【米ドル/円 日銀のレートチェックの噂などから反発上昇】

昨日までの動向

米ドル/円は約2円を超える下ヒゲを残した小陰線引け。
「ドバイ・ショック」に端を発したパニック的なリスク回避によるクロス円の下落が一服。米ドル/円も1995年以来14年ぶり安値となる84.75-80レベルを付けたのち、急激に値を戻す展開となりました。

東京市場前半で米ドル/円は一時急落。ドバイ政府系持株会社である「ドバイ・ワールド」のデフォルト・リスクから急激な円高が進み、米ドル/円は一時84.75-80レベルと1995年以来14年ぶりの安値を付ける展開となりました。また、米ドル/円の急落で円買いが他通貨に広がり、円は一時全面高となりました。

しかし、急速な円買いが一巡すると一転して円は急反落。急速な値動きの反動で短期筋の米ドル買い戻しが活発化し、東京市場正午にかけて86円台へ大きく値を戻す荒い値動きとなりました。

米ドル/円の急反発の背景として、藤井財務相は円の急伸について「一方的に偏った動きであることは間違いない。非常に緊張して注視している」とした上で、「国際金融を安定させるため、無秩序な動きには適切な対応を取る」と為替介入を示唆したこと。また「G7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で何らかの声明を出すことも臨機応変な対応の一つだ」と述べ、G7緊急声明の可能性に言及したことなどが円売りに寄与したようです。

また、一部では日銀によるレートチェック(※中央銀行が民間企業に市場の為替レートをチェックすること。一般的に、中央銀行が望ましくないと思う水準に相場があるとき、レートチェックが行われやすい。レートチェックの実施が伝わると、市場では介入に対する警戒心が強まることから、口先介入と同じ意味合いを持つ)の噂が指摘されており、そうした噂が米ドルの急反発を促進させたもよう。もっとも、レートチェックが介入に踏み切る可能性を示唆するものかどうかは不透明との見方もあり、米ドル/円は短期的な買い戻し一巡後は86円台前半レベルでのもみ合いとなりました。

欧米市場に入り、米ドル/円は底堅く推移。
欧州株式市場では昨日の下げに対する反動から金融関連株を中心に買い戻しが先行。また、ブラウン英首相、プーチン露首相が「ドバイ危機は局地的なもので封じ込め可能」、「ドバイ・ショックに端を発する市場の混乱は一時的なもの」と楽観的なコメントを実施。相次いで市場混乱の沈静化に務めた事が欧州株式市場の反発を後押ししたもよう。米ドル/円はユーロ/円、英ポンド/円などのクロス円の上昇に牽引され86円台なかばから後半レベルでの底堅い推移となりました。

本日の展望

一時84.75-80レベルと1995年以来14年ぶりの安値を付ける展開となるなど連日安値を更新する値動きとなっています。大局的なリスクは依然下方向にあり、米ドル/円の戻り売りリスクを注視しての取引となりそうです。ここからの下値目途は見出しにくく、1995年7月の安値84.50-55レベルや1995年6月の安値83.35-40レベルなど、かなり過去にさかのぼり下値を確認する必要がありそうです。戻り売りがことのほか強まった場合、1995年に記録した最安値79.75レベルも視野に捉える可能性も否定できないところ。再び米ドル売りが加速した場合での一段安にも注意を払いたい場面です。

一方、84円台を示現したことなどから、円高のクライマックスをにらんだ反発上昇のリスクにも注意を払いたい局面です。上値ターゲットとして一目均衡表の転換線が位置する87.10-15レベルや基準線が位置する88.55-50レベルなどがあげられます。

本日の主な指標

東京時間23:45:(米)シカゴ購買部協会景気指数-11月 予想53.0 前回54.2
東京時間24:30:(米)ダラス連銀製造業活動指数-11月 予想0.0% 前回-3.3%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 下攻め一巡後、急反発 12月1日の豪州政策金利発表に注目】

昨日までの動向

豪ドル/円は約2円を超える下ヒゲを残した陰線引け。
東京市場序盤、豪ドル/円は一時急落。26日のドバイの政府系持ち株会社の債務返債延期要請が伝わり、豪ドルなどリスク資産をを売る動きがオセアニア市場でも一時強まったもよう。豪ドル/円は78円台後半レベルから下げ足を拡大し一時76.45-50レベルにまで急落する値動きとなりました。

ただ、下攻め一巡後は豪ドル/円は急反発。当局の要人発言やレートチェックの噂などから米ドル/円やクロス円が急反発。豪ドル/円も76.45-50レベルで底を打ちNY市場引けにかけては再び78円台後半レベルにまで値を戻す展開となりました。当局の為替介入の有無に対しては不明ではあるものの、豪ドル/円などの一部クロス円では下値では個人投資家の買い意欲が強いとの指摘も聞かれています。

なお、今週は12月1日にオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の政策金利発表が予定されています。市場では、RBA(豪中銀)が3回連続となる0.25%の利上げに踏み切るとの予想が多いようです(※一部、12月の利上げ見送り予想も)。同日には10月の豪住宅着工許可件数も発表も控えています。また、3日には10月の豪小売売上高が発表が予定されています。

本日の展望

ここ数日サポートとして寄与してきた一目均衡表の雲を割り込むと下げ幅を加速。2008年10月に記録した55円台前半レベルからの下げ幅の約半値戻しに該当する80.00円レベルも下抜き、一時76.45-50レベルにまで急落する動きとなっています。次の下値目途として10月2日の安値76.30-35レベルがあげられます。

豪ドル/円の続落リスクには当然要注意ながら、短期的には売られ過ぎの状態にあり調整的な反発上昇にも注意を払いたい場面です。日足チャートでは遅行スパンが26日前のローソク足を下抜き下落を継続、暗転を示唆しているものの雲の上限では反発・上昇となっています。上値では一目均衡表の転換線が位置する79.85-90レベルをこなしつつ、強弱の分岐点として寄与する80.00レベルを早期に回復出来るかが焦点となりそうです。

市場では12月1日の豪州政策金利においてRBAが3回連続となる利上げが実施されるかにおいて、一部予想が割れており、注目が集まっているようです。RBA(豪準備銀行)政策金利は12月1日東京時間12:30に発表が予定されています。

本日の主な指標

本日、豪州の主な経済指標の発表は予想されていません。

12月1日の主な指標

東京時間09:30:(豪)住宅建設許可件数-10月 予想2.0% 前回2.7%
東京時間12:30:(豪)RBA(豪準備銀行)政策金利 予想3.75% 前回3.50%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
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