【米ドル/円】日銀の臨時金融政策決定会合を受け米ドル/円が一時急伸
昨日までの動向
米ドル/円は昨日、陽線引け。
東京市場で米/ドル円は一時急伸。 日銀が1日14時から臨時の金融政策決定会合を開き、追加の緩和策を検討すると発表。量的緩和策が議論されるとの思惑から、ドル売りポジションをいったん手仕舞う動きからドル買い/円売りの動きが急速に強まり米ドル/円は急伸、一時87.45-50レベルまで急伸する展開となりました。
その後、日銀は3カ月、金利0.1%の新たな資金供給オペを決定。供給額は10兆円程度と、追加の金融緩和政策を発表。量的緩和など踏み込んだ内容にならなかったことから発表直後、円買い戻しが強まり米ド/円は87円台を再び割り込む動きとなったものの、日本の長期金利が一時大幅に低下したことが金利差面での円安を支援。再び87円台に切り返す動きとなりました。
欧州市場に入り米ドル/円はやや軟調に推移。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイとアブダビ首長国が、ドバイの債務危機に協力して対応することで合意したとする一部報道により、ドバイ問題に対する懸念が後退したことから欧州各国の株式市場は大幅上昇。投資家のリスク回避志向が後退すると安全資産である米ドルが売られ、米ドル/円も87円台を再び割り込む動きとなりました。
Y市場に入り、米ドル/円は上値の重い展開に。
NY時間に発表された中古住宅販売保留-10月が事前予想の-1.0%を上回り、結果3.7%と強い内容となったことや、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が「持続的な経済成長に自信」、「デフレリスクは大幅に低下した」など景気に対し楽観的な見方を示したことも好感され、NYダウ平均株価が一時10,500ドルを回復。一連の株高を受け、リスク回避志向が後退したことで、安全資産であるドルが幅広く売られ、米ドル/円も86円台なかばレベルにまで下げたのち、同レベルでのもみ合いとなりました。
本日の展望
先週末の暴落で84円台を示現したのち、相場はやや落ち着きを取り戻しつつあるようです。ただ、大局的なリスクは依然下方向にあり、米ドル/円の戻り売りリスクを注視しての取引となりそうです。
直近下値の目途として11月27日に記録した84.75-80レベルがあげられます。戻り売りがことのほか強まった場合、1995年に記録した最安値79.75レベルも視野に捉える可能性も否定できず、再び米ドル売りが加速した場合での一段安にも注意を払いたい場面です。
一方、上値ターゲットとしてNY引け値ベースで超えられない一目均衡表の転換線があげられ、同ラインは本日87.00-05レベルに位置します。同レベルを上抜けた場合、昨日高値87.50-55レベルが次の上値ターゲットとなりそうです。なお、同レベルは10月27日の高値92.30-35レベルを起点としたフィボナッチの38.2%レベルにほぼ近いレベルとなっています。
本日の主な指標
東京時間22:15:(米)ADP雇用統計-11月 予想-15.0万人 前回-20.3万人
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。
【豪ドル/円】
昨日までの動向
豪ドル/円は昨日、実体部がしっかりとした陽線引け。
東京市場序盤、豪ドル/円は堅調に推移。
日銀の追加緩和観測を受け日経平均株価が大幅上昇。リスク選好姿勢の回復から米ドル/円、クロス円で円売りが進み、豪ドル/円は一時80.15-20レベルまで上昇する展開となりました。
東京市場、正午の動きでは豪ドル/円は一時軟調に推移。
また、1日の豪準備銀行政策金利(RBA政策金利)では、政策金利が事前の予想通り0.25%引き上げられ3.75%となりました。政策金利発表後、材料出尽くしや、声明では「豪州経済の回復は緩やか」、「豪ドル高が輸入セクターに悪影響を与えている」といった認識が示されたことで、一時利益確定の豪ドル売りが優勢となり、豪ドル/円は一時80円台を割り込み79.00-05レベルにまで下げる動きとなりました。
欧米市場に入り、豪ドル/円はおおむね80円台前半レベルでのもみ合いに。
欧米株価の上昇を受け、投資家のリスク選好姿勢が強まり、リスク回避志向が後退したことで安全資産である米ドルが売られ欧州通貨や資源国通貨が買われる展開となりました。ただ、米ドル/円でのドル売り圧力の影響から豪ドル/円は堅調地合いを維持しつつも伸び悩む展開となりました。
なお、1日のNY金先物相場は、対欧州通貨などでの米ドル安を背景に続伸し、前日終値比17.90ドル高の1オンス=1200.20ドルで引け、終値ベースで初めて1200ドル台に乗せ、終値最高値を更新したことも資源産出国通貨の豪ドル支援材料として寄与したようです。
本日の展望
豪ドル/円は直近の強弱の分岐点80.00レベルを回復。一目均衡表の転換線も上抜く動きとなっています。下値では今後80.00レベルを維持できるかが焦点となりそうです。一方、上値ターゲットとして、一目均衡表の基準線が位置する80.40-45レベルがあげられます。同レベルをしっかりと上抜けてきた場合、一目均衡表の雲の下限80.80-85レベルを視野に捉えることとなりそうです。なお、一目均衡表の基準線は依然下向きに推移しており、同レベルで上値を抑えられた場合の戻り売りリスクにも注意を払いたい場面です。
本日の主な指標
本日、主な豪州経済指標の発表は予定されていません。
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。