【米ドル/円 約50銭での狭いレンジで膠着】

昨日までの動向

米ドル/円は昨日小陽線引け。終日を通じ約50ポイントに満たない狭いレンジでの取引となりました。
東京市場全般で米ドル/円はやや軟調に推移。日経平均株価が前日比100円近く下げ幅を広げたことや時間外取引でダウ先物が軟調となったことなどを受けてクロス円が軟化すると、米ドル/円も連れて動く格好となり、一時89円台前半レベルにまでじりじりと下げる動きとなりました。 売り一巡後は、小幅に値を戻す展開となりましたが、手掛かり難から積極的な売買は手控えられ、その後は89円台前半レベルでのもみ合いとなりました。

欧米市場に入り、米ドル/円は小幅高。
レンジ内での小動きの中、事前予想を上回る米消費者物価指数(CPI)を背景に米ドルを買い戻す動きがやや優勢となりました。朝方に発表された10月の米住宅着工件数は事前予想60.0万件のところ結果は52.9万件となり、4月以来の低水準を記録。これまで底打ちが期待されていた米住宅部門指数が再び下落に転じたことで、米住宅市場回復への懸念が台頭し、一時米ドル売りが優勢となりました。

ただ、同時に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は事前予想0.2%のところ、結果は0.3% と上昇。変動の大きいエネルギーと食料品を除くコア指数も事前予想の0.1%を上回る0.2%の上昇となりました 。いずれも事前予想を上回ったことから徐々にインフレリスクが意識され米長期金利が上昇。米ドルが買い戻される展開となりました。指標発表後、米ドル円は89円台なかばレベルにまでじりじりと上昇する動きとなりました。ただ、上昇一巡後は米ドルを買い上げる材料が乏しくなり、その後、再び89円台前半レベルに戻してNYクローズを迎えたようです。

本日の展望

昨日は十字線に近い足形となり判断が難しい状況にあるものの、引き続き下値リスクを警戒しての取引となりそうです。直近の下値目途として16日と17日に2度下げ止まった88.70-75レベルがあげられます。同レベルを下抜けた場合、10月7日の安値88.013を下値ターゲットとして捉えることとなりそうです。

一方、上値では直近高値89台半ばレベルをしっかりと回復できるかが焦点となりそうです。目先、一目均衡表の転換線が位置する89.60-65レベルや雲の下限は緩やかな上昇に転じており、88円台で底入れした場合、雲の下限が位置する89.75-80レベルまでの反発上昇も留めておきたい場面です。

本日の主な指標

東京時間22:30:(米)新規失業保険申請件数 予想50.4万件 前回50.2万件
東京時間24:00:(米)景気先行指標総合指数-10月 予想0.4% 前回1.0%
東京時間24:00:(米)フィラデルフィア連銀指数-11月 予想12.2 前回11.5

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 上値の重い展開を継続 一目均衡表の「変化日」に注意】

昨日までの動向

豪ドル/円は3日続けての陰線引けとなりました。東京市場序盤、アジア株の上昇や豪州の7-9月期賃金コスト指数が底堅さを示す内容となったことなどを受け豪ドル/円は一時83円台前半レベルにまで上昇する動きとなりました。しかし、前日の豪州中銀議事録を受け、12月の豪州政策金利会合での金利据え置き観測が一部で根強いこともあり、上昇一巡後は、豪ドル売り優勢の流れとなりました。海外短期筋の年末決算が迫る中で、ここ最近では投機的に積み上がった豪ドル・ロングポジションを手仕舞う動きも観測されているようです。利益確定の豪ドル売りが入り、一時82.60-65レベルにまで下げる展開となりました。

欧米市場に入り、豪ドル/円は上値の重い展開に。 米住宅関連指標の悪化で再び83円台を割り込む場面も見受けられました。一方、ドル安の継続を背景に金先物価格は18日、史上最高値を更新。終値は1141.2ドルなりました。金価格の上昇は、資源産出国通貨である豪ドルの支援材料となる傾向が強いものの、NYダウが下落していることなどを受け、この日は利益確定の豪ドル売りが優勢となったようです。NY引けにかけては材料難から動意に乏しく83円台を挟んだレベルでのもみ合いとなりました。

本日の展望

84円台に上値を阻まれたことなどから、利益確定の売りに押され下げ幅を拡大。その後、上値では目先サポートであった83円台前半レベルが下抜け後は直近の抵抗線になりつつあるようです。一方、下値では一目均衡表の基準線が位置する82.35-40付近では底堅い動きとなっています。

また、一目均衡表では19日前後にかけて「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されます。なお、11月2日価格がこの雲のネジレを通過した際には79.40-45レベルにまで急落する動きが観測されました。目先、豪ドルの買われ過ぎ調整を示唆するような雲のネジレが観測されたことから、現段階からの高値売り抜けのタイミングが意識されやすいもよう。豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから大きく乖離する動きとなっており、今後この乖離を埋めに行くもう一段の調整的な豪ドル反落リスクにも注意を払いたいところです。なお、雲の上限は先行き82円台前半にまで切り上がる形となっており、調整一巡後、豪ドル/円は下値を切り上げ上昇に回帰する可能性も示唆しています。

本日の主な指標

主なオーストラリアの経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

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