち着きを取り戻しつつあるようです。昨日の上昇で転換線を上抜く動きとなりました。下値リスクを注視しながらも、足元では米ドルの戻り高値を試す局面にあるようです。
上値では1日の高値87.50-55レベルが直近ターゲットとなりそうです。同レベルは10月27日の高値92.30-35レベルを起点としたフィボナッチの38.2%戻しである87.60-65レベルにほぼ近いレベルとなっています。同レベルを越えてきた場合、一目均衡表の基準線が位置する88.15-20レベルを次の上値ターゲットとして捉えることとなりそうです。一方、下値ターゲットとして一目均衡表の転換線が位置する87.00-05レベルがあげられます。
本日の主な指標
東京時間:22:30(米)新規失業保険申請件数 予想48.0万件 前回46.6万件
東京時間:24:00(米)ISM非製造業景況指数-11月 予想51.5 前回50.6
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円 リスク選好姿勢の回復から底堅い動きに】
昨日までの動向
豪ドル/円は2日続けての陽線引けとなりました。
ドバイの債務問題への懸念が後退したことで、市場ではリスク選好姿勢が回復。2日のニューヨーク商品取引所の金先物相場は、中心限月2月物で前日終値比12.80ドル高の1オンス=1213.00ドルで引け、2日連続で終値最高値を更新。また、通常取引開始前の時間外取引では一時1218.40ドルを付け、取引途中の最高値も更新する展開となりました。世界的な株高、資源高を受け、豪ドルなど資源国通貨も堅調な動きとなりました。
ただ、11月の米雇用統計の発表を4日に控えて、リスク投資に対する警戒感もあり、ユーロをはじめ、高金利の豪ドル、カナダ・ドルなどから米ドルに資金を戻す動きが一時活発化し、NY市場で豪ドルは対米ドルで一時下落したことに加えて、EIA(米エネルギー省エネルギー情報局)在庫統計で原油在庫が増加したことを受け、NY原油先物が下落したことを手がかりに、一時リスク回避の動きが強まったことも豪ドルの重石となったもようです。
ただ、豪ドル/円は投資家の買い意欲が根強く、80円台なかばから80円台後半レベルでの底堅い動きとなりました。
本日の展望
豪ドル/円は直近の強弱の分岐点80.00レベルを回復。一目均衡表の転換線、基準線を共に上抜く動きとなっています。上値では一目均衡表の雲の下限と上限をしっかりと上抜けられるかが焦点となりそうです。本日雲の下限は80.80-85レベルに、雲の上限は81.90-95レベルに位置しています。一方、豪ドル高のスピード警戒による調整売りにも注意を払いたい場面です。下値では80.00レベルを維持できるかが焦点となりそうです。
本日の主な指標
東京時間:09:30(豪)小売売上高-10月 予想0.3% 結果0.3% 前回-0.2%
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。