【米ドル/円 年末要因やリスク回避のクロス円の手仕舞いなどに牽引され下落】

昨日までの動向

米ドル円は昨日陰線引け。直近安値88.70-75レベルを一時割り込む動きとなりました。

東京市場全般で米ドル/円は軟調に推移。
東京市場序盤は小幅続伸でのスタートとなりましたが、その後日本国内企業の増資による株式需給悪化を警戒した売りにより日経平均株価の続落。これを受け、リスク回避のクロス円を中心とした円買い戻しが米ドル/円に波及し東京市場を通じ円ジリ高基調が継続しました。

欧米市場に入り米ドル/円は一時下値を試す動きに。
世界的な株価下落を受けリスク回避姿勢が強まり、円と米ドルを買い戻す動きが優勢となりました。ここ最近発表された経済指標は予想外に低調な内容が目立つことから、景気は本格的な回復期を迎える代わりに、二番底へ向かうとの懸念から投資家は慎重姿勢に転じているもよう。この日発表された新規失業保険申請件数は事前予想50.4万件のところ結果は50.5万件と弱い内容となりました。

また、 来週26日の米感謝祭(サンクスギビングデー)を前に米系投機筋などのレパトリエーション(※期末などに海外へ投資していた資金を自国に戻す行為)による米ドル買い。海外短期勢からは年末決算などによるクロス円などの中長期のポジションを手仕舞う動きもあいまって円高・米ドル高が進行したようです。米ドル/円は一時88.60-65レベルにまで下げる動きとなりました。

ただ、その後フィラデルフィア連銀が発表した11月の地区製造業景況指数は、事前予想12.2のところ結果は16.7と予想以上に強い結果となったことに加え、構成項目の雇用指数はも-6.8から-0.5と改善。10月の景気先行指標総合指数も事前予想0.4%のところ結果は0.3%とまずまず内容となりました。これを受けて、NY市場午後以降は落ち着いた取引となりクロス円の上昇などにより米ドル/円も再び88円台後半レベルに戻す動きとなりました。

本日の展望

直近の下値目途として16日と17日に2度下げ止まった88.70-75レベルを一時割り込む動きとなったことなどから、引き続き下値リスクを警戒しての取引となりそうです。下値では昨日安値88円台なかばレベルで下げ止まりとなるかが焦点。同レベルを下抜けた場合、10月7日の安値88.013を下値ターゲットとして捉えることとなりそうです。

一方、上値では直近高値89台半ばレベルをしっかりと回復できるかが焦点となりそうです。ただ、同レベルを超えても一目均衡表の転換線や雲の下限などが控えていることから上値も限定的との声も多いようです。本日一目均衡表の転換線は89.55-60レベルに、また雲の下限は89.90-95レベルに位置しています。なお、その雲の下限は年末にかけて緩やかな上昇に転じています。

本日の主な指標

主な米経済指標の発表は予定されていません。

11月23日の主な経済指標

東京時間22:30:(米)シカゴ連銀全米活動指数-10月 予想未発表 前回-0.81
東京時間24:00:(米)中古住宅販売件数-10月 予想570万件 前回557万件

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:FXディリーチャートは11月23日、お休みをいただきます。
最新版は11月24日、13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 リスク選好姿勢の後退で大幅下落】

昨日までの動向

豪ドル/円は昨日、実体部がしっかりとした陰線引け。一時81台割れを窺う展開となりました。 東京市場を通じ豪ドル/円は軟調に推移。日本国内企業の大型増資を受けリスク回避の動きが強まり、利益確定を伴う豪ドル売りに押されじりじりと値を下げる展開となりました。 加えて、ブラジルなど資金流入の加速が目立つ一部の国や地域で株式取引などに制限措置が導入され始めたことも、リスク手控え姿勢につながったもよう。高金利通貨を大量に買い持ちにしていた米系ファンド勢などが、豪ドルやNZドルなどを売却し利益確定を急いだことも豪ドル/円の下落に拍車をかけたようです。

欧米市場に入り、豪ドル/円は一段安の様相に。この日の株式市場は、日欧米そろって下げ一色となり、リスク回避姿勢から円と米ドルを買い戻す動きが優勢となりました。米ドルの反発を嫌気し、金や原油などの商品市場でも調整売りが広がり、(※米ドル相場と金・原油などの商品相場は通常、逆相関関係となることが多い)資源産出国通貨である豪ドル売りに寄与したもよう。豪ドル/円は一時81.00-05レベルにまで下げる展開となりました。その後、米経済指標が好感され豪ドル/円がやや買い戻されるも81円台後半レベルでは上値の重い動きとなりました。

本日の展望

豪ドル/円は大幅下落。
一目均衡表の基準線が位置する82.35-40レベルを下抜くと下げ幅を拡大し、81円台割れを 窺う動きとなりました。

また、一目均衡表では19日前後にかけて「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されており一目均衡表の雲との乖離を埋めに行く豪ドルの反落リスクが指摘されていました。

本日一目均衡表の先行スパン1は80.65-70レベルに、また先行スパン2は80.25-30レベルに位置しており同レベルとの乖離を縮小させる買われ過ぎ調整による続落リスクに引き続き注視しての値動きとなりそうです。

上値では一目均衡表の基準線が位置する82.35-40レベルや転換線が位置する82.60-65レベルがターゲットとなりそうです。ただ、目先サポートであった83円台前半レベルが下抜け後は直近の抵抗線として寄与しており、同レベルでは上値の重い展開が予想されます。

なお、雲のネジレを上回って通過した場合、豪ドルの下値リスクが一服。雲の上昇に沿って、同レベルを支持線とし下値を切り上げ、上昇に回帰する可能性も示唆しています。

本日の主な指標

主なオーストラリアの経済指標の発表は予定されていません。

11月23日の主な経済指標

東京時間09:30:(豪) 新車販売台数-10月 予想未発表 前回2.9%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:FXディリーチャートは11月23日、お休みをいただきます。
最新版は11月24日、13時頃に更新いたします。