【米ドル/円 米GDPの改善を受け急反発】

昨日までの動向

東京時間では、前日に欧米市場で円が買い戻された流れを引き継ぎ、米ドル/円は軟調に推移。28日の欧米市場で、米新築住宅販売件数が市場の予想に反して、半年ぶりのマイナスに転じたため、米景気の先行き不透明感が一段と強まり、投資家がリスク回避の姿勢を強め、米ドルと円が主要通貨に対して幅広く買われる展開となりました。米ドル/円では米国債利回りの低下や米経済指標の悪化などが嫌気され円が対米ドルで上昇する流れを継続。米ドル/円は一時90.20-25レベルにまでじりじりと下げる動きとなりました。

欧米市場に入り、米ドル/円、クロス円が急反発。東京時間21:30に発表された2009年第3四半期の米実質GDP(国内総生産)が、5四半期ぶりにプラスに転じたことを背景に急激に米ドルに買い戻しが入り、円が下落しました。米商務省が同日に発表した米実質GDP伸び率(速報値)は個人消費の堅調などを背景に事前予想3.2%増のところ3.5%増となりました。これを受け、昨日までの新築住宅販売件数、消費者信頼感指数の悪化により、くすぶっていた米景気先行きに対する警戒感が後退、素直に米ドルを買い戻す動きとなりました。また同日実施された米7年債の入札が不調に終わったことも米長期金利の上昇を促し米ドル買い、円売りに寄与したもよう。米GDPの好内容を受け、米ドル/円は一時91.60-65レベルにまで上昇。その後も、91円台なかばレベルを維持してNYクローズを迎えたようです。

本日の展望

米ドル/円は90円台前半にまで下げる一時動きとなるも21日の移動平均線が位置する90.25-30レベルでサポートされる格好となり、反発上昇に転じる動きとなっています。また、90円台前半レベルでは、一目均衡表の基準線(90.10-15レベル)が位置していることなどに加え、90円台前半レベルは7日からの上げ幅の約半値押しにも該当しており、現時点で同レベルが強力なサポートとして寄与しているようです。一方、上値では一目均衡表の雲の下限が位置する91.60-65レベルをしっかりと超えてこれるかが焦点となりそうです。同レベルを上回った場合、27日の高値92.25-30レベルを視野に入れての取引となりそうです。

本日の主な指標

東京時間21:30:(米)個人所得-9月 予想0.1% 前回0.2%
東京時間21:30:(米)個人支出-9月 -0.5% 1.3%
東京時間22:45:(米)シカゴ購買部協会景気指数-10月 予想49.0 前回46.1
東京時間23:00:(米)ミシガン大学消費者信頼感指数-10月 予想70.0 前回69.4
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 高騰 リスク投資の再燃】

昨日までの動向

東京時間の動きでは、豪ドル/円は81円台前半レベルでのもみ合いに。29日早朝に発表されたニュージーランド中銀の政策金利据え置き発表については、市場予想の範囲内と受け止められ、相場への直接的な影響は限定的なものとなりました。豪ドル/円は一時、81円台割れを窺う動きとなっていましたが、その後に発表された豪州の8月景気先行指数が1.8%増となり、前月の+0.7%から改善され、あらためて豪州の景気先行き回復に安心感が広がったことから同指標発表後下げ止まり、81円台前半レベルでもみ合う動きとなりました。

欧米時間に入り、豪ドル/円が急騰。米GDPの改善を受け米株式相場が一時200ドル超の急伸となり、これを受けてリスク投資の活発化から高金利通貨などの高リスク資産に資金を移す動きが再燃したもよう。また、米GDP改善を受けて需要拡大観測が強まり、NY原油が急反発。一時80ドル台を回復する動きとなった他、リスク許容度の高まりでNY金も急反発したことなども資源産出国通貨である豪ドルの支援材料として寄与した模様。豪ドル/円は一時84.00-05レベルにまで高騰する動きとなりました。

本日の展望

一時81円台割れを窺う動きとなるも一目均衡表の転換線が位置する80.80-85レベルでサポートされる格好となり、その後急反発。28日の急落分をほぼ戻す展開となりました。昨日の急騰で、直近抵抗線として目されていた一目均衡表の転換線もしっかりと上抜いており、豪ドル/円の上値リスクが再び高まりつつあるようです。豪ドル/円は85円台前後が目先上値の抵抗線として寄与しているもよう。84円台後半レベルに控える戻り売りなどをこなしながら85円台定着となるかが焦点となりそうです。一方、一目均衡表では目先、変化日を示唆する雲のネジレが観測されていることが気がかり。そのネジレは11月初旬に78.30-78.35レベルに位置しいます。豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから乖離する動きとなっており、85円台乗せ失敗となった場合でのもう一段の調整的な豪ドル反落リスクに注意を払いたいところです。なお、本日一目均衡表の基準線は80.80-85レベルに位置しており、反落となった場合に再び同レベル下げ止まることが出来るかが目先での焦点となりそうです。

本日の主な指標

豪州の主な経済指標の発表は予定されておりません。
※当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

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